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[INTERVIEW] Bibio


以前にもお伝えしましたが、Stephen Wilkinsonのソロ・ユニットBibioの通算5作目となるアルバム『Mind Bokeh』がWarp Records/Beat Recordsより3/16にリリースされます。

アコギやフィールドレコーディングなど自然派志向のサウンドをヒップホップのビート・プロダクションに絡めた独自の音楽性はそのままに、前作で強まった「うた」志向がさらに進化し、今作ではほとんどの曲で自身の歌声を披露しております。中にはハードロック風のギターやビリンバウ等様々なパーカッション、ヴォコーダー(?)を用いた曲など、ヴァラエティに富みつつ、一方では脳の奥を刺激する様な思慮深いサウンドに磨きがかかった、Toro Y Moiの新作にも通じる世界観(といってもデビューはこちらの方が先ですが)を持つ傑作に仕上がりました。

というわけで、スティーヴさんに新作について話を聞いてみました。自身の意外なルーツや、大の猫好きということも判明!

Bibio - Mind Bokeh (Album Sampler)



「何事にも挑戦するのが好きなんだ」


――ワープからの2枚目となるオリジナル・アルバム『Mind Bokeh』がリリースされます。今作ではほぼ全曲で歌っているのに驚かされました。この「歌」へのアプローチはどのように生まれたのでしょう?

BIBIO 2009年の前作『Ambivalence Avenue』でも結構ヴォーカルを使っていたから、そんなに新しい事でもないよ。音楽と言葉を同じように愛する流れから生まれた事なんだ。確かにこの数年でもっと自信がついてきたから、前より自然に歌えるようになってきていると思う。一番難しい事は歌詞を書く事だね。

――2009年後半にリリースされた編集盤「The Apple and The Tooth」に収録されていた新曲で「歌」へのアプローチがより強まったようにも感じたのですが、あのアルバムはあなたにとってどのような意味を持っていたのでしょう?

B 「The Apple and The Tooth」は、リンゴが木から実り、歯が歯茎から生えてくるのと同じように、僕たちが地球から生まれるという事の気づきを言葉で表現したものなんだ。寝付けない夜にふとその考えが頭に浮かんだ。Alan Watts(*1950〜60年代に禅文化を西洋に初めて紹介した思想家)も全く同じ事について語っているらしい。もっとも、彼の方が僕よりずっと前に思いついていたわけだけどね。宇宙の中の様々なつながりがテーマなんだ。僕が禅思想に興味を持ったのも、アラン・ワッツがきっかけだった。

――ちなみに今作の歌詞には何かテーマのようなものはありますか? 例えば一曲目の「Excuses」ではどのようなことが歌われているのでしょう?

B 「Excuses」はほとんど頭の焦点が合ってないままの状態で、自動運転で書き出したような曲だ。何も考えずに何かを書き出したかったんだよ。そこから次第に『Mind Bokeh』のアイデアにつながっていった感じだね。

Bibio - Excuses



――今回のアルバムは、ヴォーカル曲が増えたと同時にサウンドのヴァリエイションが以前よりも増したと思います。レコーディングやサウンドメイクのプロセスに何か変化があったのでしょうか? それとも、これはあなたのミュージシャンとしてのチャレンジングな姿勢が反映された結果なのでしょうか?

B もともと好きな音楽のジャンルが幅広いし、何事にも挑戦するのが好きなんだ。新しいことやテクニックとかを発見するのが楽しいんだよ。これは自分にとって、とてもパーソナルな方法なんだ。ひょんな事から新発見につながる時も嬉しいね。“セレンディピティ”(*別のものを探しているときに、偶然に素晴らしい幸運に巡り合ったり、素晴らしいものを発見したりすることのできる才能)もひとつのインスピレーションだから。


「殺風景な工業地帯から
鮮やかで美しい芸術作品が生まれる事もある」



――「Thin Lizzyに捧げた曲がある」と資料にありましたが、6曲目の「Take Off Your Shirts」でのハードロックなギターサウンドには本当に驚かされました。この曲はどのようにして生まれたのでしょう?

B Thin Lizzyへのトリビュートではないけれど、彼らから多少の影響は受けているよ。ギターを手に取ってコードをいくつか出したんだ。アンプのオーバードライブを最大にして、そこからは成り行きにまかせた。ロック調のギターの音については、子供の頃ヘビメタのファンだったという事で説明がつくかな。もう自分の体の一部なんだ。この曲には他にも、90年代にフランスのハウス・シーンで活躍したAlan Braxe, Daft Punk, Fred Falke, DJ Falconの影響もあるよ。

THIN LIZZY - JAILBREAK


Daft Punk - Robot Rock



――8曲目「K is for Kelson」でのリズムのアプローチもこれまでにはなかったものだと思うのですが、この曲はどこからインスピレーションを受けたものでしょう? ブラジルの弦楽器、ビリンバウのようなサウンドも聞こえますね。

B パーカッションが好きで、ブラジル音楽も大好きなんだ。「セサミ・ストリート」みたいな昔の子供番組の影響もある。イギリスのTVだけでなく70〜80年代のアメリカのTV番組も見て育ってきたから、それらすべては自分の子供時代の一部なんだ。遊び心があって、夏っぽい音を出したかった。スタジオにはマラカスとか色々な楽器があるし、ティーカップやブランデーグラスなんてものも転がっているから、そういう物も音を出すのに使った。それとブラジルの偉大な音楽家達への敬意を示したくて、ビリンバウも使ったよ。

――10曲目「More Excuses」はフォーク風のサウンドから、ダブステップ(?)風ビートへと変化する展開にエキサイトしました。「一曲の中に複数の要素が存在する」という、このアルバムの特徴を象徴する曲だと思います。ちなみに昨今のイギリスにおけるダブステップ・シーンの隆盛に興味はありますか?

B 自分の中ではあのトラックはダブステップとは全く関係ないんだ。ダブステップはたまに好んで聴くけど、ほとんど似たような曲ばかりに感じる。イギリス、UKミュージックというよりはロンドンで流行っているジャンルだね。正直な話、ロンドンから出てくる音楽が一番だとは全然思わない。僕が好きなUKアーティストはみんなロンドン以外の出身だし、ロンドンがイギリスを代表しているとも思わない。ロンドンはロンドンでしかないんだ。首都だという事だけで注目を全部浴びているけど、The Beatles, Led Zeppelin, Black Sabbath, ELO, Cocteau Twins, Boards of Canada, The Smiths, Aphex Twinとか、UKミュージックを築いてきたアーティスト達は皆ロンドン以外の地方の人間だった。UKシーンで最も重要な音楽はロンドンから出てきたわけじゃないんだよ。もちろんこれは全部僕個人の意見であって、反対する人もたくさんいるだろうけどね。労働者が集まった殺風景な工業地帯から出るのが一番鮮やかで美しい芸術作品だったりする事もあるんだよね。


「無類の猫好きなんだ」


――今作のタイトルは日本語の「ボケ」(ぼやけ、かすみ)という言葉から来ているそうですが、この言葉はどのように知ったのですか? また、前作には「Haikuesuque」という曲もありましたが、日本の文化に興味があるのでしょうか?

B 禅仏教に興味があるけど、日本には行った事ないんだ。いつか行ってみたいよ、特に山が多い地方にね。日本という場所を肌で感じてみたいんだ。イギリスと日本は全く似ていないようで実は共通点が沢山あると思う。両国とも人口が密集している小さな島国だし、他の国にはない礼儀に執着する文化を持っている。イギリス人はよく謝るクセがあるんだけど、大陸側のヨーロッパ人には理解できない事らしい。すぐ謝ってばかりな所に苛立つ人もいるんじゃないかな。日本人もイギリス人と似たような礼儀の文化を持っていると思うけど、実際日本を訪れるまでは分からないな。それと、お茶、特に煎茶が大好きなんだ。いつか日本の作法できちんと煎れられたお茶を味わってみたいな。

――資料の文章中に「道路の上の落ち葉一枚だってとても美しくなり得るんだ」というあなたの発言があって、とても共感しました。まさに日本の俳句にも共通する感覚だと思います。ちなみに最近、あなたが日常生活の中で大きくインスピレーションを受けた出来事は何かありますか?

B 寝室の天井の一箇所に小さな虹が輝いていたんだ。ガールフレンドと一緒にどこから反射しているのか見つけようと、部屋中を探した。ようやく、カーテンの間から差し込んでくる日の光がハイファイ・スピーカーの小さなクリスタルに反射して、離れた場所に虹の光を届けているのを突き止めたんだ。その瞬間まるで子供に戻ったような気分だった。彼女と2人で笑ったよ。そういえば、「Haikuesuque」の「彼女が笑うと/ホールのピアノが/小さな音を出す」(“When she laughs / The piano in the hall / Plays a quiet note”)っていう歌詞は僕のガールフレンドのことなんだ。彼女の笑い声はピアノを反響させるほど大きいんだよ。

――前作の「Dwrcan」では庭にあった石やボトルの音を用いてパーカッションとして使用していたそうですが、今作ではどのような“楽器以外の音”を使いましたか?

B ブランデーグラス、ティーカップ、ファイリング用キャビネットの引き出し、中国風のシルクの扇子から飛行機の格納庫(aeroplane hangar)まで。


どうやって鳴らすの???

――ライヴ・パフォーマンスには関心がありますか? 以前あなたがライヴでギターを弾いている動画をyoutubeで見たのですが、例えば本作の曲をライヴで再現する、といったようなことに興味はありますか?

B 「ライヴ」ねぇ・・・一体「ライヴ」って何なんだろう? 昔からお決まりの言葉だよね。正直に言えば、ステージの上よりスタジオの方が落ち着くんだ。

――プライヴェートな質問で申し訳ないのですが、2年ぐらい前にあなたがMySpaceに猫の動画をアップしていたのを見かけたのですが、猫は飼われているのですか? 動物はお好きですか?

B 白黒の猫のアーノルドを飼っている。愛嬌があって、少し臆病者だけど、超かわいい奴だよ。無類の猫好きなんだ。動物は大好きだし、基本的に自然が好きだよ。猫のいない人生なんて考えられない。猫って本当に不思議な生き物で、一緒にいるとアイデアが沸くし落ち着いた気分にしてくれる。これからも猫を飼い続けるよ、できれば2匹以上ほしいな。ガールフレンドはマルの熱狂的なファンで、「マルのブログ」を毎日チェックしているよ。日本人も猫好きなんじゃないかと思うんだけど、そこも彼らと通じるところかな? 一番最初に飼った猫はイギリスの子供番組にちなんで“バグプス”(Bagpuss)と名づけたんだ。初期のBibioのサウンドに影響を与えた番組だよ。

滑り込むねこ。(マルのブログより)


Bagpuss



――本作はあなたの音楽家として大きな飛躍だと思います。今後、将来的な目標や予定のようなものはありますか?

B 他のミュージシャンや映像制作者など、色々な人とコラボしてみたい。もっと映像を取り入れてみたいし、映画のサントラも作ってみたいけど、はっきりした予定はまだないよ。未来は想像でしかなくて、確かな現実は今この瞬間だけだから。今から一年後の自分が何をしているか分からないことにワクワクするんだ。今現在やりたい事に集中して、時が経てばそれもまた変わるだろうと思っているから、何がおきても怖くないよ。

――Thank you very much!

B Thank you!

MySpace - Bibio


Bibio - Mind Bokeh

Posted by Monchicon
INTERVIEW / 17:05 / comments(0) / trackbacks(0)
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