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Mikal Cronin - Mikal Cronin
評価:
Trouble In Mind Records
(2011-09-11)

サイケデリック・ネーム

長年に渡る“ボン・イヴェール問題”に一応の決着を見た我々の前に、またしても新たな刺客が現れた。

彼の名はMikal Cronin(読めない)。一昨年、Ty Segall(読めない)との共同名義のアルバム『Reverse Shark Attack』もリリースしている、カリフォルニア在住の23歳だ。

なんだか“苦労人”みたいでイヤだが、ここでは仮に“ミカル・クローニン”としておこう。
本作はCharlie and the Moonheartsというガレージ・ロック・バンドのベース&ヴォーカルだった彼が、バンド解散後にリリースしたファースト・ソロ・アルバムで、まずはその抜群にカッコいいジャケット写真に目が止まる。なんだか自分のアーティスト写真にエフェクトを加えることを生きがいにしている(?)最近のPanda Bearみたいだと思ってしまったが、実際にアルバムを聴いてみると、その印象もあながち間違っていなかったことに気づく。

1曲目の「Is It Alright」冒頭における、Beach Boysのようなハーモニー。声質もなんとなくPanda Bearに似ている…と思ったのも束の間、突然同郷のSic Alpsのようにヘヴィなギター・リフが鳴り響き、今度は軽やかなフォーク・ロックが幕を開ける。終盤でThee Oh SeesのJohn Dwyer(読めない)がフルートを吹きまくるサイケデリック・ジャムに雪崩れ込む頃には一体何を聴いていたのかわからなくなるが、ここまでわずか3分半。短い時間の中で怒濤の展開を見せるこの曲を聴いて、Loveが67年に発表した『Forever Changes』というアルバムを思い出してしまったのだが、実はMikalとLoveには、こんな面白いエピソードがある。

幼なじみだったTy SegallとMikalは、15歳の時にLoveというバンドを結成し、『This』というタイトルのデモ・アルバムを録音すると、自信満々で地元のレコード屋に持っていくのだが、店員からこんなことを言われてしまう。

「お前ら、Loveってバンドがいるの知らねえのかよw」

もちろんそんなことは知るはずもなかった彼らだが、それに対するTyの答えがまた傑作だ。

「知ってるし! それにオレらは“Love This”って名前だし!」

そんなTyは本作でも「Apathy」をはじめ4曲でドラムを叩いているが、ドカドカとうるさいそのプレイ・スタイルも、Animal CollectiveのライヴにおけるPanda Bearを思わせたりする。

The Whoのようなメロディがたまらない「Again and Again」や、Everly Brothersスタイルのフォーク・バラード「Hold On Me」など、楽曲のバラエティも多彩。ラストの「The Way Things Go」は、Nilssonがガレージで演奏しているかのようなピアノ・ロッカバラードで、ここでもTy Segallがドラムを叩いている。

00年代のロックを代表する名コンビといえば、「Who Could Win A Rabbit」でウサギとカメを演じていたAvey TareとPanda Bearに間違いないが、10年代は案外このTy SegallとMikal Croninなのかもしれないと、2人が“コバンザメ“に扮した「I Wear Black」のビデオを見ながら思うのであった。

Mikal Cronin - Apathy




Animal Collective - Who Could Win A Rabbit
Posted by 清水祐也
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