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Weyes Blood - The Innocents
評価:
Mexican Summer
(2014-10-21)

賢い血

Greatest HitsやRaw Thrillsとして活躍するZak Meringの妹であり、Jackie-O Motherfuckerの元メンバーであり、Ariel Pink's Haunted Graffitiの『Mature Themes』にもコーラスで参加していたWeyes BloodことNatalie Mering。

彼女に興味を持ったのは、Sufjan Stevensも同名の曲を書いた『善人はなかなかいない(A Good Man Is Hard To Find)』などで知られる作家、フラナリー・オコナーの小説『賢い血(Wise Blood)』を連想させる名前だったからなのだが、今度の新作のタイトルはヘンリー・ジェイムス原作の映画と同じ『回転(The Innocents)』だと言うのだから、その徹底ぶりには恐れ入ったと言うしかない。
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Posted by 清水祐也
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Real Estate - Atlas
評価:
Domino
(2014-03-04)

Springtime Blues

ずっと変わらないままでいること、そしてそんな自分を表現し続けるということは、無限に選択肢が増えた現在、極端に変化することよりも実はよっぽど難しいんじゃないだろか。そういう意味でいえば、Real Estateの変わらなさはもはや至高の芸だ。シカゴにあるWilcoのスタジオで録音されたという通算3作目となるこの新作でも、前情報からベタに思い浮かぶ「オルタナ・カントリー」への傾倒などはあくまで見せない。基本的には以前と変わらない“洗練”と“いなたさ”が同居する「日陰の小道散歩」系のギター・ポップを実直に鳴らしている。
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Posted by 佐藤一道
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Juan Wauters - N.A.P. North American Poetry
評価:
Captured Tracks Rec.
(2014-02-04)

アメリカの上半身

ブラジルのコルコバードの丘にある巨大なキリスト像と、その下に佇む、ダサめのグラサンをかけた上半身裸の男。出稼ぎをしていた父親を頼って、2002年に生まれ故郷のウルグアイからニューヨークへとやってきたというJuan Wautersは、クイーンズを拠点に活動するポップ・パンク・バンド、The Beetsのメンバーだ。そんな彼の初めてのソロ・アルバムが本作だが、『N.A.P. North American Poetry(北アメリカの詩)』と銘打っているわりには、辺境サイケ・フォークのようなガット・ギターの弾き語りが大半を占め、これまでで最も南米色の強い作品になっている。
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Posted by 清水祐也
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Destroyer - Five Spanish Songs
評価:
Merge Records
(2013-11-25)

さよならアメリカ

2011年の『Kaputt』でサックスが奏でるメロウなブロウによって擬似80年代欧州ロマン(もしくはここ20年ほどのロックの文脈では「なかったこと」にされてきた「大人の音楽」)を追体験させてくれたDan Bajer率いるDestroyerの新作5曲入りEPはなんと全曲カヴァー、しかもタイトル通り全編スペイン語という驚きのヒネリ技。本人は英語に飽きちゃってさみたいなことを言ってるけど、コレ、なかなかに人を食ったやり方だと思う。日本に置き換えたらBeckがはっぴいえんどの曲を日本語そのままで歌っているようなものなのでは(もしくは「Jim O'rourkeの演歌」に近いか)。
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Posted by 佐藤一道
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Matt Duncan - Soft Times
評価:
HOP HOP
(2013-01-15)

人生はソフト

Owen Pallettも一目置くヴァイオリン奏者、C. Spencer Yeh率いるドローン・ノイズ・ユニットBurning Star Coreのメンバーであり、Real EstatePeaking LightsGary WarOneohtrix Point Neverといったアーティストのカヴァー・アートを手掛けているRobert Beattyは、そのサイケデリックな色彩感覚と記名性の高さにおいて、まさに現代のRoger Deanとも言える存在だ。

ケンタッキー州のシンガー・ソングライター、Matt Duncanのファースト・アルバムも、そんなRobert Beattyの作品を追っているうちに見つけたものだが、彼が手掛けた他の作品のようなサウンドを期待して聴いた人たちは、きっと肩透かしを食らうことだろう。なぜならここで繰り広げられているのは、Steely DanBilly Joelを思わせる、70年代のA(&)Mポップスなのだから。
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Posted by 清水祐也
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Kevin Morby - Harlem River
評価:
Woodsist
(2013-11-26)

川の流れを見つめて

Woodsのベーシストで、Vivian GirlsのCassie RamoneとのBabiesでも活動するKevin Morbyのソロ・アルバムと、Vampire Weekendの『Modern Vampires of the City』には、幾つかの共通点がある。どちらもJandekへのオマージュがあり、音楽的には60年代のBob Dylanを規範に、ニューヨークという街を描いているということ。けれども大きく違うのは、一方は今もニューヨークを拠点に活動しているのに対し、もう一方はすでに、その街を去ってしまったということだ。
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Posted by 清水祐也
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Huerco S. - Colonial Patterns
評価:
Software / melting bot
(2013-11-28)

黙々とモクモク

例えばEDMの大規模な野外レイヴ・パーティーで陽気に盛り上がっている人々の映像を観ると、あの中の何人かは絶対「そうじゃない人」が混じっているんじゃないかとついつい勘ぐってしまう。群集のど真ん中で尿意を催して焦ってる人もいれば、友達の付き合いで連れてこられて「来るんじゃなかった・・・」と激しく後悔している人も中にはいるはずだ。いや、ものすごく陽気に盛り上がっている人でさえも、実は養育費の問題で夫と喧嘩になったり、赤ちゃんが夜泣きして近所からクレームが来たり、もしくはつい先日離婚が成立したばかりだったりするのかもしれない。要はダンス・ミュージックだからといってみんながみんな一様にそんなに一斉に陽気に踊らなくてもいいんじゃないか、ということ。

EDMに対して個人的に抱くこうした「おいてけぼり感」については、デトロイトやニューヨークといったダンス・ミュージックの「メッカ」からかなり遠いところにあり、かといって南部のようにレイドバックもしていない宙ぶらりんな場所に位置する中西部カンザス州生まれのこのミュージシャンならきっと頷いてくれるはずだ。これまでにFuture Times, Opal Tapes, Wicked Bassから音源を発表し、ブルックリンの気鋭のプロデューサーAnthony NaplesのProibitoよりRoyal Crown Of Sweden名義でも12インチを発表している新人Huerco S.ことBrian Leedsが、Oneohtrix Point Never主宰のSoftwareからリリースしたデビュー・アルバムColonial Patternsで鳴らしているのは、おそらくそんな類の違和感に違いない。
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Posted by 佐藤一道
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Matt Kivel - Double Exposure
アメリカの虹鱒釣り

先日、ひょんなことから「ネオアコ・バンドが兄弟でやっている率は異常」という話になったのだが、パッと思いつくだけでもPrefab Sprout、Pale Fountains、Young Marble Giants、Lilac Time、Fantastic Something、Sea Urchinsと、もはや「兄弟でやっていることが良いネオアコ・バンドの条件」と言ってしまっても過言ではないぐらいだ。

Orange JuiceやAztec CameraといったPostcard Records出身バンドを彷彿とさせるロサンゼルスのデュオ、KissesのJesse Kivelもまた、双子の弟のMattと一緒にPrincetonというバンドで活動しているが、そんな弟のMattがDucktailsやAutre Ne Veutらを輩出したニューヨークのOlde English Speling Bee(カセットはBurger Records)からリリースしたのが、初のソロ・アルバムとなる本作である。
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Posted by 清水祐也
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Arcade Fire - Reflektor
評価:
Arcade Fire
(2013-10-29)

天国はもう満員

音楽は人を生き返らせることができない。僕は以前そう書いたし、Arcade Fireの所属するMergeのオーナー、Mac McCaughan率いるSuperchunkも、新作でそう歌っている。けれども本当にそうなのだろうか? Arcade Fireは問いかける。そもそも、何が人間の生と死を分つのだろう? 

メンバーのRegineの両親の故郷ハイチでは、多くの南米諸国同様毎年11月の1日と2日に“死者の日”と呼ばれる祝祭が行われ、故人への祈りが捧げられるという。それは奇しくも、この『Reflektor』の発売日の直後にあたるわけだが、そういえば『Funeral(葬式)』と名付けられたArcade Fireのファースト・アルバムは、レコーディング中に亡くなった、メンバーの9人の親族たちに捧げられたものだった。
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Posted by 清水祐也
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Minks - Tides End
美の崩壊\(^o^)/

Captured Tracksのダークホース」(?)ことMinks(NY在住Sonny Kilfoyleのソロ・ユニット)の2作目。

「MinksといえばJasmineが枕詞でしょ」という人も思わず納得しそうな80年代英国ニューウェーヴ〜ネオサイケな空気が充満していた前作『By The Hedge』からコロッと変身。それはもう見事なまでにまったりとしたエレポップを奏でている。プロデュースを手がけたのはシカゴ〜ベルリン〜ニューヨークと渡り歩いてきたハウス職人Mark Verbos。彼の手によるものと思しきアナログ・シンセが放つ、どうしようもなく軽妙なピコピコ音によって、前作までのオブスキュアでミステリアスなイメージが音を立てて崩れていく・・・。
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Posted by 佐藤一道
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