ALBUM OF THE WEEK
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Dedicated to Bobby Jameson


Half-Light



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Peter J. Brant - FAÇADES
評価:
R.C. Legacy Records
(2015-11-13)

一瞬「Jad Fair?」と見紛うようなジャケットの脱力系イラストが目を惹く本作。Jad Fairといえば、近年はDeerhoofのギタリストであるJohn Dieterichとのコラボ作品が続いているが、本作のミックスを手掛けているのはDeerhoofの元メンバーだったChris Cohenで、一体どんなアルバムなのかと思って再生してみると、何やら聴き覚えのある声が飛び込んでくる。

どうやら本作は、SolangeWar On Drugsのミュージック・ビデオを手掛ける映像作家であり、Ben and Bruno名義でも活動していたPeter J. Brantの楽曲を、カナダのシンガー・ソングライターであるNicholas Krgovichと一緒に歌ったアルバムのようなのだ。
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Posted by Monchicon
REVIEWS / 02:45 / comments(0) / trackbacks(0)
Jim O'Rourke - Simple Songs
評価:
Drag City
(2015-05-19)

グッド・タイミング

前作『The Visitor』の余韻がきらびやかに舞うステレオ空間に、新しく聴こえてくる音とともに何者かの影が近づいてくる。陰影法でミラー・ボールが消えてゆく。これは西部劇の決闘の描写? なんて思っているうちに突然、馬に乗ったBuckingham Nicksに不意打ちされる。砂混じりの視界のなか、「Nice to see you once again (また会えて嬉しいよ)」の言葉が耳元をかすめる。

新譜『Simple Songs』はそんな風に始まる。ごく基本的な快楽への欲求に根ざしたと思われる、非常に複雑にアレンジされた曲の数々。蛍光深緑色のカーディガンを着ているのは誰? ピーター・フォーク? これは一体どんな音楽なんだろうか。陰影法ロック?
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Posted by Daniel Kwon
REVIEWS / 20:11 / comments(0) / trackbacks(0)
Courtney Barnett - Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit
ペンは剣よりも強し

まずはアルバムの冒頭を飾る「Elevator Operator」の、巧みな語り口に驚かされる。

20歳にして社畜の青年オリバー・ポールと、ハイヒールを履いてヘビ革の鞄をぶら下げ、香水の臭いを撒き散らす中年女性。青年に同情した女性は後で強烈なしっぺ返しを食らうことになるのだが、性別も年齢も身分も違う2人の主従関係が1台のエレベーターの中で逆転するというこの曲は、エレベーターと人生のアップダウンを皮肉たっぷりに対比させていて、思わず唸らずにはいられない。
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Posted by 清水祐也
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Weyes Blood - The Innocents
評価:
Mexican Summer
(2014-10-21)

賢い血

Greatest HitsやRaw Thrillsとして活躍するZak Meringの妹であり、Jackie-O Motherfuckerの元メンバーであり、Ariel Pink's Haunted Graffitiの『Mature Themes』にもコーラスで参加していたWeyes BloodことNatalie Mering。

彼女に興味を持ったのは、Sufjan Stevensも同名の曲を書いた『善人はなかなかいない(A Good Man Is Hard To Find)』などで知られる作家、フラナリー・オコナーの小説『賢い血(Wise Blood)』を連想させる名前だったからなのだが、今度の新作のタイトルはヘンリー・ジェイムス原作の映画と同じ『回転(The Innocents)』だと言うのだから、その徹底ぶりには恐れ入ったと言うしかない。
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Posted by 清水祐也
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Real Estate - Atlas
評価:
Domino
(2014-03-04)

Springtime Blues

ずっと変わらないままでいること、そしてそんな自分を表現し続けるということは、無限に選択肢が増えた現在、極端に変化することよりも実はよっぽど難しいんじゃないだろか。そういう意味でいえば、Real Estateの変わらなさはもはや至高の芸だ。シカゴにあるWilcoのスタジオで録音されたという通算3作目となるこの新作でも、前情報からベタに思い浮かぶ「オルタナ・カントリー」への傾倒などはあくまで見せない。基本的には以前と変わらない“洗練”と“いなたさ”が同居する「日陰の小道散歩」系のギター・ポップを実直に鳴らしている。
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Posted by 佐藤一道
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Juan Wauters - N.A.P. North American Poetry
評価:
Captured Tracks Rec.
(2014-02-04)

アメリカの上半身

ブラジルのコルコバードの丘にある巨大なキリスト像と、その下に佇む、ダサめのグラサンをかけた上半身裸の男。出稼ぎをしていた父親を頼って、2002年に生まれ故郷のウルグアイからニューヨークへとやってきたというJuan Wautersは、クイーンズを拠点に活動するポップ・パンク・バンド、The Beetsのメンバーだ。そんな彼の初めてのソロ・アルバムが本作だが、『N.A.P. North American Poetry(北アメリカの詩)』と銘打っているわりには、辺境サイケ・フォークのようなガット・ギターの弾き語りが大半を占め、これまでで最も南米色の強い作品になっている。
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Posted by 清水祐也
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Destroyer - Five Spanish Songs
評価:
Merge Records
(2013-11-25)

さよならアメリカ

2011年の『Kaputt』でサックスが奏でるメロウなブロウによって擬似80年代欧州ロマン(もしくはここ20年ほどのロックの文脈では「なかったこと」にされてきた「大人の音楽」)を追体験させてくれたDan Bajer率いるDestroyerの新作5曲入りEPはなんと全曲カヴァー、しかもタイトル通り全編スペイン語という驚きのヒネリ技。本人は英語に飽きちゃってさみたいなことを言ってるけど、コレ、なかなかに人を食ったやり方だと思う。日本に置き換えたらBeckがはっぴいえんどの曲を日本語そのままで歌っているようなものなのでは(もしくは「Jim O'rourkeの演歌」に近いか)。
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Posted by 佐藤一道
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Matt Duncan - Soft Times
評価:
HOP HOP
(2013-01-15)

人生はソフト

Owen Pallettも一目置くヴァイオリン奏者、C. Spencer Yeh率いるドローン・ノイズ・ユニットBurning Star Coreのメンバーであり、Real EstatePeaking LightsGary WarOneohtrix Point Neverといったアーティストのカヴァー・アートを手掛けているRobert Beattyは、そのサイケデリックな色彩感覚と記名性の高さにおいて、まさに現代のRoger Deanとも言える存在だ。

ケンタッキー州のシンガー・ソングライター、Matt Duncanのファースト・アルバムも、そんなRobert Beattyの作品を追っているうちに見つけたものだが、彼が手掛けた他の作品のようなサウンドを期待して聴いた人たちは、きっと肩透かしを食らうことだろう。なぜならここで繰り広げられているのは、Steely DanBilly Joelを思わせる、70年代のA(&)Mポップスなのだから。
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Posted by 清水祐也
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Kevin Morby - Harlem River
評価:
Woodsist
(2013-11-26)

川の流れを見つめて

Woodsのベーシストで、Vivian GirlsのCassie RamoneとのBabiesでも活動するKevin Morbyのソロ・アルバムと、Vampire Weekendの『Modern Vampires of the City』には、幾つかの共通点がある。どちらもJandekへのオマージュがあり、音楽的には60年代のBob Dylanを規範に、ニューヨークという街を描いているということ。けれども大きく違うのは、一方は今もニューヨークを拠点に活動しているのに対し、もう一方はすでに、その街を去ってしまったということだ。
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Posted by 清水祐也
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Huerco S. - Colonial Patterns
評価:
Software / melting bot
(2013-11-28)

黙々とモクモク

例えばEDMの大規模な野外レイヴ・パーティーで陽気に盛り上がっている人々の映像を観ると、あの中の何人かは絶対「そうじゃない人」が混じっているんじゃないかとついつい勘ぐってしまう。群集のど真ん中で尿意を催して焦ってる人もいれば、友達の付き合いで連れてこられて「来るんじゃなかった・・・」と激しく後悔している人も中にはいるはずだ。いや、ものすごく陽気に盛り上がっている人でさえも、実は養育費の問題で夫と喧嘩になったり、赤ちゃんが夜泣きして近所からクレームが来たり、もしくはつい先日離婚が成立したばかりだったりするのかもしれない。要はダンス・ミュージックだからといってみんながみんな一様にそんなに一斉に陽気に踊らなくてもいいんじゃないか、ということ。

EDMに対して個人的に抱くこうした「おいてけぼり感」については、デトロイトやニューヨークといったダンス・ミュージックの「メッカ」からかなり遠いところにあり、かといって南部のようにレイドバックもしていない宙ぶらりんな場所に位置する中西部カンザス州生まれのこのミュージシャンならきっと頷いてくれるはずだ。これまでにFuture Times, Opal Tapes, Wicked Bassから音源を発表し、ブルックリンの気鋭のプロデューサーAnthony NaplesのProibitoよりRoyal Crown Of Sweden名義でも12インチを発表している新人Huerco S.ことBrian Leedsが、Oneohtrix Point Never主宰のSoftwareからリリースしたデビュー・アルバムColonial Patternsで鳴らしているのは、おそらくそんな類の違和感に違いない。
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Posted by 佐藤一道
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