[LIVE REPORT] Wet Leg 2023.2.17@O-East


Photo by Kazumichi Kokei(写真は15日のものです)

イギリスのワイト島から世界へ飛び出て瞬く間に世界を虜にしたWet Legの、待望の初来日ツアー最終日。グラミー賞2冠、そしてブリット・アワード2冠を受賞し、勢いをつけた彼女たちを見に詰めかけたファンで溢れかえっていた。

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[LIVE REPORT] Washed Out @ 恵比寿Liquid Room 2012/01/24


Photos by TEPPEI

ウォッシュト・アウト初東京ワンマン。iPadを携えたErnest Greeneに女性キーボーディスト(あのEPのジャケで泳いでいた奥さん)、ベース、ドラムという編成。ツイン・キーボードでもわ〜っとしたシンセのレイヤーがフロアに広がっていく。演目自体はアンコールを含めて1時間ジャストというあっけないほどの短さ(ちなみにツイッター上での反応はこのような感じ)。

御存知の通り「チル・ウェイヴ」というジャンルの代名詞として知られるアクトだけれど、ライブにおけるシンセの響きは「ひんやり」というよりは「まったり」という形容がふさわしかった(演奏力も含めて)。言ってしまえばズバリ「Middle Of The Road」なサウンド。だから、何となく今流行りのエッジーなものを期待していた人は肩すかしを食ったかもしれない。
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[LIVE REPORT] Battles @ 渋谷AX 2011.11.11


Photos: Tadamasa Iguchi

Tyondai Braxtonが抜けて3人編成になったBattles。さすがにトリオ編成で初めての演奏という状況の下でまだ手探り感が否めなかった4月の[SonarSound Tokyo 2011]での公演から世界ツアーやフジロックを経て日本に再び戻ってきた3人。4人編成の頃とは完全に生まれ変わったことを強く感じさせるライヴだった。



新作『Gloss Drop』からのレパートリーをメインに、前作の「Atlas」なども交えつつ約1時間半に渡るステージ。前半に「Sweetie & Shag」でBlonde RedheadKazu Makinoが飛び入り参加するというサプライズもありつつ、あとはひたすら3人が演奏に没入していく。演出は後ろに置かれた2台のLEDスクリーンに時折CGや歌と同期したヴォーカリストの映像が映し出されるという以外はシンプルなもので、あくまで音を聴かせるという姿勢に変わりはない。ちなみに、この日の公演は(イアンもMCで話していたように)2004年のMars Voltaの前座で出演した、バンドにとって初来日時のライヴ会場だったということで、気合十分だったようだ。
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[LIVE REPORT] The Deer Tracks, Her Space Holiday @ O-nest 2011.11.13



昨年、The Radio Dept., Fleeting Joysらが出演して好評を博したイベント「Into Your Dream」の第二弾。

The Deer Tracks

最初に登場したのは昨年に引き続いての出演となるThe Deer Tracks。まず真っ白なドレスをまとったエリン(美人!)と黒ずくめの服(胸元ぱっくり)でキメたデヴィッドのふたりの衣装の白と黒のコントラストが見事で、それだけで華がある。そして、ふと足元を見たらふたりとも裸足

ポエトリー・リーディングによるスロウなトラックからスタートし、o-nest内をじわじわとDeer色に染めあげる。その後サポートにこれまた黒づくめのの女性鍵盤奏者が登場。3人編成で打ち込みのバックトラックにキーボードやギター、鉄琴、ピアニカ、クラリネットなど多彩な音を重ねて新作からのレパートリーを中心に演奏していく(バックスクリーンには様々な映像を投影)。

打ち込みではあったけれど、楽曲の構成にメリハリがあり、生で聴くとアルバム以上にドラマティックな印象。効果的だったのは要所要所で挿入される(エリンが奏でる)ミュージカル・ソーで、この不思議と甲高く哀しい音色が彼らの持つ神秘的な世界観を見事に演出していた。

音色そのものはひんやりとしていながらも、演奏自体はとても熱く、特にエリンのヴォーカル・パフォーマンスと時々爆発するデヴィッドのギタープレイは非常にエモーショナル。北欧の人が本気でこういう「世界観」を作ったらどういうことになるか、というのをまさに見せつけられた感じ。そして、終演後に会ったエリンがとても気さくでフレンドリーな人柄だったというギャップがまた素敵でした。

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[LIVE REPORT] Jonny / The Posies



最近来日した、ベテラン・ポッパー2組のライヴレポです!

Jonny @ 原宿Astro Hall 2011.05.18

軽妙洒脱とはこのことか。Teenage FanclubのNorman Blakeと元Gorky's Zygotic MynciのEuros ChildsとのデュオによるユニットJonnyの記念すべき日本初公演。前座のホフディランの楽しいステージとカジヒデキのドラム&ギターによるシャープな演奏で場が暖まった後にのんびりと登場したおじさん二人。アルバム『Jonny』で展開されていた、ユーモアを小さじ3杯分入れたフォーキーでメランコリックなポップ・ワールドを、キーボードとギター、そしてラップトップから出すリズムによる簡素な演奏で再現(Joe Meekのカバーも披露)。ひとりだけだとゆるゆるになりすぎてしまいそうなところを、ふたりで補い合うことで、程よい緩さの中に美しいハーモニーが生まれていた。毎回曲終わりでノーマンがラップトップのボタンを指で押してビートをストップさせるというデジタルなんだかアナログなんだかよくわからない微笑ましい場面もあり、また曲間でのノーマンの軽妙なお喋りもそのホンワカ度に拍車をかける。本編終了後、アンコールで登場した二人はそれぞれのバンドの持ち曲「I Don't Want Control Of You」(ズッコケ・ギターソロが面白かった)と「Spanish Dance Troupe」を披露。特に約15年ぶりの本当に久々の来日となるEuros Childsの変わらない歌声には感動したし、二人のハーモニーの相性の良さもたっぷりと満喫できました。「こういう風に年を取りたいなぁ」と思わせてくれるような、まったりとした中にも大人の「粋」がいっぱい詰まったパフォーマンスでした。
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[LIVE REPORT] Everything Everything @ RADARS 新木場 Studio Coast 2011.04.30


Photo by Petrus Olsson / Adamsky

BRITISH ANTHEMSに代わる新イベントRADARSのトリとして出演したEverything Everythingの来日公演。ライヴ前にSEでかかっていたのはBlonde RedheadとDeerhoof、そしてThe Dirty Projectors(だったと思う)。まず、このセレクションだけで彼らの志の高さが伝わってくるような気がした。
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