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[INTERVIEW] Snail Mail


16歳のときにリリースしたEP『Habit』から約2年、ハイスクールを卒業したばかりのSnail MailことLindsey Jordanのファースト・アルバム『Lush』は、そのタイトル通り、青く脆い感情が渦巻いているようだ。 少女から大人への階段を登る彼女が紡ぎ出すリリックには、実際に体験した愛や人生の哀しみが綴られている。大人になっても忘れられない、思春期の痛々しい思い出を蘇らせる焦燥感溢れるヴォーカルと、ノスタルジーに誘われる、哀愁のあるローファイ・サウンド。切なくてほろ苦いこのアルバムについて、Lindseyが受話器越しに語ってくれた。



自分の経験じゃないことを
みんなの前で歌いたいとは思わない


──あなたはKevin Morbyとツイッターでよくやり取りをしていますが、彼が手紙をくれたファンに普通郵便(Snail Mail)でハガキを送るという企画をやっているのは知っていますか? 実際のところ、バンド名の由来は何だったのでしょう?

Kevinがそれをやってるのは知らなかった。すごくクールね。しかもスイートだと思う。バンド名は、可愛い言葉の組み合わせだと思ったから(笑)。自然と思いついて、バンド名に使ったら良いんじゃないかと思ったの(笑)。

──本作『Lush』もEP『Habit』もアートワークが赤ですが、あなたのテーマ・カラーなのでしょうか。

テーマじゃなくて、それは偶然。たまたまそうなったの。個人的にはグリーンもたくさん使うわ。

──高校を卒業したばかりですが、学校に通っていたころと比べて今どうでしょうか。何か心情の変化はありましたか。

すごく良い状態よ。報われた感じがする。学校に時間を奪われずに、音楽活動に専念できている状態がすごく心地良い。高校を卒業してすぐに、他の仕事に就いたり、大学に行くのを飛ばして、CDをリリースしたりみんなの前でパフォーマンスをするという、この状態でいられていることにすごく感謝してるの。世界を旅することもできているし、最高よ。これ以上は望めない(笑)。

──『Lush』は、心身ともに大人へと変化していく過渡期の青春時代に制作され、タイトルもそれを表しているように思いますが、実際には本作に一貫したテーマはありますか。

テーマは、内省と成熟。自然とそうなったの。全ての曲がゆっくりと形になっていって、全てがギターを弾くことから始まって、音楽ができていくにつれテーマが生まれてくる。いつもそんな感じなの。

──「Pristine」は10代の時に誰もが直面するような、恋の痛みや切なさを歌っているように思いますが、このような歌詞は実体験を基にしているのでしょうか。

そう。私が書く曲は、全てがパーソナルな経験に基づいているわ。シナリオとか、空想のものについて書くのはあまり好きじゃないの。個人の経験じゃないと、自分自身も繋がりを感じないし、リアルな感じがしないし。自分の経験じゃないことをみんなの前で歌いたいとは思わないの。



──本アルバムを制作する上で影響を受けた音楽、映画、本などはありますか?

何かから影響を受けて作品を作ろうとはあまり思わないわね。アイデアは頭の中で自然と生まれてくるの。書きながらその過程で生まれてくるんだよね。あまり他の人のアートを自分の中に取り込むという発想がないのかも。なるべく自分自身の作品を作ろうとしているし、他の要素を入れようとすると、注意が散漫になってしてしまう。でも、本はたくさん読むの。音楽そのものに影響したものはないかもしれないけど、作品を仕上げる上でモチベーションをもらったのは、ミリアム・トウーズの『All My Puny Sorrow』かしら。自分をいかにベストに表現するかという意味で、影響を受けたと思う。

──5歳の時に映画『スクール・オブ・ロック』やAvril Lavigneからインスパイアされてギターを始めたそうですが、家族は音楽一家、もしくは音楽好きの家庭だったのでしょうか。

全然(笑)。そういうのが好きだったのは私だけ(笑)。

──8歳の頃、あなたのお姉さんから当時流行っていたFall Out BoyやAll Time LowといったWarped Tourでプレイするバンドのリストを見せてもらって、女性のバンドがいないことを残念に感じたようですが、10年経った今も女性のミュージシャンは少ないように感じますか。

ジャンルや場所にもよるのかもしれないし、私は、この質問に答えられるほど世界のことを知らないと思うわ。

──その後、Paramoreのショーを見てHayley Williamsに刺激を受けたそうですが、彼女のどのようなところに憧れたのでしょう。

Paramoreは、私にとってオルタナティヴ・ミュージックへの扉なの。興味を持つきっかけになった。理想の素晴らしいロックとはこれだ!って感じたのよね。Hayleyは素晴らしいパフォーマーだと思うし、あの、ロウでエモーショナルなパフォーマンスが本当に刺激的だった。若い時に彼女たちのコンサートをみてインスパイアされたの。

──Avril LavigneやParamoreといった2000年代後半に流行していたバンドの名前が挙がりましたが、その後今のSnail Mailも音楽スタイルはどのように形成されていったのでしょうか。中高生の時には何を聞いてたのでしょうか?

『Habit』の音楽は、私からそのまま出てきた感じ。とにかくギターを弾いて、自分の中から出てくるものをそのまま曲にしたのが当時のサウンドだった。他の何とも似せたくなかったし、自然に曲を作って自分だけの作品を作りたかったの。『Lush』はそれとはちょっと違って、既にSnail Mailとしてリリースした土台となる音楽があった。だから『Habit』の音楽が原動力になったというか、それを頭に入れた上で曲を書いていった。でも、自分の中から出てくるものが要素ということは変わらない。それが自分のスタイルだと思うわ。中学の時は、インディー・ロックとかシンガー・ソングライター系、昔のカントリーやフォークなんかを聴いてた。パンクも大好きでショーにいったりしてたし、ポップも聴いてたわ。




──Mary Timony (Helium / Ex Hex)からギターを教わっていたそうですが、彼女とはどのように出会ったのでしょうか。また彼女はどんな人でしたか。

彼女とはDCのショーで出会ったの。すごく優しくて、知的で、才能のある人よ。自分自身の道を進んでいる人だと思う。

──フェミニストであることを公言していて、セクシャリティにもオープンですが、あなたがそのような姿勢でいられるのはなぜでしょう。周りの環境がリベラルなのでしょうか。

私は恵まれていると思う。両親も理解力があるし、サポートしてくれるの。そして友人たちもそう。だから、私にとっては苦ではなかったの。私の世代はインターネットもあるし、数々のゲイのアーティストや作品にもインスピレーションを受けてきた。だから、あまりゲイだからといって孤独を感じることがなかったのよね。私は他の人と比べて、そういうユニークな経験があったから、あまり抵抗はなかったわね。

──高校を卒業し、デビューアルバムをリリースと、様々な変化が起きていると思いますが、今後の展望やどのようなミュージシャンになりたいか教えてください。

目標は、長く活動していくこと。ハイプに巻き込まれず、レコードを作り続けて、ツアーもできるだけ長く続けて、自分のアートの世界を可能な限り作り続けていきたい。とにかく音楽を作り続けてそれをパフォーマンスしたいわ。


Snail Mail - Lush (Matador)
2018.6.8 release
Posted by 栗原葵
INTERVIEW / 23:30 / comments(0) / trackbacks(0)
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