Shabazz PalacesやTHEESatisfactionらに続いてSub Popが放つヒップホップ・アーティストclipping.。この何やら不敵な面持ちのLAの3人組がアルバムCLPPNGを6/10にリリースします(日本盤は先行で6/4)。



clipping.はラッパーのDaveed DiggsにプロデューサーのJonathan SnipesWilliam Hutsonという3人編成。元々はSnipesとHutsonがギャングスタ・ラップのアカペラに独自のビートを足していくリミックス・プロジェクトとしてスタートしたそうですが、2010年にHutsonと小学校時代からの幼馴染だったDiggsが参加して本ユニットへと発展。2013年にデビュー・アルバム『Midcity』をネット上に公開したところ大きな支持を得て、そこから半年も経たないうちにSub Popと契約。今回の新作の発表へと至ります。ちなみにDiggsは舞台役者としての経験があり、Snipesは映画音楽を手がけ、Hutsonはノイズ・ミュージシャンとしても活動。SnipesとHutsonはキューブリック監督の伝説のホラー映画『The Shining』を徹底検証したドキュメンタリー『Room237』のサントラのスコアを担当しているそうです。あと、ノイズまみれのライヴ・パフォーマンス↓もかなりカッコいい模様。

clipping. - Full Performance (Live on KEXP)



デビュー作『Midcity』に続くセカンドとなる本作『CLPPNG』ですが、音楽性は思わず「Noise Rap」とか「Odd Future Wolf Eyes Kill Them All」なんて形容したくなるノイジーなトラックと不穏なビートの上を躁病的高速フロウが交錯する異端なサウンドを展開。本人たち曰くBomb SquadDr.Dreといったかつてのヒップホップのパイオニアたちがミュージック・コンクレートの手法やインダストリアルなサウンドスケープをメインストリームの音楽にひっそりと取り入れたのと同じ道をリスペクトしつつ辿っている」とのこと。さらにMatmosのDrew Danielが2000年頃に記した『ヒップホップとミュージック・コンクレートは同じものだ』という論旨の文章に影響を受けた」なんて発言も。

例えばDeath Gripsが力技で圧倒する「剛」の者だとすれば、こちらは心理戦を得意とする「知」で勝負するタイプといったところでしょうか? アルバムにはGangsta Boo (Da Mafia 6ix), Guce (Bullys Wit Fullys), King T (Likwit Crew)といったゲストをフィーチャリング(日本盤のボートラにはLightning BoltのBrian Chippendale参加曲も)。さらにファースト・シングルとなった「Work Work」にはLAの女性ラッパーCocc Pistol Creeが参加。一部の人々にとってはとても羨ましい状況になっているMVが公開されています。

clipping. - Work Work (feat. Cocc Pistol Cree) [OFFICIAL VIDEO]





clipping. - CLPPNG (Sub Pop / Traffic)

1. Intro
2. Body & Blood
3. Work Work (Feat. Cocc Pistol Cree)
4. Summertime (Feat. King T)
5. Taking Off
6. Tonight (Feat. Gangsta Boo)
7. Dream
8. Get Up (Feat. Mariel Jacoda)
9. Or Die (Feat. Guce)
10. Inside Out
11. Story 2
12. Dominoes
13. Ends
14. Williams Mix (Feat. Tom Erbe)
15. タイトルなし(無音約2分)
16. Brian (Feat. Brian Chippendale) *
17. God Given Tongue (Feat. Bryan Lewis Saunders) *
*ボーナストラック(Bryan Lewis Saundersはこういう人らしいです)

The Music of Room 237