
きっかけは、2017年の夏。かつてのバンド・メンバーだったEfterklangのRasmus Stolbergが始めたデンマークの Badesøen Festivalから、"Arthur Russellの曲だけを演奏する"という依頼を受けたPeter Broderickは快諾し、デンマークのミュージシャンからなるバンドを従えて出演する。
その素晴らしいパフォーマンスの噂はArthur Russellの生前最後のパートナーであり、遺された楽曲の管理を任されているTom Leeまで届き、彼はPeterに連絡を取ると、Arthurの楽曲のアーカイヴの調査と、古いテープの修復を依頼。まだ世に出ていない、何時間にも及ぶArthurの未発表曲を聴いて高まる想いを抑えきれなくなったPeterが、自身の生まれ故郷であり、Arhutrの遺族が暮らすメイン州でレコーディングしたのが、先日リリースされたカバー・アルバム『Peter Broderick & Friends Play Arthur Russell』だ。
妻であるアイルランド人シンガー・ソングライターのBrigid Mae Powerやコラボレ―タ―のDavid Allred、さらにはArthur Russellの甥や姪も参加し、Tom Leeがジャケットのアートワークを提供したこのアルバムも好評なPeterが、4月23日に一夜限りの来日公演を行うことが決定。そこで今回はPeterにカバー・アルバムの制作背景や、リリースが噂されるArthur Russellの新しい未発表曲集について、メールで話を聞いてみた。