[FEATURE] Fleet Foxesの新作について私が知っている二、三の事柄
2016.12.28 (Wed)

2012年の来日公演を最後に活動を停止するも、今年に入ってからInstagramを頻繁に更新し、ニュー・アルバムのレコーディング風景を定期的にアップしているFleet FoxesのRobin Pecknold。そんな彼が25日に新作と思われるアートワークをアップ(現在は削除)し、リリースが間近なのではと囁かれています。
![]() ALBUM OF THE WEEK
*
Categories
Selected Entries
Bookmark
Others
|
![]() |
[FEATURE] Fleet Foxesの新作について私が知っている二、三の事柄
2016.12.28 (Wed)
![]() 2012年の来日公演を最後に活動を停止するも、今年に入ってからInstagramを頻繁に更新し、ニュー・アルバムのレコーディング風景を定期的にアップしているFleet FoxesのRobin Pecknold。そんな彼が25日に新作と思われるアートワークをアップ(現在は削除)し、リリースが間近なのではと囁かれています。 [REVIEW] Cass McCombs - Mangy Love
2016.12.09 (Fri)
死んだ犬は治せない 黒人だけを襲うように調教された白い犬──フランスの小説家ロマン・ガリが、自分の妻であり、ジャン=リュック・ゴダール監督『勝手にしやがれ』のヒロイン役で知られる女優のジーン・セバーグの身に起こった事件をモチーフに書いた小説『白い犬』を映画化したのが、サミュエル・フラー監督の『ホワイト・ドッグ』(1982)だ。 一方、これまで4ADやDominoから作品をリリースしてきたカリフォルニアのシンガー・ソングライター、Cass McCombsのAnti-移籍第1弾となるアルバム『Mangy Love』は、こんなフレーズで幕を開ける。 The white dog of the farm still breeds あの牧場の白い犬はまだ繁殖する she’s off her leash 彼女は鎖をほどく to tear flesh and teach 肉を引き裂いてわからせるために bum bum bum バム・バム・バム アメリカが抱える人種差別問題に牙を剥いたこの「Bum Bum Bum」からもわかるように、通算8作目となる本作は、歌詞の面でも音楽の面でも、彼のキャリアの中でもっとも挑戦的、かつ挑発的な作品だ。 Lambchop - FLOTUS
2016.11.17 (Thu)
“FLOTUS”という言葉には“First Lady Of The United States(アメリカ合衆国大統領夫人)”という意味があるそうだが、2012年の前作『Mr. M』リリース後、夫人のMary Manciniがテネシー民主党の議長になってしまったLambchopのKurt Wagnerの心境たるや、まさに“FLOTUS”だったことだろう。 [CLASSICS] Richard Buckner - The Hill
2016.08.29 (Mon)
Bon IverことJustin Vernonが影響を公言し、新作『22, a Million』を捧げているシンガー・ソングライター、Richard Buckner。そんな彼がエドガー・リー・マスターズの『スプーン・リバー詩集』に曲をつけた2000年のアルバム『The Hill』が、詩集の刊行100周年を記念して、昨年Mergeから再発された。 [REVIEW] Andy Shauf - The Party
2016.07.04 (Mon)
ジェレミーはその晩、ひどく酔っていた。 彼がシェリーの瞳に浮かぶ涙を見たら、驚いたことだろう。 彼女は部屋の隅に佇んで、床を見つめていた。 あいつ一体、今度は何をしたっていうんだ? [REVIEW] Whitney - Light Upon The Lake
2016.06.05 (Sun)
ナナは愛の言葉 観測史上稀に見る寒さを記録した2014年の冬のシカゴで、Smith WesternsのギタリストだったMax Kakacekと、同じくSmith Westernsのドラマーで、Unknown Mortal OrchestraのメンバーだったこともあるJulien Ehrlichは、途方に暮れていた。2人とも恋人にフラれたばかりで、おまけに住む場所を追い出され、ホームレス同然だったのだ。 Peter J. Brant - FAÇADES
2016.03.24 (Thu)
どうやら本作は、SolangeやWar On Drugsのミュージック・ビデオを手掛ける映像作家であり、Ben and Bruno名義でも活動していたPeter J. Brantの楽曲を、カナダのシンガー・ソングライターであるNicholas Krgovichと一緒に歌ったアルバムのようなのだ。 Jim O'Rourke - Simple Songs
2015.05.23 (Sat)
グッド・タイミング 前作『The Visitor』の余韻がきらびやかに舞うステレオ空間に、新しく聴こえてくる音とともに何者かの影が近づいてくる。陰影法でミラー・ボールが消えてゆく。これは西部劇の決闘の描写? なんて思っているうちに突然、馬に乗ったBuckingham Nicksに不意打ちされる。砂混じりの視界のなか、「Nice to see you once again (また会えて嬉しいよ)」の言葉が耳元をかすめる。 新譜『Simple Songs』はそんな風に始まる。ごく基本的な快楽への欲求に根ざしたと思われる、非常に複雑にアレンジされた曲の数々。蛍光深緑色のカーディガンを着ているのは誰? ピーター・フォーク? これは一体どんな音楽なんだろうか。陰影法ロック? Courtney Barnett - Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit
2015.03.17 (Tue)
まずはアルバムの冒頭を飾る「Elevator Operator」の、巧みな語り口に驚かされる。 20歳にして社畜の青年オリバー・ポールと、ハイヒールを履いてヘビ革の鞄をぶら下げ、香水の臭いを撒き散らす中年女性。青年に同情した女性は後で強烈なしっぺ返しを食らうことになるのだが、性別も年齢も身分も違う2人の主従関係が1台のエレベーターの中で逆転するというこの曲は、エレベーターと人生のアップダウンを皮肉たっぷりに対比させていて、思わず唸らずにはいられない。 Weyes Blood - The Innocents
2014.10.28 (Tue)
Greatest HitsやRaw Thrillsとして活躍するZak Meringの妹であり、Jackie-O Motherfuckerの元メンバーであり、Ariel Pink's Haunted Graffitiの『Mature Themes』にもコーラスで参加していたWeyes BloodことNatalie Mering。 彼女に興味を持ったのは、Sufjan Stevensも同名の曲を書いた『善人はなかなかいない(A Good Man Is Hard To Find)』などで知られる作家、フラナリー・オコナーの小説『賢い血(Wise Blood)』を連想させる名前だったからなのだが、今度の新作のタイトルはヘンリー・ジェイムス原作の映画と同じ『回転(The Innocents)』だと言うのだから、その徹底ぶりには恐れ入ったと言うしかない。 |