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[CROSS TALK] Ultimate Painting x EZTV


Veronica FallsとMazesのメンバーが結成したロンドンのデュオUltimate Paintingと、昨年Captured Tracksからデビューしたニューヨークの3人組EZTV。かたやWoodsとのスプリット・シングルをリリースし、かたやそのWoodsのJarvis Taveniereがプロデュースを手掛けるなど共通点も多い2組が、9月30日に新作を同時リリースした。

Galaxie 500〜LunaのDean Warehamや、The Loft〜Weather ProphetsのPeter Astorといったポップ・レジェンドたちからも支持されるUltimate Paintingの新作『Dusk』には、元S.C.U.Mの女性ドラマーMelissa Rigbyが参加。一方のEZTVの『High in Place』には、Real EstateのMartin CourtneyとMatt Kallmanに加え、Quilt/WoodsのJohn Andrews、Jenny Lewis、Chris Cohen、Nic Hessler、Mega Bogといった豪華なゲスト陣が参加している。

それを記念して、今回はその2組のメンバーによる対談が実現。米英を代表する若きポップ・フリークが、お互いの作品に鋭くメスを入れる!
Part 1: from EZTV to Ultimate Painting


Ultimate Painting

毎年5曲ずつ、良い曲を書けばいい


──君たちはここ数年の間にたくさんツアーをして、ほとんど休まず定期的にアルバムをリリースしてるよね。このペースがレコーディングを後押ししてるのかな?(Ezra Tenenbaum)

James Hoare 僕は前のバンドでも常に作品をリリースして、ツアーしてきたからね。そのことを評価してるし、自分自身にはずみをつけることができる気がするんだ。僕らは全てを自分の部屋で録音してるからスタジオを予約する必要がないし、融通が効くから、レコーディングの前に曲を完全に仕上げなくてもいいしね。

Jack Cooper 今のスピードで作業をするのは、概ね良いことだと言えるよ。作品の質が落ちてくると、もう少しスピードを緩めようって話になると思うんだけど、僕らはかなり厳格な品質管理を行っているからね。僕らがソングライティングを半分ずつ分担してるのも大きいと思う。だって毎年5曲ずつ、良い曲を書けばいいんだからね。それは僕らの書く曲が、同じクオリティだという同意があるからこそ可能なことなんだけど。でも…実際のレコーディングのプロセスはかなり長くかかってるんだ。特に仕事が速いわけでもないし。調子が良い時は始めから終わりまで簡単に録音できるんだけど、同じように、うまくいかない時にもすぐに気がついて、集まりたくなってしまう。いつでも作業できる場所があるがゆえの、贅沢な悩みでもあるんだけどね。

──Trouble in Mindのレーベル・オーナーのBillが、君たちのレコーディング・スペースを「山積みの機材の隣のベッド」って言ってたんだけど、広いスタジオで外部のエンジニアやプロデューサーと作業するのと比べて、自宅で作業するのはどんなメリットがあるのかな?(Ezra)

James 僕は他の誰かにレコーディング・プロセスを委ねるよりも、自分でコントロールするのが好きなんだ。制約があることで、より独創的な方法で状況に対応することに繋がるし、よりリラックスした雰囲気が生まれたりする。僕は時々、真夜中に何かを付け足したくなるんだけど、ほとんどのスタジオではそれが難しいからね。それに自分の気が向いた時に、いくらでも昼休みを取ることができるんだ。

Jack 僕の自宅じゃないから、一日の終わりには帰らないといけないけどね。Jamesは頭がおかしくなってるんじゃないかな…切り替えが難しいって話はするけど、そうは言っても、僕もレコーディングしてる数ヶ月間はそのことが頭から離れないし。でも手短かに答えるなら“お金“だね。レコーディング・スタジオにお金を払うなら時間とお金が障害になるけど、逆にそれを自分たちの糧にするバンドもいる。何事も経験、ってね。

──時代やジャンル、故人かどうかを問わず、自分たちのための“レッキング・クルー”を集めて曲を作れるとしたら、誰を選ぶ?(Michael Stasiak)

Jack 難しいな…偏ってはいるけど、僕は自分の好きなミュージシャンたちと一緒にやれてるからね。Jamesはいつも曲をカッコよくしてくれるし。僕の好きなドラマーはElvin Jonesだから、次はMcCoy Tynerをピアノにしないと…それでRick Dankoがベースかな。彼らは僕らの曲を演奏するのにすぐ飽きると思うけどね。

James Tom Jobin、Buddy Holly、Bob Marley。

──自分の部屋にそんなに機材があったら、絶対つまづいちゃうよね。一番よくぶつかる機材はどれ?(Michael)

Jack これってドラッグの質問?

James 実際、邪魔になってる機材がたくさんあるんだ。僕らがUltimate Paintingで使った機材は、全部僕の部屋のどこかに置いてあるからね。正直言うと、僕の同居人たちは真夜中にベース・アンプにぶつかったり、コンプレッサーが頭に落ちてくる危険にさらされてるんだけど、彼らはすごく良い人たちだから問題ないよ。



──君たちの「Song for Brian Jones」って曲から、Psychic TVがBrian Jonesに捧げた「Godstar」を連想したんだけど、彼のどんなところが魅力的だと思う?(Ezra)

Jack どういうわけか僕はPsychic TVに少しも興味を持ったことがなかったから、まずは「Godstar」を聴いてみたんだけど、題材以外に共通点が見当たらなかったな…でもたぶんそのことだよね? これはJamesの曲だから、ここは彼に任せよう…James?

James 僕はPsychic TV、特に「Allegory and Self」って曲が好きだし、ブライアン・ジョーンズは興味深い人物で、永遠に謎に包まれているのも魅力のひとつだね。曲を書いた時はPsychic TVのことは考えてなかったけど、彼らと結びつけられるのは光栄だよ。



──『PopMatters』に載ってた君たちのインタビューを読んだんだけど、君たちはBeatlesがもう──少なくとも自分たちの周りでは有名じゃない気がするって言ってたよね。僕は今でも、Beatlesがどれだけ偉大かに固執する人たちと一年に何回かは話をするし、自分の中では、彼らはまるで触れてはいけない神のようにさえ思えてくる。Beatlesがかつてのように、人々の想像力に火をつけることができると思う? それとも、あの火は永遠に消えてしまったのかな?(Michael)

Jack いやいや…そういう意味で言ったんじゃないよ。Beatlesと彼らを取り巻く現象には、僕らもいつも魅了されてるんだ。彼らに関することは全部鵜呑みにして、彼らの泊まったホテルについてのポッドキャストを聴いてしまうぐらいにね。これはかなりマズイことだよ。だけどまあ…僕が言ったのは、あれだけの莫大な収入と、大規模なアリーナ・ツアーと、有り余る賛辞と、彼のアヴァンギャルドな側面の再評価をもってしても、Paul McCartneyはいまだに不当な扱いを受けてるってこと。それは驚くことだし…これ以上彼は何をすればいいんだろう? 世界的にも良い人物だと認められているのに。だけど君の話に戻ると、Beatlesが嫌いな人に会うってことは…僕にとってはただただ驚きだよ。

James Beatlesは以前と同じように重要だよ。ロンドンには彼らが好きだってことを認めずに、カッコつけてGermsやWipersを聴いて育ったフリをしてる負け犬たちもいるけど、彼らだってきっと「Yellow Submarine」を口ずさんでいたはずさ。

──もしもBeatlesの曲のドラム・ビートや、ギターとベースのリフ、メロディから、ひとつだけUltimate Paintingの曲に取り込むとしたらどの部分?(Michael)

Jack 「Happiness Is A Warm Gun」で、「I need a fix cos I'm going down」っていうメロディを弾いてるあのファズ・ギター、たぶんジョージだったと思うんだけど、特に2回目の「I need a fix」の、あのベンドの部分だね。でもこれは良い質問だな…君たちはどう?

James 「Paperback Writer」のリフなら間違いないね。



──つい最近も冗談で、僕らのアルバムのジャケットが被ってるって話をしてたんだけど、同じ日にリリースされるってことを考えたら、すごくクールだと思うんだ。君たちのジャケットが、The Byrdsの『Fifth Dimension』とRideの『Carnival of Light』の両方を連想させるところもね。これって(Mamas & PapasのJohn Phillipsの)『John the Wolfking of L.A.』と、(Bob Dylanの)『Desire』みたいな状況かな?(Michael)

Jack ハハ…まあ、僕らはどっちも怠惰で無知だったね。男たちがただ床に座ってるっていうのより、マシな考えが浮かばなかったんだ。ぐうたら仲間だね。

James 僕らは確実に怠けてたね。バンドとレーベル、デザイナーの共同作業で、『Fifth Dimension』のパロディっぽくなり過ぎていないことを祈ってるよ。次はどうするかって? 誰がわかる?


(L)The Byrds - Fifth Dimension (R)Ride - Carnival of Light



──このアルバムのウーリッツァーとエレクトリック・ピアノが好きなんだけど、どう思う?(Michael)

Jack 僕は長年、ギターをエレクトリック・ピアノのように聴かせようとしていて、Jamesもそれを探してたんだ。僕らは2本のギターから少し離れたかったんだと思う。僕らはどちらもRay Charlesとか、「悲しいうわさ」みたいな曲とか、Steely Dan、Beck、Air、Portishead、「Misty Mountain Hop」とかが好きだし、単純にカッコイイ音がするからね。Jamesがもう少し詳しく説明できると思うよ…彼が買ったんだからね!

James あのウーリッツァーは意図的な選択だったんだ。サード・アルバムをレコーディングする前に、エレクトリック・ピアノやトレモロ・ギター、ミニマルなアレンジに、ペースの遅い曲っていうサウンドの方向性が頭にあった。そこにこだわって、ウーリッツァーがアルバムの中心になったんだ。

──過小評価されているけどチェックしたほうがいいロンドンのバンドと、その理由は?(Ezra)

Jack JC Flowers。

James Comet Gain。彼らはおそらくこの国が過去25年の間に生み出した、最高のバンドのひとつだよ。定期的に素晴らしいアルバムをリリースしてるんだ。彼らはお遊びに参加することを拒否してきたから、カルトでアンダーグラウンドなグループとして記憶されることになった。もしも知らなかったら、彼らのアルバムを聴いてみて。



Part 2: from Ultimate Painting to EZTV


EZTV

彼が本気で怒ったのは、
ツーショット写真を頼んだ時だったね


──1年ぐらい君たちのレコードを聴きそびれていたら、何人かの人たちに聴いたほうがいいって言われたんだ。確かWoodsのJarvisと、Trouble in MindのBillだね。僕は誰かにしつこく言われるまで、聴く耳をもたない傾向があってね…毎日24時間、新しい音楽を浴びせられることの弊害かな? 自分のせいで何かを聴きそびれた経験ってある?

Michael 僕はいつも、それを“ハイプ惑星の恐怖”って呼んでるんだ。爆撃っていうのが最適な言葉で、僕は過剰に耳に入ってくるものは、支配的な批評の風を受けて、煽動されているような気分になるから、慎重に避けるようにしてるんだ。僕はいまだにPavementのアルバムを1枚も聴いてないんだけど、これを読んだらJarvisはカンカンだろうね。それに他人からのオススメの中には、どこか脅迫めいたものがあると思うんだ。誰かにやんわりと、理解しろって言われてるみたいで…。

Ezra 中学の部活の顧問がPavementとSebadohのCD-Rを焼いてくれて、僕はそれを無理矢理気に入ろうとしたけど、基本的には自分自身の意見を持つことが大事だと思うよ。

──「The Light」 って曲がすごく気に入ったんだけど、君たちは曲を表現するのに“キャッチー”って言葉を使われることには抵抗する? 僕は誰かにキャッチーな曲だって言われる度に不安になるんだ。「作り込まれたメロディって意味?」みたいな。それで聞きたいんだけど、どんなお世辞を言われたら嫌かな?

Ezra 僕はキャッチーって呼ばれることには何の抵抗もないな。僕が抵抗したくなるのは、ミュージシャンシップとか、ギターのトーンとかを褒められた時だね。あるショウの後で一人の男がやってきて、「イカした機材だね」って言われたんだけど、もっと他に何かなかったのかと、ガッカリしたのを覚えてるよ。



──この秋冬に、一緒にツアーできるのを楽しみにしてるよ。でもその前に、これだけはハッキリさせておこう。たぶん「街の反対側で大きなショウがあって…」とか「今は大学生たちがいなくて…」みたいな夜があるってことをね。プロモーターの言い訳で面白かったのはある?

Michael 「あまり人が来なくてゴメン、こんな雨の人はみんな家にいたいみたいで」とか、「60マイル離れた場所の(架空の)三流野球チームに客を取られたせいで、ひどい夜になった」とかね。

──君たちがJason Pierceのバック・バンドのオーディションを受けたことがあるって読んだんだけど、どうしてダメだったの? 何かがダメだったんだよね?

Michael ライヴをする機会には恵まれなかったけど、ブッシュウィックにある僕らの練習スペースに彼が来て、一緒に曲を演奏したんだよ。彼はアメリカでライヴの予定があって、たぶん安く済ませようとしたんじゃないのかな? 彼は機材の詰まったバスや、トレイラー無しではツアーできないからね。僕らの練習スペースに着くと、彼は夢のようにタクシーから降りてきて、ギターを持ってこなかったことに気づいたんだ。彼はとても楽しかったし、優しかったよ。リクエストされたものといえば、砂糖たっぷりの紅茶とクリームぐらいだね。僕らのスペースが狭いことについては(しばしば)不満をこぼしてたし、中で煙草が吸えないことも(しばしば)嘆いてたけどね。そして彼は、自分が本当に求めているのは、曲をブッ飛んだ実験的なジャムに変えてくれるヤツらだってことを、僕らに伝えそびれてたんだ。だから、僕らがSpirituralizedの曲を覚えたのも時間のムダだったね。つまり…何も間違ってはなかったけど、何も正しくはなかった。彼が本気で怒ったのは、僕がツーショット写真を頼んだ時だったね。

Ezra 誰かが彼に、僕らのバンドにはキーボーディストがいるって伝えてたみたいで…それが全ての原因だったと思うんだよね。


"A Portrait of Jason"


──Jamesにはツアー中のこだわりがあって、毎朝必ずホールフーズ・マーケットに行くんだけど、ある日僕らのベーシストのWillが突然涙目になって、どこか他の場所に行こうって訴えたんだ。なぜかっていうと、彼は前の日に40ドルも使っちゃってたからね。ツアー中の一番大きな無駄遣いって何?

Michael ホールフーズで40ドルも使うのには勝てそうもないけど、このツアー中にサンドイッチとかジュース、ファンシーなポップコーンを買うことで、君たちに参戦しようかな。EZTVはレッド・ルーフ・ホテルを贔屓にしていて、時にはケーブル・テレビと残り物のビールだけで、贅沢な気分になれるんだ。本来ならお金を節約して、他人の部屋で寝なくちゃいけないような時はね。だけど僕らみんなサードウェーヴ・コーヒーショップには弱くて、僕はアボカド・トーストとアイス・コーヒーだけで20ドルもかかる朝食をしたがることで知られてるんだ。だからWillには、現金を節約するように伝えてほしいね。

──他のバンド・メンバーのどこが一番イラつく? 正直に言わないとダメだよ。残忍なほどにね。

Ezra バンド・メンバーは僕の運転が下手だと言って、ツアー中に絶対運転させてくれないんだ。どうしてこんな不名誉を受けることになったのか理解できないね。こないだも仕事でニューヨークからフロリダまで、5メートルのトラックを運転したばかりだってのに…。そこが不満だけど、なんとかやってるよ。

──いまだにニューヨークでバンドを組みたいと思う人が多いってことが、僕にとって興味深いんだ。君らはワシントン州出身なんだよね? ニューヨークも好きだけど、ワシントン州は美しい。どうしてニューヨークで活動してるんだろう? 僕らもロンドンに住んでるから、似たようなもんだけど…これは僕の心の中の悪魔の声だよ。

Ezra 僕はマサチューセッツ州の西の学生街出身なんだ。成長するには素晴らしい場所だけど、そこで自分の20代を過ごすことは想像できなかったんだ。

Michael 僕とShaneが育ったワシントン州は、実際に地球上でもっとも美しい場所のひとつだね。僕にとっての目標は、高校を出たら、なるべく故郷から離れることだったんだ。VelvetsやRamonesを聴いたり、ビート文学を読んで青春時代を過ごした身としては、ニューヨークを試さないわけにはいかなかった。もっと早くPastelsやPostcard、Creationレーベルを知っていたら、地元に落ちついていただろうけどね。それに、地下鉄に乗るのはいまだに興奮するよ。都会の真ん中で旅をしてるみたいな、変な気分になるんだ。僕らの誰も、バンドを始めようと思ってニューヨークに来たわけじゃないけどね。それって馬鹿げてるし。UKバンドのふりをしてマーケットに進出するために、マネージャーに言われて数ヶ月だけロンドンに住むみたいでさ。

Posted by Monchicon
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