[SONG OF THE DAY] Mountain Goats - Abandoned Flesh
2017.06.25 (Sun)

小説家としても活躍するJohn Darnielle率いる文系インディー・ロック・バンド、Mountain Goats。当初はJohnによるローファイなベッドルーム・プロジェクトでしたが、00年代には4ADに所属し、くるりのChristopher McGuireやOwen Pallett、St. Vincentらがゲスト参加した、より洗練された作品をリリースしてきました。
その後Mergeに移籍すると、2015年にはプロレスをテーマにしたアルバム『Beat The Champ』をリリース。モデルとなったレスラーのチャボ・ゲレロ本人から賞賛され、バンド史上最高となるビルボード初登場65位を記録するなど、思わぬブレイクを果たすことになります。
そして2年ぶりにリリースされる新作『Goths』は、その名の通りゴスをテーマにした異色作。ところがタイトルに反し、冒頭の「Rain in Soho」こそゴシック・ロック風になっていますが、その後はフェンダー・ローズやサックスをフィーチャーした、Steely DanやPrefab Sproutばりのジャジーなソフィスティ・ポップが繰り広げられています。
そんなアルバムのラストを飾るのが、Bon Iverの『22, A Million』にも参加していた管楽器奏者Matt Douglasによるホーン・アレンジも素晴らしい「Abandon Flesh」。CureのRobert SmithやSiouxsie and the Bansheesといったゴスのアイコンたちに混ざって、兄弟喧嘩がきっかけで分裂してしまった徒花バンド、Gene Loves Jezebelのその後が歌われています。
ゴス・バンドの悲喜こもごもを描いた本作、どの曲も面白いので、ぜひ聴いてみてください!