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Tara Jane O'neil



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[REVIEW] Dirty Projectors - Dirty Projectors

勝者には何もやるな

すべての悲劇には、美しい始まりがある──というのは昨年リリースされたLittle Screamのアルバム収録曲「The Kissing」の歌い出しの一節だが、Dirty ProjectorsのDave Longstrethが、バンドのメンバーであり、恋人でもあったAmber Coffmanとの別れを綴った本作もまた、恋愛の美しい始まりと悲しい終わりを対比させながら、自分自身の体を検死台に乗せて解剖し、観察している。彼ら2人もコーラスという形でエンディング曲に参加していたデレク・シアンフランス監督の映画、『ブルーバレンタイン』のように。
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[FEATURE] Fleet Foxesの新作について私が知っている二、三の事柄


2012年の来日公演を最後に活動を停止するも、今年に入ってからInstagramを頻繁に更新し、ニュー・アルバムのレコーディング風景を定期的にアップしているFleet FoxesのRobin Pecknold。そんな彼が25日に新作と思われるアートワークをアップ(現在は削除)し、リリースが間近なのではと囁かれています。
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[REVIEW] Cass McCombs - Mangy Love
評価:
Anti-
(2016-08-26)

死んだ犬は治せない

黒人だけを襲うように調教された白い犬──フランスの小説家ロマン・ガリが、自分の妻であり、ジャン=リュック・ゴダール監督『勝手にしやがれ』のヒロイン役で知られる女優のジーン・セバーグの身に起こった事件をモチーフに書いた小説『白い犬』を映画化したのが、サミュエル・フラー監督の『ホワイト・ドッグ』(1982)だ。

一方、これまで4ADやDominoから作品をリリースしてきたカリフォルニアのシンガー・ソングライター、Cass McCombsのAnti-移籍第1弾となるアルバム『Mangy Love』は、こんなフレーズで幕を開ける。

 The white dog of the farm still breeds
 あの牧場の白い犬はまだ繁殖する
 she’s off her leash
 彼女は鎖をほどく
 to tear flesh and teach
 肉を引き裂いてわからせるために
 bum bum bum
 バム・バム・バム


アメリカが抱える人種差別問題に牙を剥いたこの「Bum Bum Bum」からもわかるように、通算8作目となる本作は、歌詞の面でも音楽の面でも、彼のキャリアの中でもっとも挑戦的、かつ挑発的な作品だ。
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Lambchop - FLOTUS
評価:
Merge Records
(2016-11-04)

大統領の夫

“FLOTUS”という言葉には“First Lady Of The United States(アメリカ合衆国大統領夫人)”という意味があるそうだが、2012年の前作『Mr. M』リリース後、夫人のMary Manciniがテネシー民主党の議長になってしまったLambchopのKurt Wagnerの心境たるや、まさに“FLOTUS”だったことだろう。
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[CLASSICS] Richard Buckner - The Hill
死者は語る

Bon IverことJustin Vernonが影響を公言し、新作『22, a Million』を捧げているシンガー・ソングライター、Richard Buckner。そんな彼がエドガー・リー・マスターズの『スプーン・リバー詩集』に曲をつけた2000年のアルバム『The Hill』が、詩集の刊行100周年を記念して、昨年Mergeから再発された。
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[REVIEW] Andy Shauf - The Party
評価:
Anti
(2016-05-20)

パーティーには早過ぎる

ジェレミーはその晩、ひどく酔っていた。

彼がシェリーの瞳に浮かぶ涙を見たら、驚いたことだろう。
彼女は部屋の隅に佇んで、床を見つめていた。
あいつ一体、今度は何をしたっていうんだ?
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[REVIEW] Whitney - Light Upon The Lake
評価:
Secretly Canadian
(2016-06-03)

ナナは愛の言葉

観測史上稀に見る寒さを記録した2014年の冬のシカゴで、Smith WesternsのギタリストだったMax Kakacekと、同じくSmith Westernsのドラマーで、Unknown Mortal OrchestraのメンバーだったこともあるJulien Ehrlichは、途方に暮れていた。2人とも恋人にフラれたばかりで、おまけに住む場所を追い出され、ホームレス同然だったのだ。
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Peter J. Brant - FAÇADES
評価:
R.C. Legacy Records
(2015-11-13)

一瞬「Jad Fair?」と見紛うようなジャケットの脱力系イラストが目を惹く本作。Jad Fairといえば、近年はDeerhoofのギタリストであるJohn Dieterichとのコラボ作品が続いているが、本作のミックスを手掛けているのはDeerhoofの元メンバーだったChris Cohenで、一体どんなアルバムなのかと思って再生してみると、何やら聴き覚えのある声が飛び込んでくる。

どうやら本作は、SolangeWar On Drugsのミュージック・ビデオを手掛ける映像作家であり、Ben and Bruno名義でも活動していたPeter J. Brantの楽曲を、カナダのシンガー・ソングライターであるNicholas Krgovichと一緒に歌ったアルバムのようなのだ。
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Posted by Monchicon
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Jim O'Rourke - Simple Songs
評価:
Drag City
(2015-05-19)

グッド・タイミング

前作『The Visitor』の余韻がきらびやかに舞うステレオ空間に、新しく聴こえてくる音とともに何者かの影が近づいてくる。陰影法でミラー・ボールが消えてゆく。これは西部劇の決闘の描写? なんて思っているうちに突然、馬に乗ったBuckingham Nicksに不意打ちされる。砂混じりの視界のなか、「Nice to see you once again (また会えて嬉しいよ)」の言葉が耳元をかすめる。

新譜『Simple Songs』はそんな風に始まる。ごく基本的な快楽への欲求に根ざしたと思われる、非常に複雑にアレンジされた曲の数々。蛍光深緑色のカーディガンを着ているのは誰? ピーター・フォーク? これは一体どんな音楽なんだろうか。陰影法ロック?
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Posted by Daniel Kwon
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Courtney Barnett - Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit
ペンは剣よりも強し

まずはアルバムの冒頭を飾る「Elevator Operator」の、巧みな語り口に驚かされる。

20歳にして社畜の青年オリバー・ポールと、ハイヒールを履いてヘビ革の鞄をぶら下げ、香水の臭いを撒き散らす中年女性。青年に同情した女性は後で強烈なしっぺ返しを食らうことになるのだが、性別も年齢も身分も違う2人の主従関係が1台のエレベーターの中で逆転するというこの曲は、エレベーターと人生のアップダウンを皮肉たっぷりに対比させていて、思わず唸らずにはいられない。
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Posted by 清水祐也
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