(L-R) Casper Clausen, Rasmus Stolberg, Mads Christian Brauer

今週末に開催されるイベント、Hostess Club Weekenderで待望の初来日を果たすデンマークの音響ロック・バンド、Efterklang

彼らは昨年、北極圏に位置するノルウェーのスピッツベルゲン島にあるピラミダというゴーストタウンを訪れ、9日間に及ぶフィールド・レコーディングを敢行。そこで収集したサウンドをもとに、ベルリンでレコーディングされたという新作『Piramida』について、中心メンバーのRasmus Stolbergが答えてくれました。
――今回のアルバムのレコーディングに先立って、北極圏にあるスピッツベルゲン島を探検して様々な音を収集してきたそうですが、一昨年Vincent Moonと一緒に映画『An Island』を撮影したことが、隔離された場所を訪れるというアイデアの発端になったのでしょうか?

『An Island』を作ったことは、アルバムを作る上で大きな影響を与えてくれたね。音を収集しに行くというアイデアも、『An Island』から来ているんだ。隔離された場所を訪れるという点については『An Island』とは関係がなくて、確かにあの映画は僕らが育った場所(デンマークのアルス島)を隔離された場所として映し出してはいるけれど、僕たちにとっては自分たちが育った場所だったからね。そこには僕らの家族が住んでいて、僕らの人生が詰まっているんだ。スピッツベルゲン島、特にピラミダという街に関しては、ほとんど生活感がない。完全に正反対だと言えるね。

AN ISLAND - 3rd TEASER - Vincent Moon & Efterklang


――あなたたちと同じように、Veckatimestという島の名前をアルバム・タイトルにしたGrizzly Bearというバンドがいますが、彼らはEfterklangの自主レーベルであるRumraketからアルバムをリリースしていますし、メンバーのChris Taylorは、あなたたちのアルバム『Parades』でフルートを吹いたりしていますよね。知り合ったきっかけは?

何年か前、彼らが僕らに、曲をリミックスしてくれないかと頼んできたんだ。彼らの音楽を聴いて、すごく気に入ってね。それが2004年か2005年のことで、ちょうど彼らがファースト・アルバムの『Horn Of Plenty』をアメリカでリリースした頃だった。それで僕らは、彼らのアルバムをヨーロッパでリリースできないかって頼んだんだ。その後すぐに、僕らは彼らを招いてヨーロッパ・ツアーのサポートをしてもらって、友達になったってわけさ。すごく良い奴らだし、新作の『Shields』の中でも特に「Gun-Shy」って曲が好きで、何回聴いても飽きないね。僕らは自分のレーベルから日本のアーティストのアルバムもリリースしてるんだ。Cacoy(テニスコーツとDJ Klockのユニット)とKama Aima(Little Creaturesの青柳拓次のソロ・プロジェクト)なんだけど、僕らはテニスコーツの2人とすごく仲が良いんだ。彼らの音楽が大好きだよ。

Grizzly Bear - Campfire (Efterklang remix)


――前作『Magic Chairs』のリリース・タイミングで、Rune Molgaardがバンドを脱退したのは何故ですか? 彼がいまだに楽曲を提供していることを思うと、ちょっと不思議な気もするのですが。

彼は今でも僕らの親友だし、君の言う通り、まだ一緒に曲を書いているよ。作曲とレコーディングは、ツアーをすることとは全く違うんだ。どちらもやりたい人もいるし、ツアーををすることを好まない人もいるからね。

――前作には「I Was Playing Drums」という曲が収録されていましたが、オリジナル・ドラマーのThomas Husmerも、最近バンドを脱退しましたね。一体何が原因だったのでしょう?

ある意味ではRuneと同じ理由だね。彼はもう充分世界中を旅したと感じて、もっと奥さんと一緒にいたいと思ったんだ。

――ドラマーの不在は、今回のアルバム制作に何らかの影響を与えましたか?

Casperはドラマーでもあるし、彼が多くのドラム・パートを書いてきたから、変化は意外と簡単だったし、問題なかったね。

――アルバムではTindersticksのEarl Harvinがドラムを叩いていますが、彼や現在のツアー・ドラマーでもある元Siouxsie and the BansheesのBudgieと出会ったきっかけは?

Earl Harvinは、僕らがレコーディングをしたベルリンのスタジオから、ほんの2分ぐらいのところに住んでいてね。素晴らしいドラマーで、僕らは彼がMy Brightest Diamondとプレイしているのを見て恋してしまったんだ。その後で彼に僕らと一緒にツアーに出ないか誘ったんだけど、Tindersticksで忙しくて無理だと言われてしまって、その代わりに同じベルリンに住んでいたBudgieを推薦してくれたんだ。彼は本当に凄くて、愛すべき男だよ。

――アルバム収録曲「Hollow Mountain」のビデオはなんとなくスウェーデン版の映画『ドラゴン・タトゥーの女』を思わせますが、少しずつメンバーが減っていくところも、連続殺人事件を描いた映画のような、ミステリアスな雰囲気をバンドに与えている気がします。アルバムのサウンドや参加ミュージシャンの規模が拡大していくにつれて、コア・メンバーが減っていくのはなぜなのでしょう?

何年か前に、僕とMadsとCasperはバンドを組むためにコペンハーゲンへやってきて、そこでRuneやThomasのような、素晴らしい人たちと出会った。最近はまた3人に戻ったというだけで、大きな変化という感じはしないんだ。コアな部分は、バンドを始めた数年前と変わっていないからね。

Efterklang - Hollow Mountain


――「Dreams Today」はドイツ人ピアニストのNils Frahmとの共作だそうですが、この曲の背景と、曲中で聴こえる足音について教えてください。

これはEfterklangが書いた曲で、Nils Frahmとはいくつかのパートを一緒に作ったんだ。すべてのリズム・トラックはピラミダというゴースト・タウンで録音されたもので、その足音は基本的に、Casperが建物同士を繋ぐ、長い木製の歩道を走っているものなんだ。Madsが芝生の切れ端を踏み鳴らして、キック・ドラムの代わりにしているんだよ。他にもたくさんのサンプルが使われているから、話せば長くなってしまうけどね。


木の歩道の上をオカマ走りするCasperさん

――そのNils Frahmとのデュオで知られるマルチ楽器奏者のPeter Broderickも、前作に引き続き参加していますね。彼は日本にも一緒にやってくるそうですが、今回の共同作業はいかがでしたか?

いつだって素晴らしいよ。Peter Broderickとはもう5年以上一緒に作業しているかな。彼は僕らと一番親しいコラボレーターで、親友のひとりなんだ。

Efterklang - Modern Drift (An Island Outtake)

Efterklang guested by Nils Frahm, Heather Broderick, Peter Broderick, Frederik Teige & Niklas Antonson (of Slaraffenland). Together they are performing 'Modern Drift' (opening track from Magic Chairs, 2010 4AD) on three pianos and one drum

――アートワークを担当しているHvass & Hannibalは今回のツアーの映像も担当しているそうですが、Efterklangにとって、彼らとのコラボレーションはどの程度の比重を占めているのでしょう?

僕らの作品を、自分たちが素晴らしいと思うアートワークの世界観で包むということは、すごく重要なんだ。僕らがアルバムの作曲やレコーディングに時間をかけた分だけ、Hvass & Hannibalも長い時間をかけて素晴らしいアートワークやパッケージをデザインしてくれるっていうのは、すごく良いことだよね。


Efterklang - Piramida (4AD / Hostess)