悪評高いというアイルランド第三の都市リムリックで音楽とともに育ち、出会ったAoife Power (Vocals/ Bass)、Niall Burns (Guitar)、Andrew Flood (Drums)の3人。彼らを結びつけたのは安いウォッカとThe Velvet Undergroundのサウンドだった。3人はともに音楽を始めダブリンへ、そしてさらなる野心のためロンドンへと移り、現在のwhenyoungとなったのだ。

そんな彼らがいよいよデビュー・アルバム『Reasons to Dream』をリリース。ジャケット写真の彼らは、薄暗いアパートの一室でベッドとロウソクを囲み、現実逃避的に見えるが、whenyoungの音楽性は非常に美しくポップで、思わずその旋律に乗せて一緒に歌詞を口ずさんでしまう。ロンドンに移り住んでからの彼らの経験をまとめたという本作について話を訊いてみた。

僕らは自分のいるところにたどり着くために
夢を見ていく必要があった


――ついにデビュー・アルバムがリリースされましたね! おめでとうございます。

ありがとう。僕たちは、ついにここまで来たことを嬉しく思うね! 今年の夏フェスに僕らの曲を持っていく準備はできているよ!

――アルバムのアートワークを見たとき、ダークな雰囲気なので少し驚きました。というのも、あなたたちの今までのEPや衣装から、whenyoungのテーマ・カラーはビビットな真紅やピュアな白だと思っていたので。なぜ、この写真をアルバムのアートワークにしたのでしょう?

色は僕たちにとって審美的にとても重要で、今までのリリースでも、色によってアイデンティティを与えていたんだ。今回のアルバムでは水色、白、深紅、黒の4つに決めて、僕らの友人、Gwen Trannoyがフィルムで撮影したんだ。出来上がったとき、実は僕らが予想していた以上に暗かったんだけれども、そのことが作り出す雰囲気がすごく気に入ったんだ!

――このアルバムは、あなたたちがロンドンに移ってからの生活や直面した経験を歌っているわけですが、なぜアルバムを『Reasons to Dream』としたのでしょう? どちらかというと夢ではなく現実ではないかと。

今、現実になっているのは、必ずしも僕らの明白な目的地ではなかったんだ。僕らは自分のいるところにたどり着くために夢を見ていく必要があった。そして僕たちはまだ、さらに夢を見ている。収録されている曲の多くは僕たちがまだ何も持っておらず、道しるべとして僕らの夢を必要としていたときに書いたんだ。でもアルバムのコンセプトはタイトルの文字通りではないんだよ。このアルバムは人間みんなに共通することや、愛の探求とそれらを受け入れることについてだね。

――「The Others」は ちょうど2年前の2017年6月14日にロンドンで起きたグレンフェル・タワー火災の経験を語っているそうですね。もう少し曲のメッセージを教えてもらえるでしょうか。

そうなんだ、火災が発生したとき、Aoifeはロンドンのその地域で庭師として働いていたんだ。(火災が起きたグレンフェル・タワーは低所得者向けの住宅であり、逆に)彼女が造園をしていたのは、政治家や重要な人々のための庭で、その彼らというのはこの悲劇から離れようとしていた人たちだった。その曲を作るインスパイアとなったのは、ひどい経験からだった。人々が社会でどように無視されているか、という様子から着想を得たんだ。



――「Future」はあなたたちの親しい友人の自殺についてですよね。どのように悲しみから乗り越えたのでしょうか。

とても大変だった。僕たちはお互いに会って話すようにした。できることはそれだけだった。この歌はその癒しの過程の一部として生まれたんだ。その時の僕らの感情を解放するのもひとつの方法だった。



――「Never Let Go」については精神の健康についてだそうですが、なぜこのテーマを曲で取り上げようと思ったのでしょう。

この曲は未来をテーマにしているんだ。僕たちはただ、本物であるものと僕たちに関係のあるものを書いたんだ。僕たちはその歌を自分自身と、周りの人々へのメッセージとして書いた。



――ちょうどアップされていた、あなたたちの故郷リムリックとロンドンであなたたちをインスパイアしたものを取り上げた、短いドキュメンタリーを見ました! Niallのお父さんが出ていますね。あなたたちの家族は、あなたたちの音楽へ影響を与える存在ですか。

成長していく時に、家族は僕らの音楽の好みを形作ったと思う。でも反抗的なティーンエイジャーになったとき、それぞれ自分自身で自分の音楽の方向性を見つけたんじゃないかな。両親は僕たちの選択が常に標準ではなかったにも関わらず、僕ら一人一人を常に支えてくれたんだ!



――なるほど、リムリックではどのようなティーン時代を過ごしたのでしょう。

僕らは町でCDを買い、ストリートを歩いて、パーティーに行っていた。お気に入りの場所は、Costelloes Tavernというバー。それは僕らにとっての溜まり場で本部みたいなところ。今でも実家に戻ればそこに行くね。そこでは常に最高の音楽が演奏されているんだ。

――「Pretty Pure」はYALA! Recordsからのリリースでしたが、どのようにレーベルのオーナーであり元MaccabeesのFelix Whiteと知り合い、YALA!に参加したのでしょう。今でもイベントに出ていますよね。

正確には覚えていないけれど、彼の兄弟のWillを知っていたんだ。僕らはMaccabeesの大ファンだったから、これは本当にクールだったね。YALA!は素晴らしいレーベルで、新しいバンドにとても協力的なんだ。



――その後、Virgin EMI Recordsと契約しアルバムをリリースするわけですが、なぜこのレーベルを選択したのでしょう。

彼らは一緒に仕事をする素晴らしいチームのように見えたんだ。本当にバンドに関心を示してくれ、一緒に旅をすることに興味を持っていた。それで彼らと一緒にやろうと決めたんだ。彼らはとても協力的で素晴らしかった!

――あなたたちのファッションはパンクでとても好きです。特にライブでAoifeがよく大きめのジャケットとパンツのセットアップ・スタイルをしていて、かっこいいなと思いました。ステージ上でのドレスコードはあります?

ドレスコードは僕らにとって重要だよ! いつもお互いに電話をし合い、そしてお互いがショーのために何を着てくるかを事前に把握しておくんだ。ぼくらの間で常にファッションの色をコーディネートしている。今はアルバムの色である水色が僕らの色だね! 服を手直ししたりカスタマイズしたりするのも好きだよ。

――昨年イギリスを訪れる機会があったのですが、若者の間では、ヒップホップ、グライム、ドラムンベースが人気で、ロックやパンクは後退気味ではないかと感じました。それでもイギリスやアイルランドからは常に良い若手のバンドが出てきますよね。今のロックやパンクの音楽シーンをどう捉えていますか。おすすめのバンドも教えてください!

ロック、インディー、パンクは現時点では間違いなく最も人気のあるジャンルではないことは確か。でもこれは僕らが愛するもののであり、僕らが何であるかを示すもの。僕らの曲はメロディアスだから、より人気のあるメインストリームの音楽にクロスオーバーできると思っている。今、素晴らしいバンドが出てきてることも間違いない。アイルランドの音楽は注目を集めていて、それは良いことだね。Inhaler、Amyl and the Sniffers、Nilufer Yanya、 Better Oblivion Community Centre、Weyes Bloodはおすすめだよ!



――最後に、日本にどのようなイメージを持っていますか? ぜひライブで来てください!

まだ僕らのだれも日本やアジアに行ったことないね。日本は美しく感動的な場所何だろうね! 日本でのライブが叶うといいな!


whenyoung - Reasons to Dream (Virgin)