[INTERVIEW] Peter Broderick、Arthur Russellを語る



きっかけは、2017年の夏。かつてのバンド・メンバーだったEfterklangのRasmus Stolbergが始めたデンマークの Badesøen Festivalから、"Arthur Russellの曲だけを演奏する"という依頼を受けたPeter Broderickは快諾し、デンマークのミュージシャンからなるバンドを従えて出演する。

その素晴らしいパフォーマンスの噂はArthur Russellの生前最後のパートナーであり、遺された楽曲の管理を任されているTom Leeまで届き、彼はPeterに連絡を取ると、Arthurの楽曲のアーカイヴの調査と、古いテープの修復を依頼。まだ世に出ていない、何時間にも及ぶArthurの未発表曲を聴いて高まる想いを抑えきれなくなったPeterが、自身の生まれ故郷であり、Arhutrの遺族が暮らすメイン州でレコーディングしたのが、先日リリースされたカバー・アルバム『Peter Broderick & Friends Play Arthur Russell』だ。

妻であるアイルランド人シンガー・ソングライターのBrigid Mae Powerやコラボレ―タ―のDavid Allred、さらにはArthur Russellの甥や姪も参加し、Tom Leeがジャケットのアートワークを提供したこのアルバムも好評なPeterが、4月23日に一夜限りの来日公演を行うことが決定。そこで今回はPeterにカバー・アルバムの制作背景や、リリースが噂されるArthur Russellの新しい未発表曲集について、メールで話を聞いてみた。


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[FEATURE] VetiverのAndy Cabic、シティ・ポップを語る


photo by Alissa Anderson

一昨年シアトルのLight In The Atticからリリースされて話題となった日本の70年代フォーク・ロックのコンピレーション『Even a Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973』。その続編として、今度は70年代後半の日本の“シティ・ポップ”に焦点を当てたコンピレーション『Pacific Breeze: Japanese City Pop, AOR & Boogie 1976-1986』が、5月3日にリリースされます。

選曲を担当したのはDJのZach Cowieと、インターネット局DublabのFrostyことMark McNeill、そしてロック・バンドVetiverのリーダーでもあるAndy Cabic。というわけで昨年のKevin Krauterに引き続き、今回はAndyに日本のポップスとの出会いやヨット・ロック、リメイク盤も話題な『HOSONO HOUSE』などについて聞いてみました。

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[REVIEW] Stella Donnelly - Beware of the Dogs

評価:
Secretly Canadian
(2019-03-08)

芝生の復讐

フジロックフェスティバルへの出演も決まっているオーストラリアのシンガー・ソングライター、Stella Donnelly。多くの人たちと同じように、彼女のことは2017年に本国でリリースされた「Boys Will Be Boys」という曲で知ったのだけれど、これまで積極的に取り上げてこなかったのには理由がある。正直に言って、この「Boys Will Be Boys」という曲が苦手、というか嫌いだったからだ。

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[FEATURE] Blueprint Blueのヨット・ロック入門



「最近よく聞くけど、ヨット・ロックって何なの?」

そんなあなたの疑問に答えてくれるのが、Steely Danの名曲「Peg」にその名を由来するというサウス・ロンドンの4人組、Blueprint Blue。昨年のインタビューでも語ってくれたように、10年代ロンドンのサイケデリック・シーンを担いながら、70年代アメリカのウェスト・コースト・ロックに憧れ、ジャズやソウル・ミュージックの影響を受けて洗練されてきた彼らは、まさにヨット・ロック・チルドレンとも言えるバンドなのです。

そんなBlueprint Blueが3月20日にP-Vineから日本先行リリースするファースト・アルバム『Tourist』から、新曲「An-D」が公開されました。“自分の望み通りのアンドロイドを紹介してくれる架空のデート・サービス”について歌ったというこの曲は、その内容に反してStevie Wonderを思わせるジャジー・ポップになっていますが、アルバムに先駆けてメンバー4人が公開したプレイリストが“これぞヨット”な選曲になっているので、プロフィールと併せて紹介したいと思います!

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[INTERVIEW] Simon Halliday (4AD)


photo by Kazumichi Kokei

音楽性は変われど、4ADというレーベルには連綿と受け継がれている伝統や、美意識がある――自分もそう思っていたし、そう考えたいのがファン心理というものだろう。けれども、それは必ずしも褒め言葉ではないのかもしれない。少なくとも、Warpの元スタッフで、4ADの現社長であるSimon Hallidayにとっては。

先月日本で開催された4ADのレーベル40周年記念ショーケース・ライヴの直前に行われたこのインタビューでの彼の発言は、往年のファンが聞いたら眉をひそめるようなものばかりかもしれないが、存続の危機に瀕していたレーベルを10年足らずで立て直したという自負と、カリスマ的な存在だった前オーナーへの対抗心が、その節々に感じられた(事実、店頭でのキャンペーンで配布された4ADのサンプラーCDのために自分が提案した楽曲のうち、過去の作品の多くは、現在のレーベル所属アーティストの楽曲に差し替えられていた)。

けれども不思議なことに、“僕はビジネスマンだ”と言い切るこの男を、嫌いになれないのは自分だけだろうか。素晴らしいアーティストが、素晴らしいオーナーであるとは限らない。その逆もまたしかり。Simon Halliday、実は結構すごい人なのかもしれない。

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来日直前のCourtney Barnettが語る、Sleater-KinneyとThe Go-Betweens、The Breeders、boygenius、そして靴下


photo by Pooneh Ghana


昨年リリースされたセカンド・アルバム『Tell Me How You Really Feel』も好評なオーストラリアのシンガー・ソングライター、Courtney Barnett。そんな彼女のジャパン・ツアーが、いよいよ来月からスタートする。そこで今回はメルボルンの自宅で休日を過ごすCourtneyに電話し、アルバム・リリース後のあれこれについて、いろいろと話を聞いてみた。

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[FEATURE] 三船と岡田、Beirutをさらに語る



毎週いろいろな音楽を紹介するYouTubeの番組“BIZARRE TV”のメイン・パーソナリティーを務めるROTH BART BARONの三船雅也と、元・森は生きているの岡田拓郎。先ほどそんな二人がBeirutの新作『Gallipoli』について語る記事がタワーレコードの音楽サイトMikikiで公開されましたが、ここでは泣く泣くカットした部分を、未公開写真と一緒に掲載したいと思います。

ボラギノールのCMをイメージしながらご覧ください!
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[SONG OF THE DAY] Vampire Weekend - Harmony Hall / 2021



かねてから予告されていた通り、先ほどVampire Weekendが、2013年のアルバム『Modern Vampires of the City』以来6年ぶりとなる新曲、「Harmony Hall」と「2021」を同時に公開しました。

『Modern Vampires of the City』収録の「Finger Back」の歌詞を引用した「Harmony Hall」では、Dirty ProjectorsのDave Longstrethがギターを弾いているほか、ベテラン・ペダル・スチール奏者のGreg Leisz、HaimのDanielle Haim、Vampire Weekendの元メンバーでもあるRostam Batmanglijが参加。

そして細野晴臣が無印良品のために書いたBGMをサンプリングしたという「2021」にはJenny Lewisが参加し、“Boy”というフレーズを歌っています。この2曲はどちらも彼らのニュー・アルバム『Father of the Bride』(花嫁の父)に収録されるそうですが、一体どんなことを歌っているのでしょうか?

彼らなりのプロテスト・ソングとも取れる「Harmony Hall」と、(細野さんだけに)東京オリンピックの翌年、2021年に思いを馳せるような「2021」、どちらもその真意はわかりませんが、アルバムのリリースまでに毎月2曲、少なくともあと4曲が公開されるそうなので、続報に期待しましょう!
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[INTERVIEW] Sharon Van Etten


photo by Ryan Pfluger

2014年の前作『Are We There』リリース後、臨床心理士の資格を取るために大学に通いながら、様々なアーティストの作品にゲスト・ヴォーカルで参加し、Netflixのドラマ『The OA』や『ツイン・ピークス』の新シリーズにも出演するなど、女優としても活動してきたSharon Van Etten

一昨年に男の子を出産して一児の母となった彼女が、Nick CaveやSuicide、Portisheadを参考にしたという5年ぶりのカムバック作『Remind Me Tomorrow』について話してくれた。
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