[INTERVIEW] Connan Mockasin



昨年のフジロックフェスティバルで、Mac DeMarcoとMGMTのステージに登場し話題を呼んだブロンド・ヘアーの謎の男、Connan Mockasin。Charlotte GainsbourgやJames Blakeとも一緒にツアーするなど、神出鬼没の活動を続けるこの男が、OGRE YOU ASSHOLE主催のイベントに出演するため、バンド編成での初来日を果たす。

それを記念して、会場ではライナーノーツとコナン本人手描きによる絵コンテ、ダウンロード・ボーナストラックが付いた最新作『Jassbusters』の特別仕様盤CDも限定販売。というわけで今回は、昨年Connanが日本滞在中に行ったインタビューを公開しよう。

教師と教え子の禁断の愛を描いた5話構成のドラマ『Bostyn 'n Dobsyn』の兄弟アルバムとして制作されたという本作。あなたもぜひ、キャラメルのように溶けるギター・サウンドの快楽に溺れてみてほしい。


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[INTERVIEW] Weyes Blood


photo by Kathryn Vetter Miller

Weyes BloodことNatalie Meringの新作『Titanic Rising』のジャケットを飾る水に沈んだ部屋の壁には、Sumnerというロック・バンドのポスターが貼られている。

そのバンドのフロントマンであり、Natalieの父親でもあるSumner Meringは、1980年にJack NitzscheがプロデュースしたアルバムをAsylumからリリースしているが、その後すぐに音楽を辞めて敬虔なクリスチャンになったため、Natalieがそのことを知ったのは、ずっと後になってからだという。

そんな彼女がSub Popからリリースした『Titanic Rising』は、子供の頃に大ヒットした映画『タイタニック』と、そのモチーフとなった豪華客船、タイタニックの沈没に着想を得たアルバムだ。両親の信仰への反発から、ノイズやアンビエント・ミュージックを演奏するようになったというNatalieだが、生まれ故郷のカリフォルニアに戻ってきた彼女が本作で奏でるのは、かつて両親が愛していたような、70年代のシンガー・ソングライターたちを思わせるポップ・ミュージック。

氷の柱にぶつかって沈んだタイタニックの物語は、その氷が溶けて海面が上昇する現代を生きる人々に、一体どんな示唆を与えてくれるのだろうか。The Lemon TwigsやAriel Pink's Haunted Graffitiのメンバーも参加した『Titanic Rising』は、芸術性を兼ね備えたブロックバスター・ムービーであり、神なき時代の神話のような作品だ。

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[INTERVIEW] Peter Broderick、Arthur Russellを語る



きっかけは、2017年の夏。かつてのバンド・メンバーだったEfterklangのRasmus Stolbergが始めたデンマークの Badesøen Festivalから、"Arthur Russellの曲だけを演奏する"という依頼を受けたPeter Broderickは快諾し、デンマークのミュージシャンからなるバンドを従えて出演する。

その素晴らしいパフォーマンスの噂はArthur Russellの生前最後のパートナーであり、遺された楽曲の管理を任されているTom Leeまで届き、彼はPeterに連絡を取ると、Arthurの楽曲のアーカイヴの調査と、古いテープの修復を依頼。まだ世に出ていない、何時間にも及ぶArthurの未発表曲を聴いて高まる想いを抑えきれなくなったPeterが、自身の生まれ故郷であり、Arthurの遺族が暮らすメイン州でレコーディングしたのが、先日リリースされたカバー・アルバム『Peter Broderick & Friends Play Arthur Russell』だ。

妻であるアイルランド人シンガー・ソングライターのBrigid Mae Powerやコラボレ―タ―のDavid Allred、さらにはArthur Russellの甥や姪も参加し、Tom Leeがジャケットのアートワークを提供したこのアルバムも好評なPeterが、4月23日に一夜限りの来日公演を行うことが決定。そこで今回はPeterにカバー・アルバムの制作背景や、リリースが噂されるArthur Russellの新しい未発表曲集について、メールで話を聞いてみた。


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[FEATURE] VetiverのAndy Cabic、シティ・ポップを語る


photo by Alissa Anderson

一昨年シアトルのLight In The Atticからリリースされて話題となった日本の70年代フォーク・ロックのコンピレーション『Even a Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973』。その続編として、今度は70年代後半の日本の“シティ・ポップ”に焦点を当てたコンピレーション『Pacific Breeze: Japanese City Pop, AOR & Boogie 1976-1986』が、5月3日にリリースされます。

選曲を担当したのはDJのZach Cowieと、インターネット局DublabのFrostyことMark McNeill、そしてロック・バンドVetiverのリーダーでもあるAndy Cabic。というわけで昨年のKevin Krauterに引き続き、今回はAndyに日本のポップスとの出会いやヨット・ロック、リメイク盤も話題な『HOSONO HOUSE』などについて聞いてみました。

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[INTERVIEW] Simon Halliday (4AD)


photo by Kazumichi Kokei

音楽性は変われど、4ADというレーベルには連綿と受け継がれている伝統や、美意識がある――自分もそう思っていたし、そう考えたいのがファン心理というものだろう。けれども、それは必ずしも褒め言葉ではないのかもしれない。少なくとも、Warpの元スタッフで、4ADの現社長であるSimon Hallidayにとっては。

先月日本で開催された4ADのレーベル40周年記念ショーケース・ライヴの直前に行われたこのインタビューでの彼の発言は、往年のファンが聞いたら眉をひそめるようなものばかりかもしれないが、存続の危機に瀕していたレーベルを10年足らずで立て直したという自負と、カリスマ的な存在だった前オーナーへの対抗心が、その節々に感じられた(事実、店頭でのキャンペーンで配布された4ADのサンプラーCDのために自分が提案した楽曲のうち、過去の作品の多くは、現在のレーベル所属アーティストの楽曲に差し替えられていた)。

けれども不思議なことに、“僕はビジネスマンだ”と言い切るこの男を、嫌いになれないのは自分だけだろうか。素晴らしいアーティストが、素晴らしいオーナーであるとは限らない。その逆もまたしかり。Simon Halliday、実は結構すごい人なのかもしれない。

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来日直前のCourtney Barnettが語る、Sleater-KinneyとThe Go-Betweens、The Breeders、boygenius、そして靴下


photo by Pooneh Ghana


昨年リリースされたセカンド・アルバム『Tell Me How You Really Feel』も好評なオーストラリアのシンガー・ソングライター、Courtney Barnett。そんな彼女のジャパン・ツアーが、いよいよ来月からスタートする。そこで今回はメルボルンの自宅で休日を過ごすCourtneyに電話し、アルバム・リリース後のあれこれについて、いろいろと話を聞いてみた。

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[INTERVIEW] Sharon Van Etten


photo by Ryan Pfluger

2014年の前作『Are We There』リリース後、臨床心理士の資格を取るために大学に通いながら、様々なアーティストの作品にゲスト・ヴォーカルで参加し、Netflixのドラマ『The OA』や『ツイン・ピークス』の新シリーズにも出演するなど、女優としても活動してきたSharon Van Etten

一昨年に男の子を出産して一児の母となった彼女が、Nick CaveやSuicide、Portisheadを参考にしたという5年ぶりのカムバック作『Remind Me Tomorrow』について話してくれた。
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[INTERVIEW] Julian Lynch



ウィスコンシン州マディソンのミュージシャン、Julian Lynchを紹介する時に必ず枕詞になるのが、“人類学と音楽民族学の博士候補生”という肩書きだ。それだけに、彼の作品を飾るエキゾチックなアートワークや、ハルモニウム、タブラといった楽器の音色から、どこか学究的なイメージを受けていた人も多いかもしれない。

しかしながら、盟友Martin CourtneyのバンドReal Estateへの参加を経て届けられた6年ぶりの新作『Rat's Spit』で、彼はRobert FrippやSteve Vai、Henry Kaiser、Adrian Belewといったイノヴェイティヴなギタリストたちに触発されたという、本当の意味でモダンなポップ・ミュージックを作り上げている。

博士課程の一環でインドのムンバイに滞在していた2016年、大統領選の結果を受けて歌詞と曲のほとんどを書き直したという本作は、不穏な時代の空気を反映しつつも、幾重にも重ねられたギターと歌声が、宙に浮き上がるような不思議な高揚感を与えてくれるのだ。そんな新作について、最近はヤン・シュヴァンクマイエル作品で知られるズデニェク・リシュカや、伊福部昭の映画音楽にもハマっているというJulianに話を聞いてみた。
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[INTERVIEW] Gang Gang Dance



ニューヨークのロック・バンド、Gang Gang Danceの7年ぶりの新作『Kazuashita』のタイトル曲では、彼らの友人であり、ビジュアル・アーティストでもあるOliver Payneが、色の名前を読み上げていく。ルビー、黄土色、白……そして彼が最後に読み上げる“Kazuashita”という言葉は、メンバーと親しい日本人の子供の名前でもあり、世界に生まれた、新しい色の名前でもあるのだという。

まもなく開催される4ADのレーベル40周年イベント、"4AD presents Revue"出演のため来日するGang Gang DanceのヴォーカルLizzy Bougatsosが、スタンディングロックやジェームズ・ボールドウィンといった、新作のインスピレーションについて教えてくれた。
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[INTERVIEW] The Magic Gang


PHOTO:Teppei

ゆるキャラ風の犬のロゴをバックに、大きめなメガネをかけて歌うヴォーカルのJack、ギターのChris、ベースのAngus、ドラムのPaerisの4人は、The Magic Gangなんて名前が似つかわしくない、穏やかでナードな雰囲気だ。

60年代サーフ・ロックの影響が伺える爽やかなメロディーに乗せて歌う彼らの世界観は、甘過ぎないがピースフル。2018年、Goat GirlやHMLTDをはじめとしたパンク・スピリットを掲げる若手バンドがひしめきあう混沌としたイギリスのロック・シーンで、彼らはのらりくらりマイペースにロマンスを歌うのである。

満を持してリリースとなったデビュー・アルバムを引っ提げ、初のアジアでのライブとなる東京公演を終えた彼らに話を訊いた。
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