突然ですが、みなさん“Sonny Smith”という名前、どうやって読んでますか?「え、“ソニー・スミス”でしょ?」と言われれば確かにそうなんですが、でもでも、“Sonny Boy Williamson(サニー・ボーイ・ウィリアムソン)”とか、“Sonny Landreth(サニー・ランドレス)”とか、“Sonny Chiba(サニー千葉)”とかいるわけじゃないですか。だから“Sonny Smith”の発音だって“サニー・スミス”のほうが近いのかもしれないし、そう考えると“Sonny & The Sunsets”というバンド名も、意外と“サニー(Sunny)”と“Sunset”をかけたダジャレなのかもしれませんよ。いや、そうに違いない!

さて、いよいよ来週12日からスタートするSonny Smithのジャパン・ツアー。吉本栄さんによる本人へのインタビューから、先日Sweet Dreams Pressさんで公開された前編に続いて、Monchicon!では後編を掲載したいと思います。まずは彼の代名詞とも言える「100レコーズ・プロジェクト」について。それではどうぞ!
フィクションのバンドのいくつかは実在し始めてる
このプロジェクトは永遠に終わらないかもね!


――それでは『100枚のレコード(100 Records)』について教えてください。そもそもどこからこのプロジェクトのアイデアが?

最初は自分が知ってる人、ミュージシャンたちについての小説を書いてたんだけど、それをフィクション化したんだ。たとえばVirgil Shawっていう実際の友達がいて、素晴らしいシンガーなんだけどね。彼をHazel Shepにしたんだ。Neko CaseはKoko Foxに。Jolie HollandはLydia Deshultzに。Kelley StoltzはHollis Moutzに。そういう具合にフィクションにしたあと、フィクションの曲をつくった。それから、その曲のためにフィクションのレコード・ジャケットをつくり始めたんだ。その後、周りのアーティストの知り合いにも、このフィクションのミュージシャンがつくった架空のレコード・ジャケットをつくってもらって、そうやってどんどん膨らんでいったんだ。今じゃもう手がつけられないぐらい。ほとんどノイローゼだね……。

Virgil Shaw:サンフランシスコのオルタナ・カントリー・バンド、Dieselhedの解散後にソロとして活動を始めたシンガー・ソングライター。 現在はポートランド在住。
Neko Case:カナダのスーパー・バンド、The New Pornographersのメンバーでもあるオルタナ・カントリーの歌姫。
Jolie Holland:Tom Waitsのお気に入りとしても知られる、Anti-所属の女性シンガー・ソングライター。
Kelley Stoltz:Sub Popからもリリースしているサンフランシスコのガレージ・ロッカー。最新作はJack White主宰のThird Man Recordsから。

Sonny Smith feat. Neko Case - Troublesome Affair


――今名前が挙がった人たちが参加した2005年の『One Act Plays』もそうですが、『100枚のレコード』も、ライター、劇作家、映画の脚本家、ミュージシャンとしてのあなたがいて、そこから他のアーティストやミュージシャンたちとコラボレートして、どんどんオーガニックに膨らんでいったんですよね。グラフィック・アーティストとのコラボレーションで特に刺激を受けた部分はなんでしょう?

ときどきアートを鑑賞することもあって、Ed Ruschaの作品なこともあれば、Alice Shaw、Paul Wackers、Souther Salazarの作品になることもある。すごくインスパイアされて、みんな天才だよね。

Ed Ruscha:『26のガソリンスタンド』や『サンセット大通りのすべての建物』などのコンセプチュアルな作品で知られる現代美術家。
Alice Shaw:サンフランシスコを拠点に活動する女性写真家。


Paul Wackers - New Wonder


Souther Salazar - The Long Way Home


――『100枚のレコード』にも参加しているMingering Mikeとはどんな経緯で出会ったんですか?

彼と会ったことはないんだ。彼の友達のDori Hadarと話しただけでね。その人がMingering Mikeの作品の管理人なんだ。


『ミンガリング・マイクの妄想レコードの世界 アウトサイダーソウルアート』

Mingering Mike:60年代のワシントンD.C.で、ボール紙に架空のレコード・ジャケットを描き続けた伝説の黒人アーティスト。

――ちなみに『100枚のレコード』で最初にあなたがつくり上げたキャラクターは? 贔屓のキャラクターはありますか?

誰が最初だったか、もうわからないな。たぶんソニー・スミスじゃないかな!(笑)お気に入りはたくさんいるよ。みんな僕の子どもたちだからね。Earth Girl Helen Brown、Hank Champion、Hazel Shep、Jackie Feathers、The Wayword Youth、Loud Fast Fools、The Fuckaroos、Zig Speckなどなど。



Hazel Shep - Last Drop (artwork: Reed Anderson)


Jackie Feathers - Take A Hard Look (artwork: Kyle Ranson)


The Wayword Youth - Half Boy Half Girl (artwork: Ed Ruscha)


Zig Speck & The Specktones - Operation Reconstruct (artwork: Ky Anderson)


――たとえば「舞台版100枚のレコード」のようなレビューが実現されたらすごく面白いと思うのですが、そんな計画は? というのも『100枚のレコード』のプロジェクトやSonny & The Sunsetsも含めて、あなたのヴィジョンを軸にしてサンフランシスコ周辺の面白いミュージシャンやアーティストたちが繋がり、ある種のケミストリーが生まれているように思えるからなのですが。

ここにはフレンドシップがあるからね。たとえば、昨日、僕はTim Cohenと一緒に車に乗ってた。彼はサンフランシスコ最高のシンガーソングライターだ。いつか一緒にコラボレーションできたらって思ってる。で、「舞台版100枚のレコード」だって? ライブみたいな? Earth Girlは既にアルバムを出してるし、The Fuckaroosもライブをやってる。フィクションのバンドのいくつかは実在し始めてるんだ……。このプロジェクトは永遠に終わらないかもね……!

Tim Cohen: サンフランシスコのガレージ・ロック・バンド、The Fresh & Onlysのフロントマン。Sonny & The Sunsetsのファースト・アルバムにも参加しているほか、自身のバンドMagic Trickでも活動している。


2011年に本当にリリースされたEarth Girl Helen Brownのアルバム


――そして、別のプロジェクト『Record Plant』や『Protest Factory』とは、いったいどんなプロジェクトなのか教えてください。

そのふたつはまだ形になってなくてね。いつか完成するといいんだけど。ギャラリーが必要で……。『Protest Factory』は、ある場所に人が集まってプラカードをつくるというものなんだ。で、僕はプロテスト・ソングをつくるのさ。プロテスト・ソングがつくりたくてね。最近はうまくできたプロテスト・ソングがないから。少なくともアメリカはそうで、ほかの国のことは知らないけど、最近「Imagine」を録音したんだけど、あんな曲は誰もつくれないだろうね。The Clashの『Sandinista!』とかね。ヒップホップにもたくさんあるけど、ここのところプロテスト・ソングを巡る状況はとても悪いよね。それ風の曲を聞くことがあっても、大抵はクズだしさ。


昨年のレコードストアデイにリリースされたシングル。そういえばジョン・レノンがこの曲をレコーディングしたスタジオの名前が“Record Plant“でした。

――最後の質問になりますが、あなたの夢見る力の奥底にある願いや想いとは?



最高のレコードをつくること。非の打ちどころのないようなレコードをね。The Kinksの「Young and Innocent Days」みたいな曲、もしくはFacesの『Ooh La La』、Nick Drakeの『Pink Moon』みたいなアルバムやSmokey Robinson & The Miraclesの「Tracks of My Tears」のような曲をつくること。こういった曲はこれ以上よくしようがないよね。僕もそういう、これ以上よくしようがないような何かがつくりたいんだ。





――そういえば来日が決まりましたね!

実は子どものときに日本に行ったことがあるんだ。大阪と京都、あといくつかの町に行った。12歳のとき、長崎から広島まで行く反原水爆自転車ラリーに参加したんだ。大阪でホームステイして、そこにはお父さんとお母さん、ふたりの子供がいた。お父さんはCreedence Clearwater Revivalのファンだった。彼のことで覚えているのは今ではそれぐらいだけど、また会えたらいいな。京都にもまた行ってみたい。そのときに泊まった僧院にまた行きたくってね。

SONNY SMITH JAPAN TOUR 2014

12月12日 (金) @ 東京・立川 ギャラリー・セプチマ
Sonny Smith Acoustic Show presented by 珍屋
OPEN 19:00 / START 19:30
TICKET: 2,000yen
LIVE: Sonny Smith / 柴田聡子
予約:ギャラリー・セプチマ(galleryseptima@gmail.com)、スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com)、Monchicon!(monchicon@gmail.com)、珍屋立川2号店(mezurashiya_t2@trad.ocn.ne.jp)、ムーアワークス(http://moorworks.com/sonny-smith-ticket/

12月13日 (土) @ 京都UrBANGUILD
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV 2,500yen / DOOR 2,800yen (+1drink order)
LIVE: Sonny Smith / Turntable Films

12月14日 (日) @ 広島ヲルガン座
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV 2,000yen / DOOR 2,500yen (+1drink order)
LIVE: Sonny Smith / まやかしプラスチック
予約:フリップミュージック (oki420@gmail.com)、ヲルガン座 (082-295-1553)(organzainfo@gmail.com)

12月15日 (月) @ 大阪epok
coming soon..

12月16日 (火) @ 浜松KIRCHHERR (キルヒヘア)
sone records presents NEW POP #16
OPEN 19:00 / START 19:30
TICKET 2,000yen (+1drink order)
LIVE: Sonny Smith / グレープフルーツフルフラット / yamanohiroyuki
DJ: tsun (musica)

12月17日 (水) @ 東京・渋谷 7th FLOOR(03-3462-4466)
“CON-TEXT” Release Party presented by Monchicon!
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV 3,000yen / DOOR 3,500yen (+1drink order)
LIVE:SONNY SMITH / 夏目知幸(シャムキャッツ) / Nohtenkigengo(ソロ)
DJ:松永良平
予約:会場、ローソンチケット(Lコード:72849)、e+、スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com)、Monchicon!(monchicon@gmail.com)、ムーアワークス(http://moorworks.com/sonny-smith-ticket/

12月18日 (木) @ 松本give me little more
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV 2,300yen / DOOR 2,500 yen (+1drink order)
LIVE:Sonny Smith / チョコレートタウンオーケストラ / ベアーズマーキン
DJ: maita (chez momo)

12月19日 (金)@ 下北沢mona records

12月20日 (日)@ 宇都宮