「最近よく聞くけど、ヨット・ロックって何なの?」

そんなあなたの疑問に答えてくれるのが、Steely Danの名曲「Peg」にその名を由来するというサウス・ロンドンの4人組、Blueprint Blue。昨年のインタビューでも語ってくれたように、10年代ロンドンのサイケデリック・シーンを担いながら、70年代アメリカのウェスト・コースト・ロックに憧れ、ジャズやソウル・ミュージックの影響を受けて洗練されてきた彼らは、まさにヨット・ロック・チルドレンとも言えるバンドなのです。

そんなBlueprint Blueが3月20日にP-Vineから日本先行リリースするファースト・アルバム『Tourist』から、新曲「An-D」が公開されました。“自分の望み通りのアンドロイドを紹介してくれる架空のデート・サービス”について歌ったというこの曲は、その内容に反してStevie Wonderを思わせるジャジー・ポップになっていますが、アルバムに先駆けてメンバー4人が公開したプレイリストが“これぞヨット”な選曲になっているので、プロフィールと併せて紹介したいと思います!


Elliot Hayward (Lead Guitar, Vocals, Keyboards)
兄はThe HorrorsのJoshua Hayward。Grateful Deadの「Brown Eyed Woman」をMelissaに聴かせたことで意気投合する。趣味はビリヤード。

最近のお気に入りアルバム:Womack and Womack 『Love Wars』


Monchiconによるプレイリスト評:Robbie Dupree、Ned Dohenyといったヨット・ロック定番に、ニューオリンズやアフリカン・ジャズが違和感なく並んだ王道プレイリスト。Fleetwood Macのメンバーも参加したTurly Richardsが渋い!


Melissa Rigby (Drums, Vocals)
元S.C.U.M.〜Astral Pattern。13歳の時にCANの「Tango Whiskeyman」に合わせてドラムを叩き始める。

最近のお気に入りアルバム:Michael Nyman 『The Piano Sings』


Monchiconによるプレイリスト評:いきなりMarvin Gayeの『離婚伝説』収録曲という飛び道具で始まるものの、その後はヨット・ロックとソウル・ミュージックをバランスよくセレクト。ナイジェリアの姉妹デュオ、Lijadu Sistersが掘り出し物。


Huw Webb (Bass, Vocals)
元S.C.U.M.〜Astral Pattern。兄はThe HorrorsのRhys Webb。モデルとしてDiorのランウェイを歩いたこともある。

最近のお気に入りアルバム:Allen Toussaint 『Life, Love and Faith』


Monchiconによるプレイリスト評:Whitney、White Denim、Matt Duncan、Drugdealerといった同時代のバンドも多くセレクトされた新鮮なプレイリスト。Wingsの中でもヨット度の高い「Arrow Through Me」が嬉しい。



Rhys Timson (Rhythm Guitar)
Blueprint BlueがライヴでCrazy Horseの「I Don't Wanna Talk About It」を演奏しているのを聴いてバンドに加入。Moon Balloonというバンドでも活動している。

最近のお気に入りアルバム:細野晴臣, 鈴木茂, 山下達郎『Pacific』


Monchiconによるプレイリスト評:LAの現行ブルー・アイド・ソウル・バンドVulfpeckでスタートし、Light In The Atticからの再発で知られるブラジル人シンガー・ソングライターのErasmo Carlosなど、DJっぽいセレクト。

いかがでしたでしょうか? 結局何がヨット・ロックなのか、ますますわからなくなってきた気がしなくもありませんが、こちらを踏まえてBlueprint Blueのファースト・アルバム『Tourist』を聴くと、より一層楽しめるのではないかと思います。映画『ブル―バレンタイン』の挿入歌として話題になったPenny & The Quarters「You And Me」のカバーを含むボーナス・トラック2曲入りの日本盤は、3月20日のリリースです!







Blueprint Blue - Tourist
(P-Vine / Toadspin)


1. Tourist
2. Real As These
3. Taking My Place
4. An-D
5. Tree Song
6. Roll On
7. Heatwave
8. Bitter Musician
9. Sucker Bait
10. Is There Anybody Out There?

11. Deadweight*
12. You And Me*
*Japanese Bonus Track