[INTERVIEW] Perfume Genius


photo by Camille Vivier

僕の人生の半分は過ぎ去った──そんなフレーズで始まるPerfume GeniusことMike Hadreasの新作『Set My Heart On Fire Immediately』は、2017年の前作『No Shape』、シアトルのダンス・カンパニーのために書き下ろした昨年の『The Sun Still Burns Here』に続いて、三たびプロデューサー/ギタリストのBlake Millsとタッグを組んだ作品だ。

それは病弱で孤独だった青年が、ダンスを通じて自分の身体と心の繋がりを取り戻し、同時に他者との繋がりを見つけるまでの物語でもある。空を舞うような「Without You」から、地を這うような「Your Body Changes Everything」まで。過去の自分に火を点けて燃やし、1曲ごとに新しい自分に生まれ変わるような本作について、Mikeが語ってくれた。


Continue Reading

[INTERVIEW] Car Seat Headrest



Car Seat Headrestは、まだ学生だった2010年頃から、車のバックシートで録音した音源をbandcampに大量にアップし始めたヴァージニア州出身の青年、Will Toledoによるプロジェクトだ。

大学卒業後にシアトルに引っ越した彼は、名門インディー・レーベルのMatadorと契約。バンド・メンバーを集めてツアーをスタートさせると、2015年の『Teens Of Style』と2016年の『Teens Of Denial』で、一躍シーンの寵児となる。

そんな彼らが過去作をリメイクした2018年の『Twin Fantasy』に続いてリリースする最新作『Making A Door Less Open』は、ツアー中にWillがドラマーのAndrew Katzと始めた別プロジェクト、1 Trait Dangerから発展したものだという。

普段からあまりメディアに登場せず、インタビュー嫌いな印象もあるWillだが、本作におけるペルソナであり、ガスマスクにオレンジの蛍光服姿のTraitというキャラクターに扮した彼は、アルバムについて思いのほか饒舌に語ってくれた。


Continue Reading

[INTERVIEW] The Orielles



故Andrew Weatherallによるリミックス・シングルも話題を呼んだ、英ハリファックス出身のインディー・ロック・トリオThe Orielles。そのセカンド・アルバム『Disco Volador』の冒頭を飾る「Come Down On Jupiter」の歌詞は、アンドレイ・タルコフスキーの映画『鏡』の中で、監督自身が朗読する父アルセニー・タルコフスキーの詩「初めての逢瀬」にインスパイアされているという。

同じくタルコフスキーの信奉者であるPatti Smithは2012年、Sun Raの曲に詩をつけた、「Tarkovsky(The Second Stop Is Jupiter)」という曲を発表した。ヴォーカル/ベースのEsmeとドラムのSidonieのHand-Halford姉妹はDJとしても活動しているというだけあって、音楽センスには定評のある彼女たち。パンクやハウス、イタリアン・チネ・ジャズから辺境サイケなど、様々な音楽やカルチャーを線で繋いで星座を象ったようなアルバムについて、メールでインタビューに答えてくれた。

Continue Reading

[INTERVIEW] Porridge Radio


photo by El Hardwick

彼らは、世界の全てが悪い状況になると予見していたのだろうか──と邪推せずにはいられないタイトル、『Every Bad』と名付けられたPorridge Radioのアルバムは、2015年にヴォーカルのDana Margolinを中心としてブライトンで活動を開始し、デジタルでのリリースやDIYな活動を経た後、名門Secretly Canadianと契約してから初のリリースとなる作品である。

今作に収録されている「Sweet」のミュージックビデオでいきなりDanaが頭を剃りだすシーンは衝撃的だ(最近は朝に半分頭を剃り、残りの半分は昼に剃ったとtwitterで呟いていた)。ラウドで骨太なパンク・サウンドに、繰り返し呪文を唱えるかのように歌う彼女は、激しい感情をぶつけているかのよう。本作品は、彼らが人生で体験した愛や喪失、孤独についての叫びである。

3月31日、Danaに電話インタビューを行い、今の状況やアルバムについて語ってもらった。


Continue Reading

[INTERVIEW] TOPS



2018年のジャパン・ツアーも記憶に新しい、カナダはモントリオール出身のドリーム・ポップ・バンドTOPS。そのツアーでも披露していた新曲をタイトルに冠し、前作に続いてBeach House作品で知られるChris Coadyがミックスを手掛けたニュー・アルバム『I Feel Alive』が、バンドの自主レーベルであるMusique TOPSからリリースされた。

彼ら特有のメランコリックなバラードも健在で、“ポップになった”という捉え方にはメンバーも抵抗があるようだが、それでも冒頭の「Direct Sunlight」や、ABBAやFleetwood Macすら思わせるタイトル曲に漂うポジティヴなムードは、リスナーに春の訪れと、生きる喜びを感じさせてくれることだろう。

自身のポートレートがジャケットを飾る本作について、現在はベルリンで暮らしているというヴォーカルのJane Pennyが答えてくれた。

Continue Reading

[INTERVIEW] Sorry



Sorryの名前を初めて見たのは、『DIY』の新人アーティストの曲を紹介する記事だったと思う。2017年、彼らは13曲のミックステープ『Home Demo/ns Vol I』を、フリー・ダウンロードで配布していた。あまりに素っ気なくシンプルなバンド名に、逆に興味を惹かれて聴いてみた約30分のこのテープは、90年代のグランジやローファイの雰囲気があるオルタナティヴなロック・サウンドを軸にしながら、Pro-Eraといったヒップホップからの影響も感じさせる。そして不協和音でありながらもどこか温かみのあるメロウなサウンドに、色っぽく気だるい男女ヴォーカルが重なっていく。聴き終わった頃には、彼らの奇妙で歪んだ世界観の虜になっていた。その直後、彼らと同じノース・ロンドン出身で、セカンド・アルバム『Visions of a Life』で全英2位を獲得したばかりのWolf Aliceにインタビューをする機会があり、気になる新人として彼らの名前が挙がるなど、注目の高さが伺えた。

それから月日が流れ、彼らはDomino Recordsと契約し、満を持してリリースされるデビュー作が『925』である。

Continue Reading

[INTERVIEW] Julia Jacklin



パートナーのNick McKinlayと共同で、Stella Donnellyの「Old Man」や、Rolling Blackouts Coastal Feverの「Cars In Space」のミュージック・ビデオを監督していたオーストラリアのシンガー・ソングライター、Julia Jacklin。失恋やリベンジ・ポルノといった難しい話題を包み隠さず歌った昨年のアルバム『Crushing』が絶賛され、Lana Del Reyのステージにも招かれた彼女が、バンド・メンバーを従えて待望の来日公演を行う。

シリアスな楽曲とは裏腹に、普段の飄々とした佇まいが印象的で、自身のミュージック・ビデオでもディレクター、ダンサーとマルチな才能を発揮しているJuliaが、これまでのキャリアや、来日公演への意気込みを語ってくれた。


Continue Reading

[INTERVIEW] Caribou


photo by Thomas Neukum

CaribouことDan Snaithの人生に起きた、いくつもの“突然の変化”が散りばめられた5年半ぶりの新作『Suddenly』。

しかしそのサウンドの一貫性のなさに不安を持っていた彼に自信を与えてくれたのは、意外にも昨年リリースされたTyler, The Creatorのアルバム『IGOR』だったという。

ジャズやヒップホップ、トラップなど、様々な音楽への興味が水面の波紋のように全方向に拡がる新作について、6月に開催されるフェスティバルFFKT 2020での来日も決まっているDanが答えてくれた。


Continue Reading

[INTERVIEW] Real Estate


photo: Jake Michaels

変わらないことが魅力のひとつだったニュージャージーのロック・バンドReal Estateにとって、3年ぶり5作目のアルバムとなる『The Main Thing』は、いくつかの大きな変化を捉えた作品だ。

ドラム・マシーンとストリングス・セクションを導入したオープニングの「Friday」や、前作から加入したギタリストのJulian Lynchが初めてリード・ヴォーカルを取るプログレッシヴな「Also A But」といった新機軸を含むバンドの挑戦心は、The WalkmenのMatt Barrickがパーカッションで、Sylvan EssoのAmelia Meathがコーラスで参加したリード・シングルの「Paper Cup」にも端的に表れている。

変わり続ける世界で、彼らが大切にしている“The Main Thing”とは一体何なのだろう。フロントマンのMartin Courtneyが語ってくれた。

Continue Reading

[FEATURE] Andy Shaufを知るための22の質問



先月ニュー・アルバム『The Neon Skyline』をリリースしたカナダのシンガー・ソングライター、Andy Shauf。その雄弁な楽曲とは裏腹に普段の口数は少なく、インタビューでも「ひとつの質問に対して一行しか答えない(ただし、機材の話題は除く)」という噂があるほどです。

案の定先日行ったメール・インタビューでも非常に簡潔な答えが返ってきましたが、そんな彼が先日、海外のコミュニティ・サイトRedditでファンからの質問に答える“AMA(Ask Me Anything)“という企画を実施していたので、そこからの回答も交えつつ、この寡黙なミュージシャンの謎を紐解いていきたいと思います!

Continue Reading