ALBUM OF THE WEEK
*
Turn Out The Lights


Screen Memories



Categories
*
Selected Entries
Bookmark
Search This Site
Others
<< 『Folk Roots, New Routes フォークのルーツへ、新しいルートで』発売のお知らせ | main | [SONG OF THE DAY] Jackson C. Frank - Blues Run The Game >>
[INTERVIEW] David Bither (Nonesuch Records)


本日ニュー・アルバム『Crack-Up』をリリースしたFleet Foxes。6月19日に発売されるムック『Folk Roots, New Routes フォークのルーツへ、新しいルートで』では、そんな彼らのインタビューに加えて新たな所属先となるNonesuch Recordsを特集していますが、今年に入ってNonesuchの社長に就任したのが、長年レーベルの重役として、WilcoBlack Keysといったアーティストたちと契約してきたDavid Bitherです。

XL RecordsのスタッフだったKris Chenを新たに迎え入れ、Vampire WeekendのRostamのソロ・アルバムをリリースするなど、大きな転機を迎えつつあるNonesuch Records。そんなレーベルの現在について、Fleet Foxesの新作とムックの発売を記念して、社長のDavidが直々に答えてくれました。
音楽はこれから先も終わることなく続いて行くし
特定の流行や瞬間のために作られるものではない


──まず最初に、この度あなたが社長に就任した経緯について教えてもらえますか?

(前社長の)Bob Hurwitzに出会ったのは1983年で、当時の彼はECMのアメリカ・オフィスを運営していたけれど、それから1年後にNonesuch Recordsの社長に指名されたんだ。彼とランチをした時、食事の最後に、Nonesuchという影響力のあるレーベルを活性化するために、彼の手伝いをしに行きたいって伝えた。まあ、すぐには成就しなかったけど、僕らはそれからも連絡を取り合っていて、数年後にはボブの推薦もあって、僕はNonesuchの親会社だったElektraの国際部に雇われたんだ。Elektraには10年ほどいて、その間にBobやNonesuchのチームのことをとても良く知るようになったよ。そして1995年に僕はElektraからNonesuchへ移り、現在へと至る。数年前にBobがNonesuchでの活動を減らすことになって、またしても彼が僕を推薦してくれたので、光栄にも彼の後釜としてNonesuchの社長に就任することになったわけだけど。Nonesuchが次の時代へと移れるよう、彼がNonesuchに所属させた多くのアーティストと引き続き仕事をして、彼らに助言やサポートをしてくれたから、僕は非常に嬉しかったね。

──Nonesuchを代表する人気シリーズが、60年代後半の『The Soul of Flamenco』から80年代初頭の『Drums an Voices of Korea』まで92タイトルがリリースされ、世界各国の民族音楽を紹介してきた“Nonesuch Explorer Series”ですが、特にお気に入りのタイトルはありますか?

Nonesuch Explorer Seriesは、1965年から1979年までノンサッチを運営していたTracey Sterneの指導下で1967年にスタートした。僕が初めてあのシリーズを知ったのは大学生の時で、ライターで音楽評論家のJonathan Scottが、山口五郎という尺八の名手のアルバム、『A Bell Ringing in the Empty Sky』というExplorerのタイトルについて『Rolling Stone』誌に書いた記事を読んだからなんだ。Explorerのタイトルには、他にもよりドラマティックなもの(故David Lewistonが録ったバリの音楽)、影響力の強いもの(ブルガリアの合唱曲やカリブ海の曲を収めたアルバム)があったけど、山口の印象的な音楽は、今でも僕の心に特別なものとして残っているよ。


Gorô Yamaguchi ‎– A Bell Ringing In The Empty Sky: Japanese Shakuhachi Music


──これまでに一番売れたNonesuchのアルバムと、一番売れなかった(言い換えれば過小評価されている)アルバムについて教えてください。

一番よく売れているNonesuchのタイトルは、World Circuit RecordsのBuena Vista Social Club関連作で、重要なワールド・ミュージックのレーベルであるWorld Circuit RecordsとNonesuchとの長年にわたる付き合いの中で、世界数か国で発売してきた。それと、チャートのトップに立ったBlack Keysの『El Camino』もよく売れているよ(※全米アルバム・チャート2位、同オルタナティヴ・チャートでシングルが2曲1位に)。一番売れていないNonesuchのタイトルが何なのか僕は知らないけど、Nonesuchが発売して、もっと広く知られるべきだと感じているアーティストやレコードが存在するのは確かさ。90年代初旬に僕がまだElektraにいた頃、僕がNonesuchで最初に仕事をしたアーティストの一人が、コンポーザー/ソングライター/シンガーのRobin Holcombで、僕がNonesuchで特に気に入っている作品のうち、4枚が彼女の作品。多くのミュージシャンに彼女の作品は知られているけど、世界的な規模ではその存在を広く知られていない。


The dB'sのPeter Holsappleも参加したRobin Holcombの1992年作『Rockabye』


──2000年に『Red Dirt Girl』をリリースしたEmmylou Harrisが、あなたがレーベルに連れてきた最初の“ポピュラー”なアーティストだったのでしょうか? 以降のロック寄りなレーベルのラインナップには、あなたの趣味が反映されているのでしょうか?

Emmylou Harrisのマネージャー、Ken LevitanからEmmylouがNonesuchへ移ることに興味はあるかと初めて打診された時、彼女はあの革新的なアルバム『Wrecking Ball』を発売したばかりでね。彼女の最高傑作の一つだったし、現在アメリカーナと呼ばれているムーヴメントの礎となる録音作品だった。僕らは当初、彼女がNonesuchに移籍したら、Nonesuchのファンはどう思うかな…と考えたけど、すぐに誰もそんな事は気にしないって気付いたよ。Emmylouは他の偉大なアーティストたちと付き合いがある最高のアーティストで、彼女が移籍してくれてNonesuchは運がいいって、すぐにわかってもらえた。彼女は音楽のジャンルなんて無関係だったね。





──Nonesuch以外のアーティストで、あなたが契約したいと思ったアーティストは誰かいますか?

僕が敬服するレコードのアーティスト名を挙げ出したらきりがないけど、過去20年間の中から一人だけ選べと言われたら…彼がNonesuch所属だと良かったんだけど…それはSufjan Stevensだ。彼のアルバムは、『Michigan』や『Illinois』から『Carrie & Lowell』に至るまで憑りつかれたように聴いたけど、『Carrie & Lowell』は、これまでで最も深くて感動的な作品だと思う。一連の作品は桁外れに素晴らしいよ。10年前、Joni Mitchellのトリビュート盤で、SufjanがJoniの「Free Man In Paris」を過激なヴァージョンで演奏して、それをNonesuchがリリースできたのは幸運だった。


Sufjan Stevensによる「Free Man In Paris」を収録した
2007年の『A Tribute To Joni Mitchell』


──あなたが理想とするインディー・レーベルはありますか?

素晴らしいインディー・レーベルはたくさんあるし、ミュージシャンたちをディレクションするスタッフの情熱を反映したレーベルには心から尊敬するよ。

──Nonesuchの所属アーティストには共通する美意識のようなものが感じられるのですが、あなた自身はそれをどのように思いますか?

Nonesuchと仕事をするアーティストは、仕事に対して徹底的に真剣に取り組んでいるものと信じている。音楽はこれから先も終わることなく続いて行くし、特定の流行や瞬間のために作られるものではない……でも、それはうちのアーティストたちが世間で起きていることに対して無関心ということではないからね!

──新たな所属アーティスト、Fleet Foxesの新作についてはどう思いますか?

Fleet FoxesがNonesuchに来てくれて本当に嬉しいよ。彼らが自分たちの作品に注ぐ熱意と献身の姿勢は、Nonesuchというレーベルが信条とするところの全てを象徴しているからね。今回のアルバム『Crack-Up』には、彼らのDNAがはっきりと見つけられるけれど、それと同時にこの作品は彼らの音楽を未知の分野へと連れて行った。そこにゾクゾクするんだ。

翻訳協力=飯村淳子


Posted by Monchicon
INTERVIEW / 18:00 / comments(0) / trackbacks(0)
COMMENT









Trackback URL
http://monchicon.jugem.jp/trackback/2174
TRACKBACK