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[INTERVIEW] Mouse On Mars

photo: Nicolai Toma

グラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバムを受賞したThe Nationalの『Sleep Well Beast』への参加も記憶に新しいベルリンの電子音楽デュオ、Mouse On Mars。そんな彼らが古巣のThrill Jockeyからリリースする6年ぶりの新作『Dimensional People』には、The NationalのDessner兄弟やBon IverのJustin Vernon、BeirutのZach Condon、Spank Rock、Sam Amidonといったインディー・ロック・ファンにはおなじみの面々から、Daft Punkのプロデュースで知られるオーストラリアのバンドParcels、ソウル・レジェンドのSwamp Doggまで、多彩なゲストが参加している。

アイリッシュ・フィドルからシカゴのフットワーク、ナイジェリアのジュジュまでを横断し、“開かれた社会を促進するための手段”だったという新作について、デュオの片割れであるJan St. Wernerが語ってくれた。


ある意味ではノイズ入りのジョージ・ガーシュイン


——『Dimensional People』はあなたたちの6年ぶりのオリジナル・アルバムで、Thrill Jockeyへの復帰作になります。しばらく間隔が空きましたが、どのように実現したのでしょう?

この6年の間にも、ベルリンのMonkeytownからたくさんの音源をリリースしてきたんだ。僕らがYoshimiと一緒に作った素晴らしい曲を含む21のコラボレーションを収録した2枚組CDに、過去の未発表曲やピール・セッションを追加したボックス・セットの『21 Again』とかね。2012年に僕らは10枚目のアルバム『Parastrophics』をリリースして、『WOW』、『Spezmodia』、『Synaptics』といった、数枚のEPとミニLPがそれに続いた。Monkeytownは、Mouse On Marsにとってはクラブ寄りの作品をリリースする場所だったんだ。『Dimensional People』はもっとセミ・アコースティックな作品だから、Thrill Jockeyに戻ってきたのは理に適ってると思う。Thrill Jockeyは『Niun Niggung』(1999)、『Idiology』(2001)、『Radical Connector』(2004)といった僕らの古い作品も再発するんだけど、『Dimensional People』はこの系統に属すると思うんだ。すごくアメリカンで、ある意味ではノイズ入りのジョージ・ガーシュインというか。それに、僕らは今年主にアメリカで演奏する予定なんだ。



——本作には2016年にベルリンで開催されたミヒェルベルガー・ミュージック・フェスティバルに出演していたThe NationalやSam Amidon、Lisa Hannigan、翌年にBon Iverが主催したEaux ClairesフェスティバルのJohn Prineトリビュート・ライブに出演していたSpank RockやAmanda Blank、Swamp Doggといったミュージシャンが参加していますよね。どうやって彼らを集めたんですか?

僕らはたくさんのゲストを自分たちのスタジオに招いたんだ。立ち寄ってくれた人たちはみんな喜んで参加してくれたよ。たくさんの俳優とビッグ・バンド・オーケストラが参加したミュージカルみたいな、コラボレーティヴなアルバムが作りたかったんだ。



——アルバムを制作するにあたって、無作為に作ったトラックをゲストに渡したんでしょうか? それとも、あらかじめ参加するアーティストを想定してトラックを作ったのでしょうか?

僕らのほうからトラックを提案して、彼らが何をしたいかについて話し合ったんだ。複数の曲に参加してくれたアーティストもいるし、1曲だけ録音するために、ほんの数時間だけやってきた人もいたね。

——歌詞の内容についてはゲストと話し合ったりしましたか? それとも、完全に彼らに任せたのでしょうか?

アルバムについてのアイデアは伝えたけど、彼らにはやりたいようにやってもらったよ。

——あなたたち自身が開発したFluXpadとElastic Drumsという音楽アプリをアルバムでも使ったそうですが、どういったものなのでしょう?

そのアプリを使ったスケッチから作業を始めたんだ。その後で、僕らはレコーディング・セッションの音を取り出して、それをアプリに戻した。Elastic Drumsの使い方を説明した良いビデオもあるよ。



——「Daylight」や「Tear to My Eye 」といった曲でAndi Tomaが弾いているギターからはアフリカの音楽を連想しますが、どんなものに影響を受けましたか?

King Sunny Ade、Holger Czukay、スプリー川、ナポリのコーヒーだね。

——アルバム収録曲のほとんどは145bpmだそうですが、これはシカゴのフットワーク・ミュージックに影響を受けているそうですね。フットワークのどんなところに惹かれたのでしょう?

クラブ・ミュージックが僕らの興味を惹いたのはジャングル以来だよ。不均等なビートが好きなんだ。僕らにとって、テクノはほとんどが予定調和だからね。



——BeirutのZach Condonが参加した「Sydney In A Cup」で、Lola Ridgeの詩を引用したのはなぜですか?

彼女は世界を旅したニュージーランドのフェミニスト詩人で、オーストラリアに住んでいたこともあったんだ。だからオーストラリアのバンドのParcelsがレコーディングに来た時、これはすごく良いコンビネーションになると思った。それに僕らもフェミニストだからね。

——「Résumé」と「Sydney In A Cup」の最後で話しているのはソウル・シンガーのSwamp Doggですよね? どうして彼の語り声でアルバムを終えようと思ったのでしょう?

彼は正直だけど、自分の考え方について、それほど深刻じゃないからさ。


Swamp DoggことLittle Jerry Williams、1966年のヒット曲


——先日亡くなったThe FallのMark E. Smithとあなたたちは、2007年にVon Südenfed名義でのアルバムを発表していますよね。彼との思い出があれば教えてください。

彼はマンチェスターから来たSun Raだった。霊媒師さ。彼の歌声を通すと全てが姿を変えた。Von Südenfed名義で一緒にアルバムを作るのは楽しくて、不条理で、実り多いものだったね。僕はその後で、Molecular Meditationっていうサウンド・インスタレーションを一緒に作ったりもしたんだよ。



——本作は“開かれた社会を促進するための手段”だったそうですが、「Dimensional People」や「Parliament of Aliens(エイリアンの議会)」といったタイトルで、あなたたちが伝えたかったことは何だったのでしょう?

現実に対して異なる考え方を持った人たちの心が、ひとつになるってことなんだ。多様な物の見方を交換することによって、世界は形作られていく。僕らはお互いから学んで、お互いに与える。他の誰かからの反応なしには、アイデンティティも存在しないんだ。僕らは他の人たちと一緒になる度に別人になり、一人の人間のなかにも、たくさんのアイデンティティがある。「Parliament of Aliens」は、エルプフィルハーモニーというドイツのコンサートホールにインスパイアされてるんだけど、僕らはそこでThe Nationalと一緒に演奏したんだ。そのバルコニーから上を見ると、まるでエイリアンの議会にいるみたいでね。そこにはドイツ人しかいなかったけど、いつかエイリアンも来てくれたらいいね。


ドイツのハンブルクのコンサートホール、エルプフィルハーモニー
Posted by Monchicon
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