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[INTERVIEW] Dave Longstreth (Dirty Projectors)


フジロックフェスティバル '18最終日のRED MARQUEEに出演し、見事なアンサンブルとコーラスワーク、そして謎の「コーヒー」Tシャツで話題をさらったDirty Projectors。

その翌日、バンドのリーダーでもあるDave Longstrethが、同日に出演したBob Dylanや、発売されたばかりの新作『Lamp Lit Prose』について語ってくれた。
夏の盛りの花や花びらを、外科手術のように解剖する


──Bob Dylanのライブは観ました?

(向き直って)その質問をしてくれてありがとう。実は少しも見られなくて、すごくガッカリしてるんだ。そこにいた友達から“「Don't Think Twice It's Alright」を歌ったぞ!”とか言われたんだけど、「もう言わないでくれ!」って感じで(笑)。

──アレンジが全然違ってたから、そこは少し残念でしたけどね。

でもそれがBobさ。毎回違うアレンジで演奏するからね。

──今までに観たことはあったんですか?

うん、ここ10年で3回ぐらいかな。彼のことは大好きだし、僕のヒーローだよ。

──実際2010年に、彼の曲を3曲(「As I Went Out One Morning」、「I Dreamed I Saw St. Augustine」、「Dark Eyes」)もカバーしてましたよね。

彼のソングライティングが好きだし、ずっと取り憑かれてたんだ。カバーすることで、学べることがたくさんあるからね。

──2012年にリリースされたDirty Projectorsのアルバム『Swing Lo Magellan』には、その影響が出ているような気がしました。

うん、僕もそう思うよ。

──ちなみに、1970年に出たBob Dylanの『New Morning』っていうアルバムは聴いたことあります? そこに入ってる「Sign On The Window」って曲が、Dirty Projectorsに似てると思ったんですけど…。

Sign On The Window〜(歌う)。大好きな曲だよ。実はカバーしたことがあるんだけど、まだ発表してないんだ。



──本当ですか? すごく聴きたいです。そういえば、あの曲のオーケストラ入りのヴァージョンもあるんだけど聴いたことあります?

いや、どのアルバムに入ってるの?

──何年か前に出た『Another Self Portrait』っていうアウトテイク集です。

知らなかった! それは聴かなきゃ!

──数年前に公開された『ミストレス・アメリカ』という映画に、Dirty Projectorsとして出演していましたよね。その撮影にエキストラで居合わせた人によると、Gerry Raffertyの「Right Down The Line」を延々と演奏していたそうですが…。

Right Down The Line〜(歌う)。



──それです(笑)。どうして自分たちの曲じゃなくて、あの曲を演奏してたんですか?

監督のノア・バームバックと主演のグレタ・ガーウィグと僕で、「これは何についての映画なのか?」を話し合っていた時、あの曲がピッタリだと思ったんだ。でもあれは映画の最初のほうのシーンだったから、もっと速い曲が必要で、最終的には他の曲に差し替えられてしまったんだよね。でもあの曲を20回ぐらい繰り返し演奏するのは楽しかったよ。


映画『ミストレス・アメリカ』の予告編。Dirty Projectorsの演奏シーンは1:00〜


──面白いのは、Vampire Weekendが最近ライヴでその曲をカバーしてるんですよね。

本当に? 知らなかった(笑)。

──Vampire Weekendの新作にはあなたも参加しているそうですが、それ以上は言えない感じ?

どうかな〜(笑)。そのうちわかるよ!

──新作の話題に入る前に、前作についてすこし聞いてもいいですか?

もちろん。

──前作『Dirty Projectors』の最後の曲のタイトルは「I See You」でしたが、Black Flagのラスト・シングルのタイトルが「I Can See You」なのを知ってましたか?

知らなかった! それは驚きだね…だけど時々、こういうことが起きるんだ。



──本当に? バンドとしてのDirty Projectorsの最初のアルバム『Rise Above』は、Black Flagの『Damaged』のリメイクでしたよね。だから前作を聴いて、Dirty Projectorsが終わるんだと思ったんです。

そうだね、でも生まれ変わったんだ。

──ただ不思議だったのは、現在のツアー・バンドの女性メンバー3人は、新作には参加していませんよね?

うん、アルバムが完成した後でメンバーを見つけたんだ。

──リリースの間隔も短いし、参加メンバーも前作とほとんど一緒ですよね。ということは、新作の曲は前作のリリース後に録音したのか、それとも実はほぼ同時に作っていたのか…。

大部分はリリース後だね。ボイス・メモみたいな断片はあったけど。このアルバムは、2枚でひとつになるっていうコンセプトからスタートしたんだ。それと、前作の「Keep Your Name」のビデオが発表されたその日に、新作(『Lamp Lit Prose』)のためのドラムをMike Johnsonとレコーディングしていたことを覚えているよ。

──あと、日本のファンの人がツイートしてたんですけど、Princeの『Purple Rain』の裏ジャケってわかります?

裏? 何が描いてあるの?




──あれ、知らない? いや、白い床の上に花が散っていて、『Lamp Lit Prose』のジャケットそっくりなんですよ(見せる)。

本当だ(笑)。Princeがもうやってたんだね。僕らは北方ルネッサンスの花の絵を思い描いていて、曲を書いている時にも、夏の盛りの花や花びらを、外科手術のように解剖するイメージを考えていたんだ。

──「I Found It In U」の歌詞にもPrinceが出てきますし、“U”の綴りもPrinceっぽいですよね。

その通り。Princeのことはいつも考えているからね(笑)。

──ちなみに、ジャケットの赤と青を混ぜるとパープルになりますね(笑)。

そのことは考えてたよ。意図したわけじゃなかったけど、面白いよね。赤と青の関係も特別だし、色って神秘的だよね。

──そういえば、アルバムに参加しているSydのバンド、The Internetのファースト・アルバムのタイトルも『Purple Naked Ladies』でした。

そうだね。だから、全ての道はPrinceに繋がるんだよ(笑)。

──ところで、ロサンゼルスにIvo Shandorという新しいスタジオを作ったそうですが、名前は映画の『ゴーストバスターズ』に出てくる幽霊マンションの設計者から取ったんですよね?

そう。大好きな映画なんだ。両親は兄と僕にあまりテレビを見せてくれなかったんだけど、『ゴーストバスターズ』のVHSテープを繰り返し見てたから、自分にとってはとても大切なんだよね。



──じゃあ、新作に入ってる「Zombie Conqueror」という曲も映画の『ゾンビ(Dawn of the Dead)』から?

それは違うかな(笑)。

──そうですか(笑)。「Zombie Conqueror」に参加しているEmpress OfことLorely RodriguezがいたCelestial Shoreや、新メンバーのFelicia DouglassがいるAva Lunaといったバンドが、“ポストDirty Projectors”と呼ばれていたのは知っていますか?

どうだろう、それは意識していなかったかな。Feliciaの歌声は単純に素晴らしいし、これからもっと彼女と一緒に活動できることに興奮してるよ。それから、Empress OfのLorelyは、『Lamp Lit Prose』に他のヴォーカリストを招くにあたって、すごく最初の段階から僕に協力してくれたんだ。

──他の2人のツアー・メンバー、Kristin SlippとMaia Friedmanはどうやって見つけたんですか?

彼女たちのことは、僕がまだニューヨークに住んでいた2011年頃から少しだけ知っていたんだ。どちらも素晴らしい人たちで、素晴らしい歌声を持ったミュージシャンだし、今のバンドでツアーをするのはとても触発されるから、このメンバーでアルバムを作れたら楽しいだろうね。





──新作の「(I Wanna) Feel It All」にはDear NoraのKaty Davidsonが参加していますが、先日リリースされたDear Noraの12年ぶりのアルバム『Skulls Example』のクレジットにも、あなたの名前がありました。でも何をしているんでしょう?

僕らはお互いのアルバムにカメオ出演していて、僕は彼女のアルバムで、「Smells Like Rain」って言ってるんだ。



──最近、Paul McCartneyがお気に入りのバンドとしてDirty Projectorsを挙げていましたね。あなたの新作の「Blue Bird」という曲のタイトルはPaul McCartney & Wingsっぽいですが、メロディはJohn Lennonが書いたBeatlesの「Julia」という曲に似ていると思いました。

Paulが気に入ってくれてることについては…驚きだよね。他に何て言ったらいいんだろう。


Dirty Projectorsについての発言は18:10〜


──日本のファン向けのインタビューで、「Dirty Projectorsっていう新しいバンドが好きで、好きな曲があるんだ」って言ってたんですけど、その曲が何なのかは言ってくれなくて(笑)。

(手を叩いて爆笑)…ところでWingsの「Bluebird」ってどんな曲だっけ?

──なんかこうアコースティックな感じで…。

Let me roll it〜♪ これ? これでしょ?

──いや、それじゃないですね…。

I'm a bluebird, I'm a bluebird〜♪ これだ!



──それです(笑)。

よし! それは考えてなかったけど、Beatlesは何ていうか…バイブルだよね。でも昨日歩きながら、ちょうど「Julia」の“Half of what I say is meaningless(僕の言うことの半分は無意味)”っていうラインを思い浮かべてたんだ。Half of what I say is meaningless〜 But I say it just to reach you〜(歌う)。超良いよね。

──面白いのは、誰かにBeatlesの好きな曲を歌うように頼むと、ほとんどの人が曲名の部分を歌うんですよね。要するに「Help」でも「Yesterday」でも、曲名がサビになってるからなんですけど。でもそれがポップ・ソングってことなのかなって思っていて、Dirty Projectorsの新作の曲にも、それが当てはまると思ったんです。

うん、曲によるけどね。でもそのアイデアは好きだよ。Beatlesがやってるなら、間違いではないからね。



──新作の「That's A Lifestyle」という曲には“Monster Eats Its Young(化け物がその子供を食べる)”というフレーズが出てきますが、Funkadelicのアルバムで、『America Eats Its Young』というのがありましたよね。このモンスターとは、アメリカのことなのでしょうか?

僕は君のその、歴史のあらゆることを繋げてしまう考え方が好きだよ(笑)。

──すいません(笑)。

いや、本当に(笑)。頭の片隅にはあったのかもしれないけど、曲を書いた時はFunkadelicは意識してなかったんだ。だけど確かにこの曲も同じようなこと…2000年代の北アメリカのカニバリズムについて歌っているね。

──Dirty Projectorsにも「Cannibal Resource」という曲がありましたね。

その通り。



──あなたの曲にはよく鳥が出てきますが、Fleet FoxesのRobin Pecknoldのお兄さんのSean Pecknoldが監督した「Break-Thru」のミュージック・ビデオに鳥が出てくるのも、あなたのアイデアでしょうか?

親しい友だちにアルバムのラフ・バージョンを聴かせたんだけど、「Break-Thru」のギター・リフが電話線に止まって歌っているたくさんの鳥みたいに聴こえたみたいで。「それだ!」って。鳥は自然の象徴で、僕らと自然を繋ぐ存在でもあるし、人間中心でない世界の景色を見せてくれるんだ。

──Dirty ProjectorsとMount Eerieの去年のアルバムは自分のベストのひとつでしたが、同時に聴いていて辛いアルバムでもありました。でもMount EerieのPhil Elverumも先日結婚しましたし、新作を聴く限りではあなたも恋をしているみたいですし……って恋してますか?

してるよ(笑)。

──というわけで、こんな時代だからこそ、もっと明るいアルバムが増えるといいなと思うんですけど。

完全に同意するよ。うん、そうなるといいね。
Posted by Monchicon
INTERVIEW / 17:30 / comments(0) / trackbacks(0)
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