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[FEATURE] Great Albums You Might Have Missed in 2018


2018年もあとわずか! というわけで今回は、内容は良いのにメディアであまり紹介されなかった気がするアルバムを、8枚ピックアップしてご紹介したいと思います。心なしか男性シンガー・ソングライターの作品が多くなってしまったのは、女性ミュージシャンが躍進した反動でしょうか…。どれも名作なので、未聴の人はぜひチェックしてみてください!

The Orielles - Silver Dollar Moment
(Heavenly)


Halford姉妹を中心に英ハリファクスで結成されたトリオのデビュー作。彼ら3人の出会いはハウス・パーティーだったそうだが、いわゆるドラッグ・アルコール・セックスの若者の”パーティー”ではなく、実は彼らの両親の40代になる友人の誕生日会だったというのがなんともほんわかする。Heavenly Recordingsからのリリースとなった本作は、カナダで36時間全く睡眠もとらず、Silver Dollar Roomというバーで深夜2時に演奏したそのショーが最高だったことから名付けられたそう。軽やかなギター・サウンドと甘い女性ヴォーカルが混ざり合う「Mango」やパーカッションや奇妙なコーラスが入りファンクなサウンドに仕上がった「Old Stuff, New Glass」、瑞々しいコーラスが印象的な「Let Your Dogtooth Grow」とキャッチーで疾走感あるインディー・ポップの1枚となっている。(栗原葵)




Michael Rault - It's a New Day Tonight
(Wick)


Mac DeMarcoの同郷エドモントン出身で、U.S.Girlsの『In A Poem Unlimited』でも共作していたカナダのシンガー・ソングライターの最新作は、Sharon Jones & The Dap-Kingsが所属するレーベル、Daptoneのロック部門からのリリース。そのDap-KingsやKing Gizzard And The Lizard Wizardで知られるWayne Gordonがプロデュースし、メンフィスのガレージ・パンク・バンドReigning Soundのリズム隊がバックを務めたそのサウンドは、Ty SegallからBeatles成分だけを抽出したかのように夢見心地でサイケデリックだ。(清水祐也)




Thomas Bartlett & Nico Muhly - Peter Pears
(Nonesuch)


St. VincentやSufjan Stevens御用達のピアニストと友人のNico Muhlyが、ミニマル・ミュージックの源流をバリ島のガムランに求めたコラボレート作。30年代にバリに移住したカナダ人作曲家のColin McPheeが現地のガムランをピアノで書き起こし、友人のBenjamin Brittenと連弾した3曲のカバーと9曲のオリジナルは、80年以上の時を超えて、忘れられた音楽と友情を現代に甦らせる。近年はサイドマンに徹していたThomas Bartlettが、久しぶりにその歌声を聴かせる貴重な作品だ。(清水祐也)




Kevin Krauter - Toss Up
(Bayonet)


海外での日本のシティ・ポップ人気が語られるようになって久しいが、それらのトレースではなく、あくまでもそのニュアンスをセンス良く忍ばせている貴重な1枚。フォーキー・ポップ路線だった前作と比べると、Kevin自身がフェイバリットに挙げるシュガー・ベイブや大貫妙子に通じるフィジカルでタイトなリズム構築とそれが生み出すグルーヴが一番の相違点だろう。一聴するだけだと、ただのドリーム・ポップとして流されてしまいそうになるが、そこへ平熱なボーカルによる甘いメロディとヴィンテージ・シンセによる拘りぬいた音色を重ね、80sジャパニーズ・ポップスを思わせる何とも言えない蜃気楼の様なサウンドを創り出している。USはブルーミントンを代表するインディー・バンド、Hoopsのフロントマンによる音楽愛と探求心に満ちた頼もしい1枚だ。(山岡弘明)




Andy Jenkins - Sweet Bunch
(Spacebomb)


より垢抜けたNatalie Prassの新作でソッチ路線のプロデュースもイケる事が確信されたMatthew E. White主宰のSpacebombからデビュー作をリリースしたヴァージニアの青年。日本にも馴染みがあるという彼が3日間で録音した本作は、スワンプへの憧憬を感じさせながらもモダンな質感が漂っている。粘っこいリズムをボトムに据えながら、透明感のあるゴスペル・ライクなコーラスや陽性のメロディー、ヌケの良いプロダクションで泥臭さを絶妙に緩和し、「南部はチョット…」というリスナーも歓迎。そういった“良い湯加減”からか、英国人のフィルターを通したスワンピーな名盤『All Things Must Pass』を思わせる瞬間もチラホラ。(山岡弘明)




Graham Van Pelt - Time Travel
(Arbutus)


2007年のMiracle Fortresとしてのアルバム『Five Roses』がPolaris Music Prizeにノミネートされたカナダの音楽家が本人名義でリリースした最新作。それは「できるならミステリアスな存在ではいたくない」とつぶやく彼が古い友人やかつて慣れ親しんだ場所に思いを馳せながら作ったフォーキーなダンスミュージックだった。時代を彩った名機〈Roland SH-101〉を用い、現行のエレクトロやハウス/テクノに通じるハイファイな質感と空間性を感じさせながら、Larry HeardやArthur Russellら先人たちが持ち合わせていたある種の「儚さ」も内包したフロア指向のサウンドは、シンプルながらとても親密だ。モントリオールのコミュニティに根差したDIYレーベルArbutusから届けられた、「普段の飲み友達が作ったような」素晴らしい音楽。(山岡弘明)




Bill Ryder-Jones - Yawn
(Domino)


The Coralを脱退してから10年、これまで4枚のアルバムを発表してきた彼がここに来て最も赤裸々に。内省的なSSW然とした作風は核にありながら、アルバムの冒頭曲「There's Something On Your Mind」や自身の母親の事を歌った極私的な「Mither」等で現れる、バーストするギターのフィードバックや数分に渡る轟音パートは今作の持つ情感にとりわけ寄与している。加えて、数曲でフィーチャーされている、サポートのRod Skippが弾くチェロの荘厳な響き。自分自身と向き合った時に生まれる告白やひとりの人のみに宛てられたと思しきパーソナルな私信、実はそれらが私たちが持ち合わせているそれぞれの物語に置き換えられると気付いた時に、そんな徹底された"重さ"が一層活きてくるに違いない。(山岡弘明)




Foxwarren - Foxwarren (Anti-)


一昨年のアルバム『Party』でブレイクを果たしたAndy Shaufが、ソロ・デビュー以前に地元カナダの田舎町フォックスワレンの友人たちと結成していたバンドの、10年越しのファースト・アルバム。2011年にリリースされたデモの時点では他のメンバーとヴォーカルを分け合っていたが、本作ではAndyがリード・ヴォーカルを取り、ソロの延長線上の作品に。ストーリー性という意味では『Party』に譲るものの、凍った心を溶かしてくれるような温かい歌声と、職人的なソングライティングは健在。WilcoのJeff Tweedyを驚かせたあのマジシャンは、このちいさな町で生まれたのだ。(清水祐也)

Posted by Monchicon
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