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[INTERVIEW] Interpol

photo by James Medina

「ステージ上のほうがずっと暑いからね」

東京が37度を超える暑さを記録したその日、普段と変わらないダーク・スーツ姿で現れたのは、4年ぶりのニュー・アルバム『Marauder』をリリースするニューヨークのロック・バンド、InterpolのDaniel Kesslerだ。

そんな彼らが2002年にリリースしたファースト・アルバム『Turn on the Bright Lights』は、911直後のニューヨークに灯りを点し、昨年出版された00年代ニューヨークの音楽シーンについての証言集『Meet Me in the Bathroom』でも、多くのページを割いて紹介されていた。

この11月には久しぶりに来日し、『Turn on the Bright Lights』の全曲再現コンサートをすることが決まっているInterpolだが、その中心にいたDanielに、当時のエピソードや、所属レーベルであるMatadorについて聞いてみた。


彼がいなくなってしまったことは寂しいけれど
音楽はこれからもずっと残っていく


──先日The Cureが主催するイベントに出演していましたが、いかがでしたか?

Daniel:彼らの40周年を記念するコンサートだから光栄だったし、僕はロンドン育ちで、会場のハイド・パークにも子供の頃によく足を運んでいたんだ。だから感慨深かったね。

──The Cureとは、2004年にも彼らの主催するキュリオサ・フェスティバルで共演していますが、当時と比べてどんなことが変わりましたか?

Daniel:実はこの間のショウでは彼らと対面できなかったんだけど、キュリオサ・フェスティバルは一ヶ月に渡るツアー形式だったから、長い間一緒に過ごしたよ。The Cureのメンバーも仲良くしてくれたし、MogwaiとかThe Raptureとか、ツアーしたバンド同士のコミュニティみたいなものが生まれて、すごく楽しかった。今回は6万5千人も観客がいたから近くで見るのは難しかったけど、この曲も、あの曲もって感じで、本当に良い曲ばかりなんだなってことを思い出させてくれたね。

──ちなみに、一番好きなThe Cureの曲は?

Daniel:うーん、たぶん「A Forest」かな。



──新作のレコーディングは、ファースト・アルバム『Turn On The Bright Lights』のリリース15周年記念ツアーを間に挟んで行われたそうですが、去年は00年代のニューヨークについて綴った『Meet Me in the Bathroom』という本も出版されましたし、そういう意味でも、当時を振り返るきっかけになったんじゃないでしょうか?

Daniel:実を言うと、あの本はまだ読んでないんだ。

──今手元にあるので、暇な時に読みますか?(笑)

Daniel:いや、まだ怖くて心の準備が(笑)。もちろん出版されたことは知ってるし、今でも当時のことに興味を持っている人たちがたくさんいるっていうのは驚きだよね。そんなことはまったく予期していなかったから。ただその本に出てくるのは良いバンドばかりだと思うし、最高のレコードを出していると思うから、そこが注目されているのは嬉しいよ。『Turn On The Bright Lights』のツアーに来てくれた人の中には、当時まだ生まれていなかったような若い子もいれば、2002年にリアルタイムで聴いていた人たちもいて、そういう幅広い客層の前で演奏できたのは良かったね。今のデジタル時代って注意力が短くなっているけど、そんな中で昔の作品を今でも大事に思ってる人がいるってことは嬉しいよ。僕らは『Marauder』の曲作りを終えてから、4ヶ月間『Turn On The Bright Lights』のツアーに出て、その後に1週間のリハーサルをしてからスタジオに入ったんだ。その4ヶ月間が良い息抜きになったと思うけど、ツアー中も僕らのフォーカスは新しいアルバムにあったからね。

──『Meet Me in the Bathroom』によると、ファースト・アルバムのレコーディングが終わってツアーに出るまでの空き時間に、セカンド・アルバム『Antics』用の曲を3曲だけ作り終えていたそうですが、その3曲ってどれだかわかりますか?

Daniel:えーっと(笑)。ずいぶん前のことだし、それから55曲ぐらい書いてるからね。確実なのは「Length of Love」かな。あの曲は『Antics』をレコーディングする前からライヴで演奏していたからね。あとは僕の推測だけど、「Take You On A Cruise」と「Evil」かな。そのアイデア自体は確かに僕のもので、ファースト・アルバムを作るのに4、5年かかったから、次のアルバムを作るまでに時間をかけたくないというプレッシャーもあったし、事前に準備をしておきたかったんだ。僕らは1枚目のアルバムを出した後に長いツアーをしていたから、その後に作曲を始めるとなると、また時間がかかってしまうからね。



──『Meet Me in the Bathroom』の中で、Jonathan Fire*Eaterというバンドからの影響を語っていましたが、フロントマンだったStewart Luptonが先日亡くなりましたよね? 彼からはどんな影響を受けましたか?

Daniel:彼のことは昔から大好きで、『Tremble Under Boom Lights』っていう5曲入りのEPは、今でも最高傑作だと思う。90年代中旬のニューヨークの音楽シーンや、その本に登場するようなバンドにも、大きな影響を与えたと思うよ。残りのメンバーが結成したThe Walkmenというバンドも素晴らしいんだけど、やっぱりフロントマンのStewartはアーティストとして特別で、詩人であり、唯一無二の存在だった。僕も当時のライヴを見てすごく影響を受けたし、The KillsのJamieなんかも同じ経験をしていると思う。本当にあのEPは何度聴いても飽きないし、今聴いても新鮮で、オリジナルな作品なんだ。彼はその後でThe Childballadsっていうバンドを始めたんだけど、僕はとにかく彼のファンだったから、『Antics』のツアーをした時に、ニューヨークのウェブスター・ホールで前座をしてもらったんだ。彼は精神的にも悩みを抱えて苦しんでいたし、いなくなってしまったことは寂しいけれど、音楽自体はこれからも残っていくから、みんなに聴いてほしいと思うね。



──Interpolはメジャーと契約していた時期もありましたが、基本的にはずっとMatadorからリリースしていますよね? 話によると、何度か断られてもDanielが根気強くデモを送り続けて、ようやく契約に至ったそうですが、どうしてそこまでMatadorにこだわったのでしょう?

Daniel:90年代のインディー・ロックにとって、Matadorはとても重要なレーベルだった。Mogwaiとか、素晴らしいバンドと契約していたし、インディー・バンドならMatadorと契約することが夢だったんだ。僕らが最初に送ったデモと2回目のデモは拒絶されて、3回目に送ったデモで契約に至ったんだけど、結局ファースト・アルバムに入ってる「PDA」と「Roland」って、最初のデモに入ってた曲なんだよね(笑)。だから僕らが方向性を変えたわけではなくて、タイミングの問題だったと思うんだけど。今ではもう友人のような関係で、レーベル・オーナーのChris Lombardiとも、20年近く関係が続いているね。僕らも一度はメジャーでアルバムをリリースしたけど、また戻ってきたし、良い関係が続いているっていうのは、今の時代では珍しいことかもしれない。Matadorってすごく特別で、革新性もあるし、音楽を再発見できるような形でリリースしているし、とにかく趣味が良いよね。今レーベルに所属しているアーティストもすごく良いし、友人たちと一緒に続けられるのは、幸せなことだと思うよ。



──ちなみに、去年Julien BakerというアーティストがMatadorから『Turn Out The Lights』というアルバムをリリースしたのは知ってますか?

Daniel:知らなかった(笑)。最近? それは面白いね。

──新作『Marauder』についてなんですが、サポート・キーボーディストのBrandon Curtis(元The Secret Machines)は、アルバムでも演奏してるんでしょうか?

Daniel:うん、新作でも少し弾いてるし、前作でも演奏しているよ。

──新作ではヴォーカルのPaulがベースを弾いているそうですが、サポート・ベーシストのBrad Truaxではなくて、Paulが弾くことになったのは?

Daniel:それも珍しいことではなくて、たとえばTame Impalaとか、レコードではKevin Parkerがすべての楽器を演奏しているけど、ツアーでは別の人が演奏している。Interpolでも、ツアーではBrandonやBradに、僕らがレコードで演奏しているように演奏してもらってるんだ。彼らとはもう長い付き合いで、Bradのことは20年近く前から知っているけど、Interpolとしては、やっぱり僕とPaul、Samという三人編成だと思っているからね。

──前作の『El Pintor』でもPaulが少しベースを弾いていたと思うんですが、そもそものきっかけは何だったんでしょう?

Daniel:前作のレコーディングの時は、ベーシストのCarlosが脱退してしまって、それからどうするかは決めていなかったんだ。レコーディングの初日にPaulがギターを持ってきて、次の日にベースを持ってきた。そこで彼が弾くベースに合わせてギターを弾いていたら、良い曲ができたんだよね。それが「My Desire」と「Anywhere」だったんだけど。だから今回は、Paulがベースを弾くことが初めから決まっていたんだ。



──プレス資料によると、ドラムのSamはStaxなどのソウル・ミュージックに影響を受けたそうですが、ギタリストとして、何かインスピレーションになった作品はありますか?

Daniel:特にはないね。僕は普段あまりギター・ミュージックを聴かないし、自分のこともギタリストというより、ソングライターだと思ってるんだ。最初にクラシック・ギターで作曲してからエレクトリック・ギターに持ち替えるんだけど、あえて影響を受けているものがあるとすれば、旅行をしたり、映画を観たりすることかな。

──『Meet Me in the Bathroom』でも、Paulが「Interpolのソングライターは僕じゃなくてDanielだ」と言っていたのが印象的だったんですが、実際にはどんなバランスになっているのでしょう?

Daniel:大抵は僕がクラシック・ギターで曲作りを始めて、それをリハーサルでPaulとSamに聴かせるんだ。そこにPaulのベースとヴォーカルが加わって、ある程度形ができたらそれをSamに聴かせて、肉付けしていく。その上にまたPaulがギターを乗せていくっていう作業だね。

──とは言っても、歌詞のほとんどはPaulが書いていると思うんですが、プレス資料によると、今回はいつもよりも彼自身が投影されているそうですね。あなたから見て、普段のPaulが一番表れていると思う曲があれば教えてください。

Daniel:自分の中ではあるんだけど…。

──教えてくださいよ(笑)。

Daniel:でもそれって、裁判所で質問された時に弁護士にマイクを取り上げられて、「ちょっとそれ以上は言わないでください!」って言われてる状況というか(笑)。いや、もちろんPaulには意図があると思うんだけど、曲の解釈はリスナーに委ねたいから、僕からはあえて言わないでおこうかな(笑)。


Interpol - Marauder (Matador)
2018.8.24 release




INTERPOL
Turn on the Bright Lights
special show


2018年11月6日(火) マイナビBLITZ赤坂
OPEN 18:30 / START 19:30
チケット:1F スタンディング ¥7,500/2F 指定 ¥8,000 (税込/別途1 ドリンク)
※未就学児入場不可
問:クリエイティブマン 03-3499-6669
企画・制作・招聘:クリエイティブマン
協力:BEATINK
Posted by Monchicon
INTERVIEW / 22:30 / comments(0) / trackbacks(0)
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