[FEATURE] Warm American Water〜Fleet Foxesの新作『Shore』についての覚え書き



本日9月22日、秋分の日の秋分点である日本時間の22時31分に、Kersti Jan Werdalが監督した55分間の映像と共に世界同時公開されたFleet Foxesの新作『Shore』。その参加ミュージシャンのクレジットと、中心人物のRobin Pecknoldが発表した声明文をもとに、アルバムの全貌に迫ってみたいと思う。


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[FEATURE] Josh Da Costa(CMON)が語る『Becoming Peter Ivers』


photo: Moshe Brakha

「『Becoming Peter Ivers』を手掛けるにあたって、僕らにはレコーディングの日付や、クレジットが一切なかったんだ。ほとんどの録音が印のないリールやカセット・テープからのもので、Peterと仕事した人たちから得たほんの一握りのミュージシャンの情報からは、録音した日付や、年さえも特定することはできなかった。だから僕たちはそれを謎のままにして、音楽そのものに語ってもらうことにしたんだ」(Matt Werth/RVNG Intl.)

坂本慎太郎やJim O'rourkeもフェイヴァリットに挙げる74年のカルト・クラシック『Terminal Love』で知られるミュージシャンであり、のちにPixiesやDEVOがカバーしたデヴィッド・リンチ監督映画『イレイザーヘッド』の挿入歌、「In Heaven」の作者でもあるPeter Ivers。80年代にはロサンゼルスのローカル音楽番組『New Wave Theatre』の司会者として、FearやDead Kennedysといったパンク・バンドを紹介してきた彼は、83年に自宅マンションで何者かに殺され、謎の死を遂げている。

そんなPeter Iversが遺した、500本にも及ぶリールやカセット・テープからセレクトされたデモ&未発表音源集が、昨年ニューヨークの先鋭レーベルRVNG Intl.からリリースされた『Becoming Peter Ivers』だ。Van Dyke Parksとの共作を含むその内容もさることながら、先述した「In Heaven」を始めとする6曲のミックスのクレジットに、Josh Da Costaという名前を見つけて驚いたのは自分だけだろうか。MGMTやDrugdealer、Chris Cohenのバンドでドラムを叩いてきた彼は、Jamen Whitelockとのデュオ、CMONとしてのファースト・アルバムをMexican Summerからリリースしたばかり。

そこで今回はそんなJosh Da Costaに、アルバムのミックスを手掛けることになったきっかけや、Peter Iversへの想いを語ってもらった。→ENGLISH

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[FEATURE] ロシアのアヴァン・ポップ・アーティスト、Kate NVが選ぶ日本のポップス10曲



先日ニュー・アルバム『Room For The Moon』をリリースしたロシアはモスクワのアーティスト、Kate NVことKate Shilonosova。日本語を含む歌詞も話題となったリード・トラックの「Sayonara」を収録した本作は、そのタイトル通り以前よりも丸みを帯びた、親しみやすい作品となっている。

そこで今回は、かねてからJ-POP好きを公言している彼女に、お気に入りの10曲を選んでもらった。彼女がよく使う“マジカル“という形容詞が、そのままKate NVの音楽を紐解くヒントになっているような気がするが、新作には日本のあのアニメと、主人公の相棒の黒猫、ルナからの影響も大?


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[INTERVIEW] Ethan P. Flynn



今年の2月、自粛期間に入る直前の東京で一夜限りの来日公演を行い、息を飲むように美しいピアノの弾き語りを披露したロンドンの新鋭、Ethan P. Flynn

ほぼ無名の存在だったにも関わらず、FKA Twigsのアルバム『Magdalene』で3曲にソングライターとして抜擢された彼が、名門レーベルのYoung Turksと契約し、昨年のアルバム『B-Sides & Rarities』に新曲4曲を加えたエクスパンデッド・エディションを、9月10日に配信リリースする。

世界の終わりのテレビ番組から流れてくるようなノイズ混じりのピアノ・バラードを奏でるEthanが、来日公演の翌日、音楽的な影響や、既に取り掛かっているという次回作について話してくれた。

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[INTERVIEW] Soko


photo by Miriam Marlene

女優としても活躍するフランス出身のシンガー・ソングライターSokoが、長男の出産という人生の一大イベントを経て、5年ぶりのニュー・アルバムとなる『Feel Feelings』をリリースした。

新型コロナウイルスの蔓延や黒人差別への抗議活動の拡がりを踏まえて、この時期に新作をリリースすることを躊躇していたという彼女だが、Arthur Russellの曲から歌詞を引用し、“悲しくなるのは罪じゃない”と歌う「Being Sad Is Not A Crime」や、“その涙越しにあなたの笑顔を見たい/雨の中の太陽をもう一度”とクィアであることの歓びを高らかに歌う「Oh, To Be A Rainbow!」などを収録した本作は、今こそ聴かれるべき作品だろう。

虹色の人生を送るSokoが、Nick Caveとの出会いや、スパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』の撮影秘話などを、たっぷりと話してくれた。

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[INTERVIEW] The Beths


photo:Amanda Cheng

2018年、ニュージーランドの自然豊かな美しい街、オークランドからデビュー・アルバム『Future Me Hates Me』で世界に飛び出していったThe Beths。彼らの2枚目となる新作、『Jump Rope Gazers』がリリースされた。

有名音楽メディアから絶賛され、北米やヨーロッパを横断して一気に有名になった彼らだが、本作に収録の「Dying To Believe」で“会話をできないなんて残念”と歌うように、成功と引き換えに故郷と地元にいる大切な人から離れなくてはならないことに苦悩と葛藤があったそうで、今作ではその長いツアーでの不安やネガティブな感情と経験が歌われているという。しかし、身体を揺らしたくなるようなキャッチーなギター・サウンドと、バンドの中心であるElizabethの美しい歌声にパワフルなバック・コーラスが重なり、世界を回った彼らの自信と成長も感じさせる作品となっている。

昨今のコロナ禍で世界を回れない状況になっても、彼らは4回に渡って“The Beths TV”と名付けた自宅やスタジオからのホーム・セッションを開催し、今度は離れた場所にいるファンと繋がる努力をしていたようだ。また、同時にこのセッションで人権擁護の団体への寄付を呼びかけている。

さて、Elizabeth Stokes(Vo.)と Jonathan Pearce(G.)に新作にまつわる話や、すでにコロナ・ウイルスの抑え込みに成功したというニュージーランドの今の状況等を電話で伺った。

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[INTERVIEW] Christian Lee Hutson



モリッシーの擁護者。アマチュア心理学者。連続的単婚主義者──そんな高校時代の悪友たちが離ればなれになり、やがて新聞で仲間の事故死を知るという歌詞が胸を打つ「Northsiders」を収録した本作は、昨年のPhoebe Bridgersの来日公演にも帯同していたシンガー・ソングライター、Christian Lee HutsonのAnti-移籍第1弾だ。

プロデュースもPhoebeが手掛け、彼女やPerfume Geniusの新作と同じロサンゼルスのSound City録音ということで、Conor OberstやEthan Gruska、Lucy Dacusといった周辺人脈が総出でサポートしたこのアルバムについて、Christianがメールで答えてくれた。

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[REVIEW] Khruangbin - Mordechai


評価:
DEAD OCEANS
(2020-06-26)

はばたけ、モルデカイ

ウェス・アンダーソン監督の2001年作『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の劇中でルーク・ウィルソン演じるテネンバウム家の次男が飼っていた“モルデカイ”という名の鷹は、バラバラになってしまった家族の再生を暗喩する存在だった。その鷹は、止まっていた家族の時間を再び動かす存在のメタファーとして扱われていたように思う。

奇しくも、Khruangbinが2年ぶりにリリースした新作『Mordechai』のジャケットにも一匹の鷹が描かれているのだが、そもそも“モルデカイ”という(人)名は旧約聖書に登場する偉人に由来しており、それが"鳥"だとする言説は実はどこにもない。では一体この鷹はどこから来たのだろう――。

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[SONG OF THE DAY] Sufjan Stevens - America



今年の3月、継父であるLowell Bramsとのニュー・エイジ・アルバム『APORIA』をリリースしたばかりのSufjan Stevensが、9月25日に早くも新作となる『THE ASCENSION』をリリースすることを発表、リード・トラックとなる12分越えの大作「America」が、アメリカ独立記念日の前日となる本日、7月3日に公開されました。

なお、この曲は7月31日にアルバム未収録の曲「My Rajneesh」とカップリングした12インチ・シングルとして発売されることも決まっています。それではお聴きください!


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