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[INTERVIEW] Robin Pecknold (Fleet Foxes)

photo by Kazumichi Kokei

Fleet Foxesの6年ぶりの来日公演を見て思い出したのは、ひび割れた陶器を漆で繋ぎ合わせ、金で装飾し、破損した部分をありのままに美しく見せる、“金継ぎ”という日本の伝統技法のことだ。

前回の来日公演を最後に脱退したドラマー、Father John MistyことJosh Tillmanの穴は、決して埋まったわけではない。とりわけ、稀代のシンガーでもある彼の不在は、コーラスが重要なパートを占める「White Winter Hymnal」のような曲で顕著だったが、その穴を埋めるために、サポート・ドラマーを務めたThe WalkmenのMatt Barrickを含むメンバー全員が最大限の貢献をしようとする姿が、バンドの結束を以前よりも強固なものにし、輝かせていたように思うのだ。高音のハーモニー・パートを担当したベースのChristian Wargoはもちろん、これまでは決してマイクの前に立とうとしなかったギターのSkyler Skjelsetまでもがコーラスに積極的に参加し、坂本龍一に捧げたというYMO「Behind the Mask」のカバーではリード・ヴォーカルを取っていたことに、驚いたファンも多かったはずだ。

その東京公演の数時間前、15分だけ取材に応じてくれたバンドの中心人物Robin Pecknold。悩める青年という印象だった以前の姿はそこになく、終始笑顔の彼は、当日のライヴを観に来ていた日本のミュージシャン岡田拓郎と、ROTH BART BARONの三船雅也からの質問にも答えてくれた。


——今から10年前、あなたたちの以前の所属レーベルだったSub PopのスタッフのCarly Starrと、彼女の友人の日本人女性のYume Nakajimaを通じて、自分のファンジンであなたたちにインタビューしました。当時のことを覚えていますか?

うん、覚えてるよ!

――Sub Popは今年で30周年ですが、もしも記念フェスティバルに誘われたら出演します?

もちろん!

――昨年あなたたちを表紙にした『Folk Roots, New Routes』という本を発行して、現在の所属レーベルであるNonesuch Recordsを特集したのですが、あなたたちの最新作『Crack-Up』のCDのラベル部分に、古今東西のワールド・ミュージックを紹介するNonesuchのエクスプローラー・シリーズのロゴが入っていましたよね? 

(笑)そのシリーズのことは君もよく知ってると思うけど、新しいレーベルを探す時に、エクスプローラー・シリーズをリリースしていたのがNonesuchだったっていうのが、すごく魅力的だったんだ。僕はレコード屋で安く売っていたNonesuchのエクスプローラー・シリーズを通じて、ワールド・ミュージックを好きになっていったからね。そのスタンプを押すことがオマージュでもあったし、アルバム自体も旅というか、エクスプローリング(探検)みたいな感じだったから。そこに気づいてくれたのは嬉しいよ。

――エクスプローラー・シリーズの中で特に好きな作品ってあります?

ヴォーカルものはなんでも…ブルガリアのフォーク・ミュージックとかね。

――エクスプローラー・シリーズは全部で92枚出ていますが、『Crack-Up』が93枚目ということになるんでしょうか?

数に入るかどうかわかんないけどね(笑)。

――ちなみに、“フォーク”という言葉で括られるのって抵抗あります?

でも、この“Folk Roots, New Routes”っていう使い方は好きだよ。そういうアルバムもあったよね? 誰だっけ…そう、Davy Grahamだ。

――この本を作ったきっかけは、あなたはもちろん、古くはNick DrakeやSandy Dennyから、Laura MarlingやAlela Dianeまで、この本に登場するアーティストの多くがカバーしているJackson C. Frankの「Blues Run The Game」という曲でした。最近も歌ったりしますか?

してるよ。僕らがいつもセットの最後に歌う曲が「Helplessness Blues」なんだけど、その前に「Blues Run The Game」を歌ったりする。あの曲の歌詞は旅についてのものだから、ツアー中に歌うと慰められるんだ。



――『Crack-Up』のアートワークに使われているフォントは日本で一般的な「MS明朝」なのではないかという指摘があったのですが本当ですか?

そう、Microsoftのワープロ・ソフトに入ってる"SimSun"っていう、たぶん中国語のフォントなんだけど、日本語では"MS明朝"にあたるフォントの、ローマ字を使ったものなんだ。2008年のツアー・ポスターにも使ったんだけど、日本でも今日歩いているだけで、いろんなところで目にしたよ。余白の感じが面白いと思ったんだよね。

――そういえば昨年、「たった今Fleet Foxesの奴が大学に行ったって聞いた…本も何冊か読んだらしい。明らかに僕のようなアホ向けじゃなさそうだ」というRyley Walkerのツイートに、Robin Pecknoldという名前のアカウントが一度だけ「バート・ヤンシュのタブ譜だってタダで手に入るんだから気にすることはない」と返信していましたが、あれはあなた本人ですか?

そう、あれは僕だよ(笑)。





――(笑)ちなみに、Geniusという歌詞解説サイトでFleet Foxesの歌詞に詳しい注釈を付けているOrchard Hermitageというユーザーもあなた本人ですか?

それは僕じゃない(笑)。でも面白いね、それ(Orchard Hermitage)はMount EerieのPhil Elverumが僕にくれた名前なんだ。

――前回来日した際に演奏していた「I Let You」という曲はまだ録音されていませんが、いつかレコーディングする予定はありますか?

あの曲のギター・パートの一部は、新作の3曲目の最後で使われてるんだ。だけどちゃんと録音したいとは思っていて、新しいヴァージョンのアイデアがあるから、次のアルバムか、ソロ・アルバムに収録できたらと思ってるよ。



――海外ではNap Eyesや(Sandy) Alex G、Bedouineといったアーティストとツアーしていましたが、印象に残った人はいましたか?

前回のツアーでも、同世代のバンドだったり、Van Dyke ParksやWalkmenのような上の世代の人たちと一緒に回ってたけど、今回Beach HouseやAnimal Collectiveと一緒に演奏できたのはとても光栄だったし、彼らと名前が並んでるなんて、夢が叶ったみたいだったよ。それと同時に、(Sandy) Alex Gみたいに、24歳ぐらいの若いミュージシャンを見れたのもクールだったね。Ultimate Paintingとも4回ぐらい一緒にやったかな。

――以前Instagramに、「Garfunkel-ing for Morby」と書いていましたが、これはKevin MorbyとSimon & Garfunkelごっこをしたということでしょうか?

『Crack-Up』 のレコーディングの終わり頃に彼がニューヨークに来ていて、次のアルバムのレコーディングをしてたんだ。今年か、来年の頭には出ると思うんだけど、とても美しい曲があって、ハーモニーを歌ってくれないかって頼まれたんだよね。

――前回のジャパン・ツアーの最終日は1月20日でしたが、19日の大阪公演の翌日、1月20日に「Third of May / Odaigahara」という曲のタイトルにもなった奈良県の大台ケ原に行く予定はありますか?

行くつもりだよ。20日に三重の伊勢神宮に行くんだけど、そこから電車に乗って行けたらいいなと思ってるんだ。

――Instagramにアップしてくれるのを待っています(笑)。というわけで、次は岡田くんと三船くんからの質問です。

岡田拓郎 SpotifyやApple Musicなど、ストリーミングでシングル的に音楽が聴かれる事が多くなった昨今ですが、『Crack-Up』は、アルバム1枚で1つの通底する感覚を持った作品という、アルバム・ミュージックだと思います。というところで、もし1枚のアルバムとして、フェイヴァリットに挙がるような作品があったら教えて下さい。


(長い沈黙)最近ずっと聴いてるのは…Sibylle Baierの『Colour Green』だね。何か繋がりがあったり、コンセプト・アルバムってわけじゃないんだけど、いつも通して聴いてしまうというか。それから…子供の頃だったらRadioheadの『O.K. Computer』かな。最後の曲がいかにも最後って感じで、映画を観ているような。そういうアルバムはいくつもあるけど、一番最初にそう感じさせてくれたのはBeatlesの『Rubber Soul』だったね。良い曲はたくさんあるのに、通して聴いて良いと思えるアルバムってすごく少ないから、そういう作品を作るのがひとつの挑戦かな。



岡田 あなたのアルバムは通して楽しめました。そういうアルバムが好きなので。

ありがとう(笑)。僕もそうだよ。

三船雅也 あなたは2014年に、The Gene Clark No Other BandのメンバーとしてMusic Hall of Williamsburgでギグをしていましたね。僕もちょうど自身のアルバムのレコーディングでNYに滞在していて、翌日日本に帰国する最後の日にこの素晴らしいイベントで旅を終えたのでよく覚えているのですが、「Strength of Strings」を歌っていたのが未だに印象に残っていて。聞きたいのは、あなたが移り住んだニューヨークの音楽シーンは、当時と比べてどう変わったのでしょうか? 何を感じますか?

僕らが去年ツアーしたアーティストのひとりがNick Hakimで、彼も20代半ばなんだけど、ボストンのバークリー音楽大学出身で、ウィリアムズバーグやマンハッタンからは少し離れた、ニューヨークのリッジウッドに引っ越してきたんだ。僕がここに来て良かったと思うのは、慌てて音楽を作る必要はないんだけど、家賃が高いにも関わらずここで何かを成し遂げようと頑張っている人を見ていると触発されるし、音楽のコミュニティが、たとえばシアトルなんかよりもお互いに協力的だからなんだ。ここで暮らしていくのは大変だからね。



三船 ほとんどのインディー・ソングがギターを使わずコンピューターによって作られた最近のシーンの中、僕もギターで作曲する人間だから時々思うのですが、この古臭いオールドスクールな楽器で音楽を作ることをつまんなく感じたり、ギターから離れたいと思ったりすることはありましたか?

僕が思うに、エレクトロニック・ミュージックはBeatlesよりも古いものなんだ。最初のミュージック・コンクレートとか、シンセサイザー・ミュージックとかは既に存在してたんだけど、10年ぐらい経ってから、60年代に表面化してきた。だから、アコースティックな音楽がエレクトロニック・ミュージックよりもオールドファッションだと思われがちなのはおかしいと思う。Beatlesがしたことはソングライティングとして革命的だったわけで、使う楽器に関わらず、ソングライターとしての君の個性は伝わってくる。サウンドによってそれが補足されるとしてもね。時々メディアのタグだったり、関心を惹くために、「このバンドがエレクトロニックになった」とか、「ハードロックになった」とか、特定のサウンドを必要とすることもあるけど、それは重要じゃなくて、みんなが本当に気にしているのは素晴らしい曲なんだ。君ができる限り良い曲を書けば、きっとうまく行くはずだよ。

――ありがとうございました!


(L to R) 三船雅也、Robin Pecknold、岡田拓郎



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Posted by Monchicon
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