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[FEATURE] Monchicon's 10 Best Albums of 2016


あけましておめでとうございます!

さて、「年末には年間ベスト・アルバムを発表しなくてはならない」という得体の知れない強迫観念と、録り溜めたTV番組や映画を消化したいという誘惑、そして強烈な睡魔と葛藤すること数日(結局寝落ち)。

ようやく選んだ10枚のアルバムのうちの何枚かは、ブログで紹介した後で思いのほか反響を呼んだこともあり、「これって一年間ブログやツイッターをフォローしてくれた人たちからすれば、何の驚きもないのでは?」と悩んだりもしましたが、「世間の流行に対する反動としてランキングを変えることは、周りと自分を区別するためだけに、自分の趣味を犠牲にすることになるんじゃないか?という結論に至り、年も明けてお屠蘇気分もすっかり抜けた今、あえて昨年のベスト・アルバムを発表することになりました。

というわけで、2020年に振り返ったらきっと納得! モンチコンが選ぶ2016年のベスト・アルバムはこの10枚だ!

10. Jessy Lanza - Oh No (Hyperdub)

Caribou『Our Love』での客演も記憶に新しいカナダ人女性が、YMOやコシミハルを始めとする細野晴臣ワークス(『FACT』のミックステープには戸川純と三宅裕司によるApogee & Perigeeをセレクト)に影響を受けたカマトト・テクノ・ポップ。年齢不詳&若干の天然系と思われる本人と女性ドラマーとの2人編成によるライヴ・パフォーマンスも華やかで、来日公演の実現が待たれる。




9. Lambchop - FLOTUS (Merge)

CharlatansのTim Burgessとの共作や、エレクトロ・プロジェクトのHeCTAといった課外活動と、妻の政界デビュー、オリジナル・ベーシストの死去といったパーソナルな出来事が重なって生まれた、ベテラン・バンドの新たな代表作。冒頭とラストに10分超えの長尺曲を配した構成といい、よく比較されるBon Iverよりも、Kurt Vileの『Wakin On A Pretty Daze』に通じる雰囲気が。




8. Nicolas Jaar - SIRENS (Other People)

弱冠21歳でデビューしたNYの青年が、カンヌでパルムドールに輝いた映画『ディーパンの闘い』のサントラを経て完成させた、5年ぶりのセカンド。Suicideばりのエレクトロ・パンクやドゥーワップ風の曲もあって驚くが、前作に続きカバー・フォトを手掛けたチリ出身の父親と幼少期の自分の会話を挿入するなど、音楽を通じて常に自身の歴史と対峙しているような姿勢に惹かれる。




7. Kevin Morby - Singing Saw (Dead Oceans)

長年在籍したWoodsや住み慣れたニューヨークを離れ、後ろ髪を引かれるような雰囲気だった前2作から一転、ロサンゼルスに腰を落ち着け、自らのバンドを率いて脂が乗った歌を聴かせる本作は、まさにローリング・サンダー・レビューの頃のBob Dylan。The Bandの『Last Waltz』再現コンサート経由で参加したと思われるピアニスト、Marco Beneventoの演奏がとにかく素晴らしい。




6. Andy Shauf - The Party (Anti-)

ある夜のパーティーを舞台に、Jens Lekmanばりのストーリーテラーっぷりが冴え渡る、カナダのSSWの最新作。「Alexanderはマジシャンだった?」「踊っているのが主人公とMartha?」などと想像も膨らむ、60年代の群像劇映画のポスターのようなアートワークも人気の要因か。誰もが家路に就く頃、幸福感と共に取り残される「Martha Sways」は、記憶に残る名ラストシーン。




5. Car Seat Headrest - Teens of Denial (Matador)

Carsの「Just What I Needed」を引用するも、Ric Ocasekから物言いがつき回収、すぐさま新ヴァージョンが再録されるという、いわくつきのアルバム。そういった経緯からか充分なプロモーションが出来ていなかった気もするが、「Drunk Drivers/Killer Whales」、「Vincent」という静と動の2大名曲を収録した、Titus Andronicusにも並ぶ叙事詩的文系パンク・ロックの傑作だ。




4. Pinegrove - Cardinal (Run For Cover)

YouTubeにはカバー動画が、Instagramにはジャケットと同じタトゥーを入れるファンの写真が溢れ、ライヴ会場では大合唱と、いわゆる“エモ・バンド”の条件を揃えている彼ら。しかしバンジョーやペダル・スティールを取り入れた温かいサウンドと、「Aphasia」や「Size of the Moon」で聴けるエモーショナルな歌声には、そこだけに閉じ込めておくのはもったいないほどの魅力がある。




3. Jenny Hval - Blood Bitch (Sacred Bones)

“フニャチン・ロック(Soft Dick Rock)”を標榜した前作と対になるようなノルウェーの前衛女性ミュージシャンの新作のテーマは、なんとメンス(月経)!そのエキセントリック過ぎる世界観とパフォーマンスにドン引きしつつ、五感を刺激するような音の快楽に抗えない自分がいるのもまた事実。女性であることを呪い、同時に祝福するかのような悪魔的傑作で、2月にはまさかの来日も決定。




2. Whitney - Light Upon The Lake (Secretly Canadian)

Jess Rotterがジャケットを描いたコンピレーション『Country Funk』など、Light In The Atticの一連の再発盤を愛聴していた人たちからすれば、「こういうバンド待ってました!」と言いたくなるようなデビュー作(言われてみたら“Light In The Attic”と“Light Upon The Lake”は似てる)。Dolly PartonからNRBQまで取り上げるカバー曲のセンスも秀逸で、ライブが楽しみ。




1. Cass McCombs - Mangy Love(Anti-)

同時代のミュージシャンに与えた影響という点では、Ariel Pinkに匹敵するシンガー・ソングライターの最新作。Beachwood SparksのメンバーとのSkiffle Playersに始まり、Grateful Deadのトリビュート盤での好演と、年間を通して活躍が目立った。とかくその歌詞が語られがちだが、アルバム後半で聴けるインナー・ファンク的アプローチも、確実に2016年の空気を捉えていた。

Posted by Monchicon
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