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[INTERVIEW] U.S. Girls


トロントの女性ミュージシャンMeghan Remyによるソロ・プロジェクト、U.S. Girls。その名前は単に“合衆国の女たち”ということらしいが、自分がてっきり“女たちの合衆国(United States of Girls)”を意味するものだと思ってしまったのも無理はない。

4AD移籍第1弾となるアルバム『Half Free』に収められているのは、(彼女が「Telephone Play No.1」で語るところの)“自惚れのない女性たち”にまつわる9篇の物語だからだ。

来週3月18日(金)に渋谷O-Nestで一夜限りの来日公演を行う彼女に、メールで話を聞いてみた。
女でよかったと思うのは、
誰も妊娠させることがないから



──U.S. Girlsという名前は“United States of Girls”という意味でいいのでしょうか? なぜこの名前を選んだのですか?

そう、“United States Girls”、あるいは“Girls of the United States”。もともとは冗談から始まって、そのまま使うことになった。良くも悪くもある種の西欧主導の女性モノカルチャーが存在すると思うんだけど、結局はそれを表しているんだと思う。

──あなたはシカゴ生まれだそうですが、どんな風に音楽を始めたのですか?

生まれはシカゴ郊外。マイクとアンプを持って母親のガレージに閉じこもり、Operation IvyやBikini KillやRamonesのCDに合わせて歌ったのが音楽を始めたきっかけだった。

──ファースト・アルバムの『Introducing...』はポートランドで録音されていましたよね? その後フィラデルフィアにいた時期もあったそうですが、それぞれどのぐらいの期間住んでいたのですか? 住んでいた土地の音楽に影響されたりしましたか?

ポートランドには4年、フィラデルフィアには2年ちょっと住んでいたけど、どちらの場所にもすごく影響は受けた。ポートランドは自由な生き方を教えてくれたし、フィラデルフィアはがむしゃらになってやることを教えてくれた。ポートランドではInca Ore*、フィラデルフィアではSiltbreezeの影響が特に大きかった。

*Eva Saelensのソロ・プロジェクト

──初期のアルバムは今よりもローファイでノイジーでしたが、当時からBruce SpringsteenやB.J. Thomasの曲をカバーしたりしていましたよね? ということは、劣悪なサウンドは必要に迫られたもので、あなたとしてはあくまでもポップ・ソングを作りたかったのでしょうか? それとも、Slim TwigことMax Turnbullと結婚してトロントに引っ越してから、音楽的な嗜好も変化したのでしょうか?

ローファイだったのはひとえに機材と技術的な制約のせい。自分が何をやっているのかもよくわかっていなかったし、いいサウンドで録音するためのツールもなかった。私はいつでもヴォーカルの比重が高くてキャッチーな曲を作ろうと励んでいたし、それをポップと言っていいのかもしれないけど。私の音楽に関する知識や嗜好は夫のMaxと出会ったことによって間違いなく広がった。彼の録音やプロデュースの技術が、私の音楽をそれまでより一段上の複合的なレベルに引き上げてくれた。


1stアルバム『Introducing...』に収録されたBruce Springsteenのカバー


──アルバムの1曲目「Sororal Feelings」は自分の姉妹3人と関係を持った男性と知らずに結婚してしまう女性の話ですが、この曲とマイケル・オンダーチェの小説『Coming Through Slaughter(バディ・ボールデンを覚えているか)』はどのように関係しているのですか? 『Half Free』というタイトルもこの曲の歌詞から来ているのでしょうか?

その曲は漠然とだけど小説の登場人物であるノラ・ベースに基づいている。タイトルの『Half Free』はこの曲から来てるわけではないけど、「Sororal Feelings」で扱われているテーマには直接的に当てはまるものね。



──戦争で夫を失った未亡人の心情を歌ったという「Damn That Valley」という曲や、ワシントンタワーやホワイトハウスに向かって抗議するビデオには、どんなメッセージが込められているのでしょう? ゲリラ撮影で苦労したことはありましたか?

怒りと当惑のメッセージ。あの巨大な白いモニュメントの背後に隠れているクソ野郎どもへの怒り。戦争の全くの無意味さをどうやったら表現できるだろうか? ビデオは控えめなやり方で撮影した。撮影中に一度だけ何をやっているか聞かれて、「アート・プロジェクトの制作中」だと答えたんだけど、無害だと思われたみたい。



──「Telephone Play No.1」であなたと話しているLulu Hazel Turnbullは、Slim Twigのお姉さんで、『Gem』のアルバム・カバーに写っていた人でしょうか? 「お父さんが子供の頃のあなたの裸の写真を送ってきた」というのは実話ですか?

そう、Luluは曲中のスキットに出てくる相手で、『Gem』のカバーに写っている女性、それに「Damn That Valley」のミュージックビデオに出てくる怒れる女性の役もやってる。Luluは、映像作家でもあり、コラージュ・アーティストでもあり、何でもこなせる万能な女性。トロント随一ね。父の話はそのままではないけど事実に基づいている。


U.S. Girls - Gem (Fatcat)


──ここで話しているように、「自分が男じゃなくてよかった」と思うのはどんな時ですか? あなたにとって理想の女性像があれば教えてください。

自分が誰も妊娠させることができないと認識するとき、女でよかったと思う。もちろん自分を妊娠させることはできるけど、他の人を妊娠させることはできない。それは重い責任だと思える。女性であれ何であれ、理想像はない。

──「Window Shades」はGloria Ann Taylorの「Love Is An Hurtin' Thing」の12インチ・ヴァージョンをバックにあなたがカラオケしているような曲ですが、『Half Free』のカバー・アートも、「Love Is An Hurtin' Thing」の12インチのカバー・アートへのオマージュなのでしょうか?

「Window Shades」の音楽は「Love Is A Hurtin’ Thing」からのサンプルベースのビート。もともとMaxが自分のために作ったんだけど、結局何にも使わなかったので、私が試してみたら完璧にハマった。『Half Free』のアートワークは、あのリイシューが出るずっと前に作られたんだけど、Gloria Ann Taylorは大好きだし、彼女へのオマージュだと間違えられても全然構わない。



──この曲はケイティ・ペリーのドキュメンタリー映画『Part of Me』を観た後に書かれたそうですが、あの映画の感想を聞かせてください。

ケイティ・ペリーは製品としての生き方をよく心得ていると思う。

──「Sed Knife」は古いレパートリーですが、ここではバンド演奏によるグラム・ロック・ナンバーに生まれ変わっています。なぜこの曲を再録しようと思ったのでしょう?

U.S. Girlsがフル・バンドでやるときにこの曲をセットリストに入れたんだけど、新しいバンド・バージョンがすごく気に入って、特にサックスはアルバムにも変化球として入れておきたかった。曲の出来が良ければ、いろんなアレンジに対応が可能というか。

──「Red Comes In Many Shades」はFucked UpのBen Cookとの共作ですが、彼との作業はいかがでしたか?

Benは最良のやり方をよくわかっている。この曲では私が作ったサンプルを彼が作り直して、よりモダンなサウンドにしてくれた。彼と一緒に作業するのはいつでも楽しい。

──そのBen Cookをはじめ、本作と昨年リリースされたSlim Twigのアルバムは参加メンバーが被っていますが、この2枚はどのようにリンクしていますか?

繋げてくれたのはMax。彼がいなければ、BenやLouis Percival(Onakabazien)やこのアルバムに参加したほとんどすべての人たちを知る由もなかった。トロントに引っ越してから、U.S. Girlsは、私が主任キュレーターの立場ではあるけど、コラボレーションによって成り立つユニットになった。このやり方で、LP3枚分、それにいろんなシングルやEPにもなる音楽が生まれた。マックスのアルバムと私のアルバムにはいつも共通のミュージシャンが多く参加していて、私がMaxの曲の歌詞を書いてコーラスで参加したり、彼が私のアルバムでビートを作ったりトラックをプロデュースしたり、私が自分でプロデュースする時には手伝ってくれたりもする。この状況はとてもユニークだし、実りが多い。



──あなたから見て現在のトロントの音楽シーンはどのように映りますか? オススメのアーティストなどいたら教えてください。

他の大都市とあまり変わらなくて、物価は高いし、場所と連動した文化があるわけでもない。だけど、どんな都市や街にも素晴らしいものはある。私が大好きなトロントのアーティストは、Fiver、Darlene Shrugg、Jennifer Castle、それに TENDERNESS。

──日本の女の子たちにアドヴァイスをお願いします!

東京か、その近くに住んでいたらU.S. Girlsを観に来て!

nest20周年記念公演
『U.S. GIRLS Live in Tokyo』
U.S.Girls/ Dustin Wong
OPEN 18:30 START 19:00
前売¥4000 (D別) 当日¥4500(D別)

お問い合わせ:TSUTAYA O-NEST(03-3462-4420)
Posted by Monchicon
INTERVIEW / 10:39 / comments(0) / trackbacks(0)
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