僕と、親友のジェレミーと、その恋人のシェリー……とあるパーティーに集まった人々を描いた傑作アルバム『The Party』で一躍人気者になった、カナダのシンガー・ソングライターAndy Shauf。昨年はソロになる前から活動していたというバンド、Foxwarren名義でのアルバムをリリースした彼の初来日ツアーが、いよいよ来週からスタートする。

その作品に登場する愛すべきキャラクターたちは、一体どのように生まれたのだろう? というわけで今回は、既にアルバム1枚分の新曲を完成させているというAndyに、本邦初インタビューを試みた。



――まずはじめに、あなたが育ったカナダのサスカチュワン州レジーナって、どんなところなんでしょう?

カナダの平原にある、人口20万人のちいさな町だよ。大部分においてとても静かで、冬は寒く、夏は暑くて、良い人たちばかりだ。もしもそこに住んでいる人たちを誰も知らなければ、都会のカッコよさが恋しくなるような、そんな場所さ。

――あなたが最初に演奏した楽器はドラムだったそうですが、木管楽器や弦楽器はどのように学んだのですか?

クラリネットは、基本的にはただ演奏してみようと思って、徐々にコツをつかんでいっただけだね。『The Party』のストリング・アレンジメントは、友達のColin Nealisと一緒にやったんだ。僕のアレンジのやり方は、ただ何かを演奏して、それがどうなるかを見るだけというか…たとえば、一度に吹くクラリネットは1本だけだしね。僕の言っていることは、君の耳を使って聴いてみればわかると思うよ。

――クリスチャンの家庭で育ったことは、あなたの音楽に影響を与えましたか?

他のミュージシャンと会ったり、演奏する機会を与えてくれたという意味においてだけ、影響を与えたと思う。僕が育った町には大学があって、その周りにたくさんのバンドがいたんだ。



――あなたと同じ元ドラマーで、シンガー・ソングライターのChris Cohenについてはどう思いますか? 歌うドラマーで、他に好きな人がいたら教えてください。

Chris Cohenは素晴らしいよ。実際、数週間前にトロントの彼のショウに行ったんだ。他に僕が好きな歌うドラマーは、間違いなくLevon Helmだね。

――あなたのバンド、Foxwarrenのファースト・デモ集『Has Been Defeated』ではヴォーカルを他のメンバーと分担していましたが、昨年のアルバムでは、あなたが全てのヴォーカルを担当していましたよね? この変化の理由は? ソロ・ショウでもFoxwarrenの曲を歌ったりするのでしょうか?

うん、最初のレコードではDallas Brysonと僕がリード・ヴォーカルの役割を分担していたね。二枚目ではリード・ヴォーカルをひとりにすることで、より一貫したサウンドを持たせようとしたんだ。Foxwarrenの曲は、僕のソロ・ショウでは演奏していないよ。他のメンバーがいないと変な感じがするし…僕らはみんなで曲を書いたからね。



――『Darker Days』('09)、『The Bearer Of Bad News』('12)、『The Party』('16)と、あなたのアルバムにはどれも一貫したテーマがありますが、どの程度意識しているのでしょう? それとも、書いている途中で一貫性に気づくのでしょうか?

そういうテーマは意識しているんだけど、僕がそれを追いかける前に、曲が独自の世界を作り始めるんだ。

――あなたのストーリーテリングはロバート・アルトマンの群像劇を思わせるのですが、好きな小説や映画はありますか?

僕は短編小説の大ファンで、レイモンド・カーヴァーの『大聖堂』*はお気に入りのひとつだよ。

*ロバート・アルトマン監督の映画『ショート・カッツ』の原作も含む短編集

――あなたの曲で、実際の出来事や人物に基づいている曲はありますか?

すべてがなんとなく現実に基づいていると思う。どれもインスピレーションをくれた出来事や、人たちがいるんだ。

――『The Party』に先立ってリリースされたシングル「Jenny Come Home」はアルバムのセッションからのアウトテイクだと思うのですが、どうしてアルバムと同じNoah Georgesonではなくて、Rob Schnapfにミックスを依頼したのですか?

えっと、「Jenny〜」はアルバムの後にミックスしたんじゃないかな? よく覚えてないんだけど…あの曲はアルバムのテーマにフィットしなかったから、アルバムとは違うサウンドにしたかった。僕はRob Schnapfの大ファンだったから、彼と何か一緒にやりたかったんだ。



――ということは、シングルのカップリング曲の「My Brother Jeremy」と、『The Party』に登場するJeremyというキャラクターには関係があるのでしょうか?

Jeremyは同じJeremyだよ。「My Brother Jeremy」はもともとアルバムに収録する予定だったんだけど、トラックリストのどこに入れるか思いつかなかったんだ。

――『The Party』をドイツのドレスデンにあるレアースドルフ城でレコーディングすることになった経緯は?

あのお城で無料でレコーディングできる機会をもらったんだけど、タイミングが少しだけ早かったんだよね。曲をレコーディングする準備がまだ整ってなかったんだ。結局その録音は使わないことになったんだけど、『The Party』の曲のアレンジを決める手助けにはなったよ。

――「Twist Your Ankle」のメロディはPaul McCartneyの「Uncle Albert/Admiral Halsey」を下敷きにしていると読んだのですが、タイトルも似ているのは偶然ですか?

えっと、意図的にあの曲を下敷きにしたわけではないんだ。実際にはあの曲を書いた後で、当時のルームメイトが何かを口笛で吹いていて、僕の曲だと思ったんだけど、彼に聞いてみたらPaul McCartneyだと言われてね。だからちょっと違うんだけど、大まかに下敷きにしているとは言えるね。あの曲は好きだよ。タイトルが似ていることについては理由がわからないけど…。



――あなたの作品のアートワークを担当しているMeghan Fenskeとは、どのように出会ったのですか? 普段はどのようにコラボレートしているのでしょう?

Meghanはレジーナからの古い友達なんだ。彼女にアルバムを送って、僕が思い描いていたのに近いイラストを見せた。彼女は素晴らしい仕事をしてくれたよ。



――物販ページによると、アルバムのジャケットに描かれている後ろ向きの女性の名前もMeghanだそうですが、彼女は『The Party』に登場しているのでしょうか?

彼女はMeghan Fenskeだけど、アルバムには登場してないんだ。彼女は自分自身と友達が、いろんな立ち方をしている写真をもとにイラストを描いた。それは間違いなくMeghanだけど、そのグッズをそう呼んでることには気づかなかったよ。


"Megan Patch"


――ライブでは既にアルバム1枚分の新曲を演奏しているようですが、もうすぐリリースされるのでしょうか? 「Jeremy's Wedding」という曲もありましたが、『The Party』の続編的な内容になるのでしょうか?

もうすぐ出ることを祈っていて。長い時間がかかったね…続編にはならないけど、同じキャラクターを登場させるっていうアイデアで遊んでみたんだ。

(質問作成協力=山岡弘明)

INDIE ASIA presents
ANDY SHAUF JAPAN TOUR

5月8日(水)大阪 LIVE SPACE CONPASS
OPEN 19:00 / START 19:30
全自由 ¥5,400(税込) ※1ドリンク別
Contact:LIVE SPACE CONPASS(06-6243-1666)

5月9日(目)東京 Shibuya WWW
OPEN 19:00 / START 19:30
全自由 ¥5,400(税込) ※1ドリンク別
Contact:Shibuya WWW(03-5458-7685)

Tickets:ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス、楽天チケット